Go beyond!
KITのプロジェクト

学生たちが没頭する

課外活動の

正体に迫る!

SCROLL

金沢工業大学(KIT)の学生生活は「プロジェクト」にあふれている。学びの柱となるプロジェクトデザインで身に付けた「チームで課題を見つけ→解決方法を考え→実践する」手法を課外活動で展開するのが、いくつもの「夢考房プロジェクト」や「学科プロジェクト」だ。正課の学びをもっとリアルに、さらにディープに。KITの学生が没頭する「プロジェクト」の正体とは?

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夢考房プロジェクト RoboCup@Home プロジェクト
飯田一成さん
ロボティクス学科4年・出村研究室
清水東高等学校出身

特技は“おつかい”!?

生活支援ロボ

Happy mimiの秘密。

お年寄りや子供の手助けをする「Happy mimi」。毎年、自ら考えて動く自律移動型ロボットの競技会「ロボカップ」の生活支援部門「@Homeリーグ」に出場し、技術の向上と検証を行っている。

Happy mimiができることは自分で経路を探索して動く「自律移動」、自然言語の「音声認識」と「音声対話」、モノと人を区別する「物体認識」、モノを持つ「物体把持(はじ)」。これらを駆使して「しょうゆ味のカップ麺を持ってきて」などの簡単なおつかいが可能だ。

制作チームの一人、飯田一成さんは「たったそれだけのミッションをクリアするために、自分たちの精いっぱいの知識と技術を詰め込みました」と話す。

こうしたKITにおける夢考房プロジェクトの目的の一つは「最先端の技術に手を伸ばすことにある」と飯田さんは言う。プロジェクトの取り組み方や、基礎となる専門知識を大学で学び、夢考房プロジェクトでリアルな実践の世界に飛び込む。そこで結果・成果を出そうとするなら、必然的に最先端の技術に目を向けて、取り入れる必要が出てくるのだという。

学びのカタチをピラミッドに例えれば、授業では基礎の広い部分を修得し、プロジェクトでは頂上の狭い部分に手を伸ばす。そして中間部分は日々の試行錯誤の中で自然と埋まっていくというわけだ。

「センサの設定にめちゃくちゃ苦労しました」。
「画像認識のデータセットが大変だった」。
飯田さんの中の「Happy mimi」の思い出は苦労話が大半だ。それでも目を細めてうれしそうに語るのは、あの黄色い機体のなめらかな動作が、自身の成長の軌跡に重なって見えるからに違いない。

手がかかる子ほどかわいいです

これが「Happy mimi」のすべてだ!
ひとりでおつかいができるよ!
1音の方向も感知する
マイクロホン
一定方向の音だけにフォーカスして精密な音を聞き取る。音声入力用のマイクであり、音の方向を見定めるセンサの役割も果たす。
1
2「500g」まで持てる!
アーム
モノをつかむマニピュレーター。「エンドエフェクタ」と呼ばれるアームの先は物体把持の機能向上のため粘性を上げている。可動式ロボットで「500gまで持てる」のはHappy mimiの特徴の一つ。
2
3ハイスペックな“脳”
PC
プログラム処理を行う「脳」の役割。一般的なCPUだけではなく、画像処理に優れたGPU(グラフィックス・プロセシング・ユニット)も搭載。これにより物体認識や人間の姿勢推定など、人工知能を用いた処理も短時間で実行できる。
3
4障害物を認識する
LiDARセンサ
オレンジ色のセンサ装置は赤外線を発して跳ね返る時間で周囲の物体の形状や距離を計測。周囲の地図をつくり障害物を認識する。
4
02
学科プロジェクト Toiro
ものづくりで
地域のお悩み
解決します!
清野琴梨さん
建築学科3年
新潟江南高等学校出身

地域活性化に挑む!

ものづくり集団

「Toiro」とは?

ものづくりは十人十色で「Toiro」。建築の分野は幅広いから「Toiro」――。その名の通り建築学科の学生を中心に約50人もの学生が、ものづくりで実社会とつながり、課題解決に取り組んでいくのがこの「Toiro プロジェクト」だ。

「Toiro」が手がけた施工のひとつに、古民家の再生がある。七尾城跡へ続く山道の古民家を、居心地の良いコミュニティスペースにしてほしいという七尾市からの依頼だった。「学生らしく型にはまらないものづくりができたのは、『Toiro』だからこそだと思います」と話すのは代表を務める建築学科3年生の清野琴梨さんだ。

1年生から3年生が膝を突き合わせて考えたのは、組み合わせ次第で自在に形を変えるテーブルとイスの制作。訪れる人の人数や目的に合わせて使ってほしいという願いを込めて、材料の選定から細部の施工まで真摯に取り組んだ。

「Toiro」の活動を通して、清野さんは大学院で公共施設の研究を続ける進路を選んだという。「学外の人や先輩後輩とつながれたのは本当に良かった。卒業制作を手伝わせてもらったり、アイデアに講評をもらったり、知らない分野を学んで建築への視野が広がりました」(清野さん)。

プロジェクトでの経験を生かして、設計事務所やリノベーションが得意な企業へ就職する学生もいるという。そんな風に、ものづくりと人に本気で向き合うことで、見据える未来もまた十人十色。新たな人と人のつながりで広がる世界もあるだろう。「Toiro」での4年間は、そんな自分らしい道を探す手がかりにもなる。

高い収納製を
備える!
2021年夏に行った石川県七尾市にある史跡・七尾城跡の大手道(旧道)に休憩所を設ける取り組み。「トレッキングなどで訪れる人がひと休みしたり、交流ができる休憩所をつくりたい」と地元の矢田郷地区まちづくり協議会からの依頼でToiroが参画した。内装をデザインし、城跡の活用法を提案した模型や、組み合わせ次第で大きさや形が変わるテーブルとイスを制作・設置。特にテーブルは、休憩所を広く使う際、コンパクトに収納できる機能を持たせるなど、場を活用しやすい工夫にこだわった。