現代社会における情報技術、ネットワーク技術とそれらの応用技術は、産業界の技術・経営革新を担う中核技術である。さらに、近年では技術の幅広い可能性により、人々が生活する社会の仕組みに変革をもたらしている。本学科では、情報工学に関する基盤技術と、その応用として、組み込みシステム、ソリューション&サービスなどの専門技術を修得し、広く社会に貢献できるプロフェッショナル技術者を育成する。
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社会を支える「ものづくり」の基盤である機械分野、電気・電子分野、情報分野の技術について、工学と社会さらには地域とのつながり、歴史および現在、未来の技術について学び、「自ら考えて行動する技術者」としての第1歩を歩み出す意識を明確にする。各分野における学ぶ領域、学問の拡がりを学び、各自の将来の目標、夢を実現するためのキャリア形成を意識して、修学計画能力を身につけ、今後の学習姿勢を確立する。「覚える・暗記する」学習ではなく、現象や物事の本質を論理的に考える力(科学力)、デザイン力の醸成を目標とする。
行動目標●現代社会における工学部の役割を理解し、自身の修学計画を立案することができる。情報工学科の「学ぶ領域」、研究分野を理解し、今後の勉学の方法、履修計画について主体的に考えることができる。情報工学の基礎である計算機とプログラミングの役割について説明できる。情報技術を利用したソリューションが果たす役割を説明できる。情報技術により提供するサービスがどんな仕組みか説明できる。自身のキャリア形成プロセスを自身の言葉で述べ、それを第三者に伝えることができる。
この科目の学習教育目標は、プログラミング言語 Python で基本的なプログラムを作成し、実行できるようになることである。具体的には、適切な開発環境を自分のパソコンに用意でき、下記概要に記した Python の文法事項を理解したうえでプログラムが書け、書いたプログラムを実行できるようになることが目標である。
行動目標●プログラムを実行するまでにどのような操作が必要か、流れを説明できる。変数に値を代入することができ、print 文を用いて変数の値を表示することができる。適切な名前を持った変数および演算子をもとに式を作り、式を評価して結果を得ることができる。条件分岐や反復など、基本的な制御構文を適切に用いたプログラムが記述できる。比較的簡単な仕様を満たす関数を定義することができる。リストを定義し、それを利用するプログラムが記述できる。
高度な情報処理技術者として活躍するためには、単にプログラムが組めるだけでなく、数学的な知識が必要とされる。本科目では情報工学で必要とされる数学的知識を身につけることを目標とする。本科目で学んだことは後継科目で必要となるので、十分に理解しておく必要がある。
行動目標●集合の演算が行える。命題論理式の真偽の計算ができる。同値類による類別ができる。群の同型が説明できる。有限体上の多項式の加減乗除ができる。
計算機の能力を十分に活用する、あるいは新しい計算機の開発を行うためには、現在の計算機の計算機構に対する深い理解が不可欠である。情報はどのようにデータとして計算機に蓄えられ、蓄えられたデータはどのように計算機によって処理されるのか、を学び考える。本科目を修得することにより計算機の構成と命令について説明することができ、やさしい機械語プログラムの読み書きができるようになることを目指す。
行動目標●真理値表から論理関数を構成し論理回路を構成できる。中央処理装置、主記憶装置、レジスタについて説明できる。番地と記憶内容の違いを理解している。命令の実行サイクルについて説明でき、動作例を示せる。番地指定方式の違いを知っている。基本的な機械命令の機能について説明でき、簡単なプログラムが書ける。条件分岐命令を理解し、基本的な繰り返し処理プログラムが書ける。プログラミング言語の処理過程を説明できる。
本科目プログラミングⅡでは、二つのプログラミング言語を学ぶ。まず、前半では先行科目のプログラミングⅠに引き続き、プログラミング言語Pythonの基礎をさらに学ぶ。後半では、プログラミング言語Javaを用いて、コンパイルと変数の静的型付けが必要なプログラミング言語でのプログラミングの基礎を(Pythonと対比しながら)学ぶ。
行動目標●各種データ構造を利用したPythonのプログラムが記述できる。イテレータを適切に利用してデータを操作するPythonのプログラムが記述できる。様々なモジュールを適切に利用したPythonのプログラムが記述できる。Javaのプログラムを実行するまでにどのような操作が必要か、流れが説明できる。変数の型を適切に用いたプログラムが記述できる。Javaの制御構文(if, for, while)やメソッドを適切に用いたプログラムを記述できる。
「修学基礎A・B」を引き継ぎ、各専門分野におけるレポート作成スキルを育成する。問題発見、問題解決するプロセスにおいては、自己の考えや主張をレポートとしてまとめ、情報を発信する能力が必要である。これを「個人」の能力として身につけさせるために、学科の専門性に則したテーマでレポートの作成手順を学習するとともに成稿することにより、専門科目のレポートおよび論文作成の入門として位置づける。
行動目標●情報工学の分野における問題を発見し、レポートのテーマを設定できる。情報工学の分野における情報を収集・分析・整理することができる。情報工学の分野に則したレポートが作成できる。
「コンピュータシステム基礎」などで学んだ理想化されたモデルに対し、本講では主として、実在する部品で構成される簡単な論理回路、システムを対象とする。論理ゲート、フリップフロップで構成される論理回路設計の基礎を学習する。
行動目標●正・負2進数の加減算、乗算の演算ができる。論理回路の各種タイプについて相互変換や簡単化ができる。符号器、復号器、データセレクタ、マルチプレキサを用いてデータ変換と制御ができる。各種比較回路、二進加算回路を用いた回路を構成できる。各種フリップフロップの働きを理解し、シフトレジスタを構成できる。同期カウンタ回路を構成できる。
良いプログラムを書くためには、データ構造とアルゴリズムの知識が必要である。本科目の目標は以下の2つである。①情報工学において基礎知識となるデータ構造とアルゴリズムを学ぶ。②解こうとする問題に対して適切なデータ構造およびアルゴリズムを選択できる。
行動目標●各種データ構造を十分理解し、適切に使いこなせる。各種アルゴリズムを十分理解し、適切に使いこなせる。計算量の観点からアルゴリズムの良し悪しを見分けることができる。問題に対して、最適なアルゴリズムとデータ構造を選択できる。
オブジェクト指向プログラミング言語は、現実の世界のオブジェクトを計算対象のオブジェクトに効果的に変換しようとするプログラミングパラダイムの基に発展してきている。クラス、オブジェクトの概念とともに、問題をそういう視点で見る訓練が必要である。本講義では、安全で確実に動くプログラムをいかに作成していくかオブジェクト指向プログラミングの基礎をソフトウェア工学の基礎もふまえながら学んでいく。また、Javaの開発環境の提供する豊富なAPIを活用するテクニックを学ぶ。
行動目標●Javaによる基本的なプログラミングの手順を理解し、実際に記述できる。オブジェクト指向の基礎的概念を理解し、説明できる。簡単なGUIを利用したアプリケーションを作成できる。
「データベース」では、もっぱらリレーショナルデータベースを対象とし、データベースを正しく設計し、正しくアクセスできることを主目標とする。具体的には、①リレーショナルデータベースとは何かを説明できる。②正規化の手順とその長所・短所を説明できる。③問合せをSQLで記述できる。④実世界を実体-関連モデルを用いて表現し、さらにその表現をスキーマに変換できる。⑤三層スキーマ構造を説明できる、などを目標とする。
行動目標●リレーショナルデータベースとは何かを説明できる。正規化の手順とその長所・短所を具体的に説明できる。問い合わせをリレーショナル代数(集合演算、射影、選択など)で表現でき、さらに、その表現をSQLで記述することができる。実世界を実体-関連モデルを用いて表現し、さらに、その表現をリレーショナルデータベーススキーマに変換できる。三層スキーマ構造(外部スキーマ、概念スキーマ、内部スキーマ)とは何かを説明できる。
プログラミングI、IIの内容を組み合わせた発展的な内容について、Linux環境上でのプログラミング演習形式で学ぶ。個人のノートパソコンにLinuxをインストールし、授業時間外においても課題に取り組める実験環境を構築する。Cプログラミンでは、コマンドラインからの引数取得やメモリの動的な割り当て/解放など、プログラミングIIにおいて教えることを必須としなかった項目についても学ぶ。さらにファイルの入出力、構造体、共用体およびUNIXシステムコールを用いた応用プログラミング演習を実施することにより理解を深める。
行動目標●Linux環境上においてプログラムの作成、デバック、実行の管理ができる。配列、関数、ポインタ、構造体、共用体、ファイル操作等を適切に組み合わせたプログラムをC言語で作成できる。またプログラムが正しく動作しているかどうかを確かめることができ、プログラムの誤りを見つけて適切に修正できる。
コンピュータはハードウェアとソフトウェアが一体となり情報処理を行う。本科目ではコンピュータがどのようにプログラムを実行するのかを理解するために、コンピュータの基本構成と動作原理を修得する。また、コンピュータの高速化手法や組込みプロセッサについて学習する。
行動目標●計算機システム内部の数値表現形式による加減演算を筆算で行える。CPUの内部構成図を示し、実行される計算処理の過程を説明できる。計算機システムの命令語構成およびアドレス指定方式について説明できる。メモリの階層構成について例を挙げて説明できる。CPUを高速化する方法とそれに必要な機能を説明できる。
現在のインターネットを支えるプロトコル群であるTCP/IP、また関連するさまざまな通信技術の知識と理論を学習する。このことにより、LANやWANなどのコンピュータネットワーク、さらにはWWWがどのようなものであるのかを理解し、ネットワーク運用に関する基礎的なスキルを身につける事を目標とする。
行動目標●コンピュータネットワークの基本的な仕組みについて説明できる。OSI参照モデル、TCP/IPにおける各層の機能を説明できる。インターネットの基本的な仕組みについて説明できる。ネットワークの基礎的なコマンドやツールを使えネットワーク診断ができる。
①ソフトウェア設計の基礎概念、特に、オブジェクト指向開発の概念を学ぶ。②代表的なソフトウェア設計記述言語(UML)を身につける。③設計から実装までの実習経験を通じて、ソフトウェア設計の技術を学ぶ。
行動目標●
オペレーティング・システム(OS)は、広範囲なアプリケーション・システムの共通プラットフォームである。この講義では、OSの基本概念と設計技法について学習し、システムコールを利用してOSプログラミングができるようになる。①PC、ワークステーション系OSの概略特徴を知る。②OSの主要概念と機能コンポーネントを理解し説明できる。③OSの正確な使用法とプログラミングについて概略理解する。
行動目標●オペレーティングシステムの基本機能を説明できる。プロセスとスレッドの相違点を説明できる。仮想記憶方式について説明できる。ファイルシステムについて説明できる。UNIXシステムコールを用いてプログラミングできる。
プログラミング言語 Python は教育用としてのみならず、ウェブサービスや人工知能の分野においても世界的に広く使われているプログラミング言語である。また近年プロジェクトデザインⅢで Python が使われるケースも非常に増えている。そのような背景もあり、平成30年度よりプログラミングⅠでは従来の C 言語に代えて Python が採用されることとなった。移行措置として本年度の情報工学実験Ⅱは Python の速習コースを兼ねている。加えて、コンピュータ技術者としてより規模の大きなソフトウェアを効率的に開発するための各種ツールと方法論を実践的な課題を通じて修得する。
行動目標●Python を用いたプログラミングに慣れ親しむ。中規模ソフトウェアを開発するために必要な知識を持ち、効率的に開発するツールの必要性を説明できる。デバッガやテストツール、バージョン管理システムなどを利用し、ソフトウェアを効率的に開発することができる。演習的な規模を超える規模のソフトウェアを開発し保守することができる。
本科目では形式文法と形式言語について学ぶ。とくに正規文法、正規表現および文脈自由文法を学ぶ。またそれらの言語を処理する種々のオートマトンについても学ぶ。この科目で学ぶことは言語を表現、処理するための基礎的な知識となる。
行動目標●チョムスキーの階層が説明できる。種々の有限オートマトン間の変換ができる。正規文法、正規言語の定義が説明できる。有限オートマトンから正規文法への変換、および、逆変換ができる。正規表現の定義が説明できる。文脈自由文法における導出が説明できる。
近年の通信やコンピュータネットワークの発展は目覚しく、ますます多くの情報を扱うようになっている。その発展の基礎を与えたシャノンの情報理論を学ぶ。初めに情報を量としてどう表すか、および、そこで必要な確率の概念を学ぶ。次に情報源およびその効率的符号化方法を学ぶ。最後に通信路で生じた誤りを訂正するための通信路符号化を学ぶ。
行動目標●情報量、エントロピー、情報源、符号化などのキーワードについて説明できるようになる。情報源符号化定理を理解し具体的に説明できるようになる。情報源符号化法のシャノン・ファノの方法を具体例に当てはめて符号を示す事ができる。情報源符号化法のハフマン符号を具体例に当てはめて符号を示す事ができる。パリティ検査方式の誤り訂正について説明できる。
工学的問題などから得られた数理モデルの解を数値的に得る方法について理解する。方程式を数値的に解くためには、極限計算を近似したり、級数を打ち切ったり、反復解法における反復を打ち切ったりする。そして、最終的には有限個・有限桁の小数同士の有限回の四則演算を行い、元の問題の解を近似的に求める。その問題はどのような場面で現われるのか。解は本当に求まるのか。誤差はどの程度か。大事な考え方を含む素朴な方法を十分に理解し、同じ問題をより速く、あるいはより正確に解くための方法の理解につなげる。
行動目標●数値計算の諸アルゴリズムとその誤差について説明できる。手計算またはプログラミングにより数値計算アルゴリズムにのっとった計算を実行できる。与えられた課題に対して数値計算アルゴリズムを用いた結果を評価できる。
ソフトウェア工学は、ソフトウェアの開発および保守における諸課題を解決するための技術体系である。ソフトウェア開発には3つのPと1つのM、即ち、Product(製品)、Process(工程)、Project(プロジェクト)、Management(管理)の4側面があると言われている。講義では、ソフトウェア開発におけるこれらの側面における諸課題とその解決方法を理解する。
行動目標●ソフトウェア開発において、信頼性の保証に寄与する工夫を提案できる(ソフトウェアの信頼性保証)。ソフトウェア開発において、生産性向上に寄与する工夫を提案できる(ソフトウェア開発の生産性向上)。情報を確認する技術の重要性を理解し、正しく情報を確認できる(情報確認技術)。ソフトウェア製品の内部構造に関する技術を理解し、応用できる(ソフトウェア製品技術)。ソフトウェアの開発工程に関する技術を理解し、応用できる(ソフトウェア開発の工程技術)。ソフトウェアの開発プロジェクトに関する技術を理解し、応用できる(ソフトウェア開発のプロジェクト技術)。
分散システムはコンピュータとネットワークの両方を統合化するための技術である。そのため、1台で動作している仕組みとの違いを述べる。現在、多くのシステムが分散システムとなっており、多くの技術があるため、それらを全て説明することはできないが、限られた時間の中で、体系的に説明を行う。
行動目標●各週において、演習問題を設け、受講者の理解度を確認できるようにする。さらに、推薦図書と参考文献という形で理解を一層深めることに適した関連した図書を推薦する。
音声や映像などのアナログ信号をデジタル化して種々の処理を行うデジタル信号処理の基礎、デジタル信号処理を活用したデジタル通信の基礎的な知識ならびに技術を修得する。
行動目標●標本化定理を理解し、応用できる。たたみ込み和や周波数特性などのデジタルフィルタの基礎概念を理解できる。z-変換や伝達関数を理解できる。フィルタの設計や実現の考え方を理解できる。デジタル通信の基本的な仕組みを説明できる。
高度情報化社会における多くの情報処理システムでは、ネットワークに接続された複数のコンピュータシステムが、互いに他のコンピュータシステム上のプロセスやファイルを共有した分散システムとして構築されている。この特徴をふまえて、ネットワークシステムとしてのオペレーティングシステムの役割とその基本原理について学ぶ。ネットワークOS上でのプログラムの作り方を学ぶことで、簡単な分散アプリケーションの設計と実装ができるようになる。
行動目標●①TCP/IPネットワークの仕組みとシステムコールの機能概略が解る。②ソケットプログラミングの技法を理解し、その使用法が解る。③ネットワークプログラミングの考え方について説明ができ、簡単な分散アプリケーションの設計と実装ができる。
現在、デジタル画像処理技術は各種産業、医用、地球環境、映像メディアなどさまざまな分野に応用されている。計算機能力の進歩とともにその重要性は益々高まっている。本科目では画像処理の各種基本手法を理解することを主題とする。また、各種の画像データを具体的に使用して画像処理の基本技法を計算機上で実現する基礎能力の修得を目標とする。
行動目標●デジタル画像処理に必要な処理過程を理解し、説明できる。画像データの具体的処理、情報抽出について理解し、説明できる。デジタル画像処理の代表的な手法についてプログラムを作り、コンピュータで実現できる。
コンピュータを使えば、いろいろな問題を解くことができる。しかし、コンピュータはどのような問題でも解くことができるのであろうか。このような根源的な疑問に答えることが計算論の目的である。コンピュータで原理的に解くことができない、あるいは解くのに非常に長い時間がかかる問題が存在すること、さらにそれらの間の関連が示される。理論的な議論にとどまらず、具体的に種々のアルゴリズムを通して応用面にも理解を深めることを目指す。
行動目標●チューリング機械の動作を説明できる。帰納的可算言語について説明できる。クラスPに属するアルゴリズムを1つ以上説明できる。NPとPの差異について説明できる。NP完全性について説明できる。
CG(コンピュータグラフィックス)は、機械・設計・化学などの分野におけるシミュレーションや、教育・芸術・映画などの分野におけるコンテンツ製作など、様々な分野で活用されている。また、GPUや3Dプリンタのような出力装置が近年進歩しており、その重要性はますます高まってきている。このようなCGに今日用いられている技術を体系的に学び、CG用ライブラリによるプログラミングによって、実際にCGコンテンツを作成できるスキルを身につける。
行動目標●3次元空間における座標系を理解し、適切に使用できる。3次元CGの座標変換と投影変換の概念を理解し、適切に使用できる。形状モデルの基本的な表現手法を理解し、プログラムで実装する事ができる。3次元CGの隠面消去とシェーディングの概念を理解し、効果的な技法を選択できる。3次元CGアニメーションの作成法を理解し、基礎的なプログラムを実装できる。
コンピュータにおいて計算処理を実行するプロセッサの機能と構成、設計法を学ぶ。具体的には、グラフィックス型論理回路設計システムを用いて、論理ゲートシンボル、真理値表、状態遷移図、フローチャートによる基本的な論理回路の設計技法、および加算回路、シフトレジスタ、カウンタなどのプロセッサの構成要素の設計法を学ぶ。最終課題として自動販売機の基本回路などを例にプロセッサ基本ハードウェアの設計演習を行う。
行動目標●ハードウェア記述言語(HDL)による論理回路設計手順、PLD/FPGAによる実動手順を説明できる。パリティ生成/検査回路、加算回路などの組合せ論理回路を、真理値表を用いて設計できる。RS-FF、T-FF、D-FFなどの記憶回路を、論理ゲートシンボルを用いて設計できる。MS TFF、D-FFを設計でき、これらを用いてn進カウンタ回路、シフトレジスタなどを設計できる。自動販売機基本機能などを例題に、必要機能を分析し具体的なハードウェアを設計できる。
工学の諸問題には、条件を与えて、コストを最小にするとか、利益を最大にするなどの最適化の問題が多い。数理計画ではこれらの問題の中で、比較的やさしい、線形計画法とプロジェクト・スケジューリングを学び、最適化の考え方や条件を数式で表す方法を修得する。また、数式で表した問題を解く方法を学ぶ。
行動目標●日常生活や学習項目の中で線形計画法の問題を見つける事ができる。見つけた問題を定式化できる。定式化した問題をシンプレックス法で解ける。ソフトウェアの開発などで日程計画が立てられる。
知識情報処理では、知識をシステマティックに蓄積する必要がある。問題解決に知識を如何に表現し、利用するか、そして知識をコンピュータ内の知識表現データ構造に如何に変換していくかを学ぶ。さらに、知識情報処理によく用いられるプログラミング言語についても触れ、問題解決、機械学習、自然言語処理に関する理解を深める。
行動目標●知識情報処理の基本概念について理解し、説明ができる。問題解決のための探索アルゴリズムおよび動的計画法について理解し、説明ができる。位置推定の手法について理解し、説明ができる。機械学習が対象とする問題とその計算方法について理解し、説明ができる。自然言語処理および画像処理の基礎を理解し、説明ができる。
サーバサイドプログラミングを、Servlet、JSP、PHP、rubyなどの技術を用いて学習する。データを効率よく管理する手法として、XMLを学び、XMLによる情報の構造化、XSLによる表示制御、さらにはXMLをDOMなどを通じてアプリケーションで操作するための技術を講義および演習を通じて学習する。必要に応じてデータベースや外部デバイス制御なども扱う場合がある。
行動目標●サーバサイドプログラミングの手法を理解し、コードが書ける。XMLによるデータの記述ができ、その加工が行える。
デジタル信号を記録,伝送する際に生じる誤りを訂正する誤り符号訂正技術および情報セキュリティの基盤となる暗号化技術はデジタル社会には必要不可欠な技術である.本科目では有限体,数論の基礎的な知識を身に付け、それらを応用して誤り訂正符号および暗号理論の知識を修得する。
行動目標●有限体上の計算ができる。数論の種々のアルゴリズムを実行できる。線形符号の符号化と復号化の方法を理解できる。RSA暗号の暗号化と復号化の方法を説明できる。
まず、人が難なく行っているパターン認識・学習という問題はどのような問題か、を認識する。次いで、認識系の前段にあるパターンの観測、前処理、特徴抽出について学習し、パターン認識の機能をコンピュータで実現するための情報処理モデルとして、統計的手法、構造解析的手法などに加え、ニューラルネットワークによる手法を学ぶ。さらに三次元の対象を扱うコンピュータビジョンの分野にも触れ、画像(視覚)パターンだけでなく、音声や時系列データなど一次元パターンから多次元まで通じる一般的なパターン認識論を学ぶ。
行動目標●パターン認識とはどのような問題であるか、また、情報工学においてどんな位置づけにあるかを説明できる。パターン認識に必要な処理過程を理解し説明できる。パターン情報処理の代表的な手法についてプログラムを作り、コンピュータで実現できる。学習とはどのような問題かを具体的に説明できる。コンピュータビジョン(画像処理)におけるパターン情報処理の問題で、具体的な例を示すことができる。
システムソフトウェア、アプリケーションソフトウェアを作成して動作させるための翻訳ソフトウェアと実行環境の仕組みを学ぶ。1. プログラミング言語による記述の相違を概観する。2. テキストファイルやデータ構造から必要な情報の抽出・解析方法を検討する。3. ソースプログラムから実行可能形式を作成するコンパイラの処理やアルゴリズムについて学ぶ。履修者は学んだ知識から、パーサー・コンパイラのソースプログラム解読や、目的に応じたデータ抽出・解析・変換処理プログラムを作成できるようになる。
行動目標●コンパイラの動作原理を理解することにより、データ構造の解析や変換を行うアプリケーションソフトウェアを考えることができる。実在するパーサー・コンパイラのソースコードを拡張することができる。自分の目的に合った言語の設計とパーサー・コンパイラの実装が行える。
家電製品などで使用されているマイクロプロセッサを用いて基本プログラミング技術、各種デバイスの機能、マイクロプロセッサと各種デバイスを接続するための入出力制御機能について学ぶ。また、インターネットとセキュリティについて、ルータ・スイッチを用いて、IPv4/IPv6の理解と構成に関して調査・演習を通じて知識やスキルを修得する。さらに、パケットキャプチャを通じて、ネットワーク制御の方法を学ぶ。
行動目標●C言語/アセンブラでプログラミングし、AVRマイコンボードに転送し動作を確認できる。AVRマイコンを用いてWDT、割り込み、PWM制御などに関する技術を確認できる。AVRマイコンを用いて、コンテクストスイッチング(マルチタスク)技術を確認できる。ルータ・スイッチを用いて、IPv4/IPv6の理解と構成を確認できる。ネットワークキャプチャソフトを用いてネットワーク上のトラフィックを確認できる。pcapライブラリを用いて、ネットワーク上を流れるトラフィックの獲得を自作できることが確認できる。
Lego Mindstormsを用いて組み立てた車型ロボットに各種コースを走破する応用プログラムを作成する演習を行い、制御技術、組み込みシステム開発技術、オブジェクト指向のシステム開発技術を修得する。Android端末を用いて、さまざまなGUIやAPI群を用いたアプリケーションを作成し、ソリューション提案が行える知識やスキルを修得する。
行動目標●Mindstormsロボットの動きの原理を説明できる。Mindstormsロボットの開発環境(Eclipse他)を作成して,応用プログラムを開発できる。Android端末プログラミング(適切なGUIを用いた基本的なプログラミング)を作成できる。Android端末プログラミング(API群を用いたプログラミング)を作成できる。Android端末を用いた具体的なソリューションを提案できる。
本学科で修得した情報工学の諸分野の基礎的な情報技術を確認し、それらの情報技術が実社会でどのように役だっているかを学ぶ。情報産業を支える多くの技術群、即ち、情報ネットワーク技術、組み込みシステム技術、ソフトウェア開発技術、ソリューション開発技術、ヒューマンインターフェース技術、メディア解析・開発技術、Webサービス構築技術などへの応用の道筋についても学ぶ。現在獲得している情報技術者資格の上級資格を目指す。
行動目標●情報技術基盤の専門知識を利用し、実際的な課題に取り組むことができる。情報技術基盤の専門知識を利用し、実際的な応用課題に取り組むことができる。ソリューション構築に関する専門知識を利用し、実際的な課題に取り組むことができる。情報サービス実現の専門知識を利用し、実際的なサービス構築課題に取り組むことができる。
プロジェクトデザイン III は、プロジェクトデザイン I ・ II の手法を基に、より専門的な知識と技能をもって遂行される集大成の科目である。専門ゼミでは、プロジェクトデザイン III におけるプロジェクト遂行上必要となる、これまでの講義・演習・実験で必ずしも十分でなかった知識や技能を補充し、また各活動領域で新たに必要となる知識と技能を修得し、第7期からのプロジェクトデザイン III プロジェクトを自主的に実施できるように、その基礎となる学力と技術力を養うことを目的とする。また、その過程において、プロジェクトデザイン III プロジェクトの目標と行動計画を明確にする。
行動目標●プロジェクトデザイン III プロジェクトの目標や行動計画について明確なイメージを持つことができる。プロジェクトデザイン III プロジェクトのテーマについて説明ができる。プロジェクトデザイン III を自主的に遂行するための知識や技能を修得する。学ぶ領域の専門分野に関する最新の技術動向の概要と自分の意見を述べることができる。プロジェクトで使用予定の機器やソフトウェアを操作できるようになる。情報系の技術者倫理、危機管理について自分の考えを述べることができる。
これまで修得した情報工学に関する専門的知識・技術・問題解決能力を基に、具体的な情報関連技術および情報システムに関する研究・開発活動を体験する。この過程を通して、問題設定能力、製作プロセス展開能力、情報収集能力、コミュニケーション能力、客観的評価能力を養う。
行動目標●自ら選択した研究課題について、1年間で到達できる事柄の構想を自ら設定することができる。設定した事柄の構想に基づいて、具体的な制作アプローチを自ら設定できる。設計や分析を進める上で必要となる、情報工学の専門知識について、速やかに吸収することができる。設計や分析を進める上で発生するさまざまな問題に対して、適切な対応を取ることができる。他の人に納得してもらえるように、完成した事柄を技術的に、あるいは感性面などから総合的に評価することができる。
将来の進路について考え、技術者としての職業観の形成を計るとともに進学・就職の目標を設定し、その目標を達成するために必要な準備・対策に自主的かつ意欲的に取り組むことができるようになることを目的とする。主な課題は次の2つである。①就職活動を始めるに当たって必要な自己分析を行って、自分のことをしっかりと把握する。②資格取得、一般常識、総合適性検査(SPI)など準備・対策に比較的長期を要する課題に計画を立てて着手する。
行動目標●人生設計と進路との関係を自ら深く考察できる。自分に適する進路を発掘すべく、それに必要な思考や行動ができる。進学・就職など自分の進路に関する方針や目標を、自ら立案する方法を修得し、立案し、他人に説明できる。進路に対する目標を達成するために必要な知識、能力、素養、資格などを調査し、自ら準備・対応ができる。
本科目では、進学・就職の目標を明確にして進路を決定する。まず、目標を明確するために、業界研究・企業研究および自己分析を行い、自分自身を取り巻く状況について深く理解する。続いて、進学・就職に向けて、基礎的な学力やコミュニケーション能力を身に着け、本番に備える。
行動目標●進路選択から決定までのプロセスを説明できる。進学・就職活動に必要な情報を収集・分析・活用して、自主的・積極的に活動できる。進学および志望する職種や企業で要求される適性、学力・素養などの内容・水準を説明できる。
中学校の教員免許状を取得するためには、社会福祉施設で5日間、特別支援学校で2日間の介護等体験を行うことが義務づけられている。本科目では事前指導として、介護等体験を意味のあるものにするために必要な基本的な知識の獲得とその意義の理解を行い、実習に臨む際の心構えを身につけることを目的とする。また、実習後を振り返り、受講生どうしで互いの経験を報告し合うことで、充実した教育実践を行うための基盤となる人間観と教育観を身につけることを目指す。
行動目標●介護等体験実習の概要を知り、その意義を論述することができる。介護等体験実習を行う社会福祉施設と特別支援学校の概要を理解し、設問に正しく答えることができる。社会福祉施設と特別支援学校の実情を理解し、設問に正しく答えることができる。上記を理解した上で、介護等体験実習を充実したものにするための心構えと留意点を論述することができる。介護等体験実習で得た経験を省み、自らの人間観と教育観を形成し説明することができる。真摯に学習に取り組み、達成すべき行動目標を自己評価することができる。