・2年以上の企業又は官公庁における在職経験をお持ちの方
・事業/製品企画やマーケティング戦略に関わっていて知財に関心のある方
・知財に関わっていて事業/製品企画やマーケティング戦略に関心のある方
・経営企画担当者、知財戦略担当者、コンサルタントの方など
■講演概要
「IPランドスケープ」(IP Landscape)というのは、欧米の先進企業において、ここ数年で急速かつ頻繁に使用され始めた新しい用語です。知財データを活用した最新の経営戦略・事業戦略の支援手法であり、新たなマーケティング・リサーチの手法ともいえます。最近まで日本でこの言葉はほとんど知られていませんでしたが、2017年4月に公開された経済産業省「知財人材スキル標準ver2.0」で用いられ、日本経済新聞でも大々的に報じられたこともあり、今後は相当のスピードで普及していくであろうと予想されます。
今回のKITプロフェッショナルミーティングでは、経済産業省「知財人材スキル標準ver2.0」策定の委員長を務めた杉光一成教授が、欧米企業からのヒアリング結果やマーケティングの大家であるフィリップ・コトラー教授との対話等に基づいてIPランドスケープの概念を解説するとともに、デロイトトーマツにおいてIPランドスケープを実際にコンサルティングしている小林誠氏と、世界中の特許調査・分析に関わる知財情報コンサルティング・サービスを提供している野崎篤志氏に、その具体的事例についてそれぞれ解説いただきます。イベントの最後には、パネルディスカッション&質疑応答の時間も設けております。会社のお仲間やお知り合いとお誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください。
■講演詳細
第1部 『IPランドスケープの概念と企業の反応』 杉光 一成
IPランドスケープというのが知財業界において一種のバズワードのようになっています。この言葉は、知財人材スキル標準ver2.0で導入されたのが日本で最初です。そこで、知財人材スキル標準ver2.0の策定委員長としてなぜこの言葉を導入したのか?そしてこの概念が従来の知財業務とどこが異なるのか?更には、現在の企業の反応がどうなっているかについて解説します。
第2部 『IPランドスケープの活用 -事業戦略と知財戦略の結節点-』 小林 誠
IoT、AI、ビッグデータ等をキーワードに産業構造が大きく変化する中で、従来型のモノづくりのための知財戦略から脱却し、新たな知財戦略を構築していくことが求められています。事業戦略と知財戦略の関係性を紐解きながら、IPランドスケープの本質とその重要性について解説します。また、知財戦略コンサルタントとしての立場から、実務におけるIPランドスケープの活用場面や活用方法について紹介します。
第3部 『IPランドスケープを可能とする特許・ビジネス情報分析』 野崎 篤志
企業において各種戦略策定や競争環境の先読みを行う上で、特許情報だけではなく競合他社の企業情報やマーケット情報など様々なビジネス情報を含めて総合的に分析する必要があります。特許情報でどこまで分析できるのか?また特許情報とビジネス情報をどのように使い分けるのか?ビジネスの現場において分析に用いる情報ソースの観点から解説します。
~パネルディスカッション&質疑応答~
最後に、当大学院イノベーションマネジメント研究科専攻主任である加藤浩一郎教授の司会進行のもと、杉光教授、小林客員教授、野崎客員准教授のお三方に再度ご登壇いただき、会場からの質問を受け付けながら、参加者全員でIPランドスケープへの理解を深めていきます。