平成22年度(2010年度)FD研修会
FD研修会の趣旨とテーマ
今年度(平成22年度)は、数理リテラシーパスポートによる新しい数理教育が全学展開されている。一方、特別奨学生制度や指定校制により、ますます学力面、学習意欲面で多様な学生が入学してきた。 特に、今年度の特長、課題としては、
- 数理リテラシーへの関心が高まり、特別講座受講者が大幅に増えた
- 課外学習の成果を授業科目へ反映させることにより、授業支援講座などの受講者が大幅に増えた
- 安易に単位を取るため、学力診断をあえて低得点とする学生が増えた
などが挙げられる。 昨年度のFD研修会の結果を踏まえ、平成24年度からの本格的な2学期制に移行に合わせ、昨年に引き続き、 『平成24年度からの数理教育』をテーマとして
- 平成24年度の数理工基礎教育課程のカリキュラム(案)に対する討議・意見交換
- 平成24年度からの学習支援(基礎数理の廃止に伴う)についての討議・意見交換
を行った。
FD研修会での討議のポイント
- 平成24年度のカリキュラムの課題と対応策についての討議
- 平成24年度からの課外講座、課外学習(基礎数理ミーティングを含む)の仕組み、運営などの討議
研修会の運営
■事前準備
- 討議・意見交換の資料として、事前にアンケート調査を行い、意見等を収集した。
■事前学習
「アンケート調査のための事前検討の資料」
- 平成21年度の総合アンケートおよびインタビューなどの調査結果 (教育フォーラムの資料)
- 平成22年度(前学期)の数理工教育のアンケート集計結果
- 平成24年度からの数理工基礎教育課程のカリキュラム(案)
■研修会当日
11月27日(土)と11月28日(日)の2日間にわたり、グループ討議、全体討議を行った。
1日目 13時30分から16時30分(グループ討議)
19時から21時(グループ討議)2日目 9時から12時(各グループまとめと発表)
■フォローアップ
- グループ討議は、チームリーダーが司会を務め、各自準備した意見を説明(提案)してもらい、その意見に対し、グループ討議し、今回の研修会のテーマに対するチームの意見を纏めた。
- チームの代表が全体討議で発表した。
- グループ討議、全体討議は、研修会のまとめとして、討議内容などを冊子として纏めた。
FD研修会のまとめ
- 数学を苦手とする学生が増え(ゆとり教育の弊害も起因)、授業支援講座、基礎数理ミーティングなどでの学習支援にもかかわらず、「基礎数理」の評価が年々低下している。一方、授業支援講座、基礎数理ミーティングなど課外学習の参加を正規の授業の成績に反映させたことが、学生の学習への取組に一定の効果があった。
- 平成24年度から「基礎数理」を廃止するに伴い、学力下位者へのケアをどうするか。その対応として、授業支援講座、基礎数理ミーティングなどの課外講座の受講を義務化することが必要ではないかという意見が大勢を占めた。(自学自習路線→強制路線への転換)
- 数理リテラシーの修得ポイント(数理ポイント)が高い学生の育成のために、授業支援講座などの課外学習の教員補助、オナーズプログラム(数学検定プロジェクト、数理工基礎プロジェクト)への参加、工科系数学統一試験(EMaT)の受験などを勧める。
- 専門教員が基礎関連科目を担当あるいは連携することによって、数理工基礎教育のあり方や問題点を示唆してもらい、専門・基礎の両課程によい刺激になることを期待したい。
- 統合課題については見直しが必要だ。短い話題や共通課題を複数用意して、教科書本文と関連づける、あるいは取り上げるタイミングを本文とうまく合わせるような工夫がほしい。
- 成績評価の不公平を低減するため、現在の期末試験のみの共通化を中間試験などにも範囲を広げる。