このカリキュラムガイドブックは「行動する技術者」を育成するために必要な「基礎教育」と「専門教育」における各学科の教育目標と、その目標を達成するために必要な授業科目をわかりやすく説明しています。
「自分は何に興味があり、どんな夢をもっているのか……?」
「その夢を実現するために何を学習するのか?」
「それを学習するためにはどう計画し、どう行動するのか?」
このカリキュラムガイドブックを活用して、学習プランを立ててください。
金沢工業大学(KIT)では、各学科が掲げる教育目標を明示するとともに、その目標達成のために必要な授業科目を系統的に配置し、その関連性をも明示しています。その点を十分に理解し、カリキュラムフローに沿ってしっかりと学習を進める必要があります。そして、学部教育の集大成として位置づけられているプロジェクトデザイン III の活動の方向性に沿った学習プランをしっかりと確認してください。
●皆さんの学習プラン作成をアドバイスするために、各クラスには、教授陣からなる修学アドバイザーを設けています。
オフィスアワーの時間を利用して、積極的に相談してください。
それは何より、アクティビティ(活動)とクリエイティビティ(創造性)を大切にしているからです。
創造性は、どうしたら身につくものなのか……。もちろんこの問いかけに対する確定的な正答というものはありません。しかし、自分がまったく関心がないことをいくら知識として詰め込んだところで、結局、役に立ちません。
自分の興味を探し出し、そのテーマに向けて自らが積極的に学習する。KITはそれを万全の体制でバックアップします。それがKITの教育システムです。
知識や技術は、持っているだけでは役に立ちません。何に、どう使うか、どうやって実現するか……ということを身につけておかないと、結局は役に立たない知識や技術となってしまいます。
技術者として、何が本当に大切なものなのか?
それは、問題を発見し、モノやシステムをつくり出し、解決していくという“創造的な能力”であると考えています。KITは創造的な能力を育成するためにプロジェクト型デザイン教育(Engineering Design Education)に取り組んでいます。
いうまでもなく学生一人ひとりは、別の人格です。画一的に学習することには無理があります。
それぞれの専門分野で広い知識や教養を追いかける。一点突破主義で深く深く専門領域を追究する。理論より実践、実験、さらに創作の現場というようにモノづくりにのめり込む……。どんな目標でもいいから、自らがテーマを決めて最後までやり遂げるということが大切です。
1つのテーマをクリアすれば、いつの間にかまた新たなテーマが自分の中に生まれる。この自学自習の繰り返しが、君だけの素晴らしい人生を実現します。
KITの教育では人間形成を大変重視しています。全学生必修となっている「修学基礎A・B」、「技術者と社会」、「日本学(日本と日本人)A・B」、「科学技術者倫理」、「技術マネジメント」、「人間と自然セミナー」などの人間力を涵養するための科目、また生涯にわたる学習スタイルを修得する「生涯学習」、「生涯スポーツ」などの科目がその表れです。
人間形成という自分づくりを進めながら、技術者としての基礎を学び、最終的に専門科目の選択を通して、自分のプロジェクトデザイン III の活動目標を定めていきます。
皆さん一人ひとりの自分づくりに期待します。
今エンジニアに求められているのは、ある知識や技術を違うフィールドで生かしたり、まったく違う分野の知識や技術を結びつけることのできる能力です。つまり、基本的な知識や技術を有機的に組み合わせて総合化する能力です。
「能力の総合化」これは創造的なエンジニアになるための学習のキーワード。
広い視野から問題点を探る。多くの人々の意見や知恵を理解し、コミュニケーションの中から、また直感の中から、ベストの解答を見つけ出す。そして問題の解決に向けて行動を起こす。そんな創造的なエンジニアとなってください。
君たち一人ひとりが、テーマを発見し、考え、解決するまでのプロセスを身につけていくことがプロジェクトデザイン科目群の目的です。