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KITの革新複合材料研究開発センター(ICC)とドイツの世界的炭素繊維複合材料クラスター「CFKバレー」が協力協定締結

KIT金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター(ICC)はドイツの炭素繊維複合材料クラスターCFKバレーと10月12日、ドイツのニーダザクセン州立博物館において協力協定を締結しました。

調印式はニーダザクセン州ヴァイル首相と石川県谷本知事の立会のもと、CFKバレーメルツCTO、ICC鵜澤所長が調印しました。

 

 

 

 

CFKバレーは、ドイツ北部のニーダザクセン州シュターデ市にあり2004年に設立されました。州政府と市や連邦政府、エアバス社など約120の企業や団体が研究開発に加えて、炭素繊維を使った複合材料の製造方法、加工方法から製品化までの量産技術の構築をはかっています。特にエアバスのシュターデ工場と隣接しており、エアバス社の炭素繊維複合材料の製造技術の開発に大きく関わっています。

 

日本国内における東海北陸連携(コンポジットハイウェイ構想:北陸の繊維・機械の「川上」「川中」と東海の自動車・航空機産業の「川下」との連携)や2014年のEMC2(フランスの世界的炭素繊維クラスター)との連携協定に加えて、今回のCFKバレーとの連携により、炭素繊維複合材料の普及に向けた、ICCをメンバーとした世界的連携が構築できました。

 

本協定は、2014年11月に中部経済産業局主導の東海北陸コンポジットハイウェイの連携調印式典を兼ねてCFKバレーの一行がICCに来た時より連携に向けた検討がはじまり、その後、石川県、中部経済産業局など行政の側面的支援も得て今回の調印にいたりました。

 

調印式には、金沢工業大学から4名、北陸先端科学技術大学院大学の学長等6名、複合材料分野でICCと共同研究をしている石川県地元企業中心に企業からはトップも含む10社、行政から中部経産局産業部長、ジェトロ金沢所長、ドイツ現地からハンブルグ領事事務所所長、ジェトロベルリン事務所所長、東レCFKバレー駐在研究員も参加しました。石川県庁からは、谷本知事はじめ商工労働部職員やプレス関係も参加し、総勢40名の訪問となりました。


調印を終えて、谷本県知事からは「CFKバレーは我々が目指すべきお手本で学ぶところが多い。石川県とニーダザクセン州、日本とドイツの絆を強めることにもつなげたい。」と挨拶がありました。また鵜澤ICC所長は「CFKバレーとICCの単なるセンターとセンターの協定ではなく、CFKバレーに属するグループ、研究者とICCの属するグループ、研究者同志が連携を深めていきたい。またすぐにCFKバレーと共同研究をスタートし、グループ間、研究者間の連携につなげていきたい。」と意欲を語りました。

 

調印式典を終えた翌13日は、CFKバレーにおいて、日本側からICCと参加企業10社によるポスター展示とプレゼンによる技術交流会が開かれ、自動車部品や建築資材分野などで炭素繊維複合材料の実用化を目指す県内企業6社が成果を紹介して高い関心を集めました。

 


 

その後、日本からの訪問団はベルリンに移動し、BMWのライプツィヒ工場において、自動車(型式:I3、I8)のボディを炭素繊維複合材で作る工程を視察しました。

 

 

複合材料の実用化には、素材から成形・加工、製品化までの一貫した垂直連携、サプライチェーンが重要です。今回のICCとCFKバレーとの連携により、歴史的に繊維産業の盛んな石川県企業が取り組む複合材料製造工程の「川上」と繊維機械産業の集積である「川中」が、CFKバレーと連携しているエアバス社やドイツ自動車メーカ等の「川下」との間で世界規模で連携し、複合材料の実用化加速に繋がることが期待されます。

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