- 虎ノ門大学院ブログ
- 2025年01月09日
【授業レポート】マーケティング・コミュニケーション特論(細田高広)
企業の価値を顧客に伝える技術を磨く
今回の虎ノ門大学院ブログでは、「マーケティング・コミュニケーション特論」の1コマ目をご紹介します。講師を務めるのは、総合広告会社TBWA\HAKUHODOの執行役員兼Chief Creative Officerとして活躍する細田高広客員教授。
国内外で数々の企業ブランディングやコミュニケーション戦略に携わってきたその経験をもとに、最新事例や具体的なノウハウを惜しみなく提供してくれる貴重な機会です。
受講生は、理論にとどまらず「今、現場で求められているマーケティング」へと踏み込み、まさに生きた知見を得られます。
■ マーケティング・コミュニケーションの実践を学べる全8コマ |
本科目は全8コマで開講。ここで扱う「マーケティング・コミュニケーション」は、広告やプロモーション、広報といったあらゆる接点を通じて顧客とのつながりを築くアプローチを指します。
最近では経営者自身が発信したり、開発段階からPR戦略を練り込んだりと、その重要性は経営活動のすべてに広がっています。この授業では、概念的な理解を超え、実践的なスキルをしっかりと身につけることを目指します。
授業は3つのテーマから構成されています。
まずは「コミュニケーション・コンセプトの開発」。顧客インサイトや競合分析、自社強みの抽出から、伝えるべき価値を導くプロセスを、Airbnbやテスラの成功事例をもとに学びます。顧客心理を的確に読み解き、差別化戦略を考案するこのステップを通じて、理論に基づく実践力が磨かれます。
次に「カスタマー・ジャーニーの策定」では、顧客が商品・サービスを知ってから購買に至るまでの流れを可視化し、TikTokやXといった最新SNSを活用したメディア戦略に踏み込みます。ペルソナ設計から顧客接点デザイン、KPI設定まで、マーケティング全体像を多角的に把握。実務を想定したプロジェクト形式で、要素間の有機的なつながりを俯瞰していきます。
受講生との対話を重視する授業スタイル
最後に「ブランディングの方法論」では、長期的な視点で企業や商品の価値を向上させるためのブランディングについて、アップルやスターバックスなどの世界的ブランドを例に具体的に解説します。単なる瞬間的なマーケティング施策ではなく、顧客との長期的な関係構築を目指したコミュニケーション手法を学び、ブランドがどのようにして愛され続けるのか、その秘訣に迫ります。
■ シンプルに本質を学べる、笑いと刺激に溢れた90分 |
細田先生の授業は、理論と実務を有機的につなぐ点が大きな魅力と言えるでしょう。
受講生は、学んだ知識を実際のマーケティング課題に即して考え、発表する場を得ることで、より強固な実践力を身につけます。講師からは、豊富な経験に基づく具体的かつ実用的なアドバイスがもらえるため、リアルなビジネス現場を想定した学びが可能です。
もう一つの大きな魅力は細田先生の授業スタイル。
誰もが知るブランドの事例に対する鋭い分析や、ユーモアあふれるミニワーク(いずれもネタバレになるので詳細をご紹介できないのが残念です…)を通して、本質に触れることができます。今回は授業の1コマ目だけを見学しましたが、90分は本当にあっという間です。興味のある方は、細田先生の著書で7万部突破のロングセラー『コンセプトの教科書 あたらしい価値のつくりかた』も、ぜひご覧になってみてください!