人の心のはたらきについて理解し、それを役立てることは日常の生活の中においてのみならず産業界におけるものづくり、ことづくりにおいても重要になってきている。本学科では心のはたらきに関する知識を得ることに加え、心のはたらきを臨床現場に適用するための技術、感性と心のはたらきを科学的に測定し実社会に応用するための技術、脳・神経の仕組みと心のはたらきの関係を理解するための技術を持つ人材を育成する。
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本学部では、大学で修得した知識・技術を人間と社会に対する幅広い視野で活用し、人々の生活をより豊かにデザインできる人材の育成を目指している。そのため、この科目では、メディア、心理、経営の各学びの領域の拡がりのみならずそれらの関連性や社会とのつながりについて教員、学生、院生、卒業生、専門分野の社会人と交流、討論することにより学び、各学科で修学する意義、物事の本質を考え、「なぜ?どうして?」を問いかける学習姿勢や自らの将来目標を実現するための修学計画能力を身につけることを目標とする。
行動目標●現代および将来における本学部・学科の役割を理解し、自身の修学計画を立案することができる。学科における「学びの領域」の拡がりや社会との関連性を理解し、学科で学ぶ意義について説明できる。「なぜ?どうして?」を問いかける学習姿勢の重要性を理解し、今後修学するための指針とすることができる。自身のキャリア形成プロセスを自身の言葉で述べ、それを第三者に伝えることができる。
マルチメディアを駆使した豊かな表現カと利用者にとって使い勝手のいいインタフェースを開発する基本的な技術を修得する。そのために、インターネットの持つさまざまな問題点を理解した上で、情報メディアの効果を最大限に生かしたコンテンツをマークアップ言語によって表現する技術を実習を通じて修得する。同時に、効果的なコンテンツ管理方法についての実習も行う。
行動目標●自分のノートパソコンを設定して、ワールドワイドウェブを閲覧することができる。テキストエディタ(メモ帳)を使って、HTMLにより、文字と静止画を使ったページを記述できる。作成したファイルをウェブサーバーにアップロードすることができる。CSSを使ったページのレイアウトができる。情報の効果的な表現、使いやすさ、誰にでも使えることを配慮してホームページを作成できる。ネットワーク上のプライバシー、セキュリティ、著作権、ネチケットについて理解できる。
心理学の全体像を学び、人の心のはたらきを理解するための基本的な視点を身につけ、心理学を応用していく力を獲得する。感覚・知覚・記憶・認知・学習・思考などの人の情報処理に関わる分野を中心に、感情や個人と社会との関係、および心理学が学問としてどのように成立し、研究分野を広げてきたかに関する心理学の歴史、心理学で用いられる研究手法に関する分野について、それぞれの基本的な事柄を概括的に学ぶ。
行動目標●心理学概論で学んだ基礎的なキーワードを挙げることができる。心理学で研究されているさまざまな領域の例を挙げることができる。心理学が日常生活にどのように応用できるかを考えることができる。
心のはたらきを研究する心理学にとって、このはたらきをどのように明らかにしていけばよいかという研究方法は重要である。手にとって見ることのできない心を、客観的に研究するための手立てとして、基本的な実験・観察・調査・面接の4方法について学ぶ。この講義は、今後順次学んでいく心理学をより深く理解するために、心理学的研究の基本的な枠組みについて体験を通して学ぶ。また研究を行う際の倫理について理解を進める。
行動目標●実験の考え方を理解し、研究内容に応じた計画を立てることができる。観察の考え方を理解し、研究内容に応じた観察項目を設定することができる。調査の考え方を理解し、研究内容に応じた調査項目を設定することができる。面接の考え方を理解し、他の3つの方法との違いを説明することができる。心理学における研究法の重要さと特徴を説明することができる。
心理学では実験刺激の作成や実験結果の解析などにおいてプログラミングが本質的な役割を果たすことがある。本科目では、プログラミング言語としてMATLAB言語を取り上げ、プログラムの基本構造を理解した上で、実際のプログラム作成方法の基礎を修得する。
行動目標●変数とデータ型について説明できる。分岐と繰り返しといった基本的な制御を用いてフローチャートを作成できる。MATLAB言語で書かれたソースコードを見て処理の流れの概略を理解できる。MATLAB言語を用いて初歩的なプログラムを作成することができる。
高度情報社会では、情報処理技術と情報コミュニケーション能力は重要である。本科目では情報システムと情報通信ネットワークシステムの基礎知識を修得することを目標とする。本科目は講義・演習の形式で行われ、以下の項目に重点が行われる。①実用的な表計算ソフト。②通信方法と伝送メディア。③コンピュータネットワーク。④LANの接続形態。⑤インターネットのプロトコルとIPアドレス。⑥インターネット活用技術。⑦ネットワークセキュリティ。
行動目標●(表計算)絶対参照と相対参照が理解できる。(表計算)IF関数が使える。IPアドレスの仕組みが理解できる。ネットワークの基本的な仕組みを理解できる。システム分析・設計方法の概略を把握できる。
学校現場での児童生徒に対する有効な実践のために必要な教育心理学の基礎について理解することを目標とする。具体的には、発達、学習、適応、および教育評価の教育心理学の四領域を概観し、青年期までの各発達段階、および発達障害に関する理解と支援の方法について取り上げる。
行動目標●発達という視点の意義を理解し、文章で説明することができる。教育心理学的な知見から、青年期の特徴と心の問題を理解し、文章で他者に説明することができる。特別な支援を必要とする児童生徒に関する指導法に関して見解を論述することができる。
「修学基礎A・B」を引き継ぎ、各専門分野におけるレポート作成スキルを育成する。問題発見、問題解決するプロセスにおいては、自己の考えや主張をレポートとしてまとめ、情報を発信する能力が必要である。これを「個人」の能力として身につけさせるために、学科の専門性に則したテーマでレポートの作成手順を学習するとともに成稿することにより、専門科目のレポートおよび論文作成の入門として位置づける。
行動目標●心理学における研究の意味を把握し、明確に記述できる。心理学における研究の結果をまとめ論理的に考察、記述することができる。心理学での標準的なフォーマットに則したレポートが作成できる。
複雑な実験の作成や高度なデータ解析など、心理学における研究を実施する際にもプログラミング技術が必要なことが増えている。本科目はプログラミング基礎に続いてMATLABの基礎を学ぶことで、より実用的なプログラミング技術を学ぶために基礎を身につけることを目的とする。
行動目標●MATLAB言語のプログラムソースを読みとることができ、自身の目的に応じて作り変えることができる。スムーズにMATLAB言語を用いたプログラミングを行うことができる。MATLAB言語を用いて簡単なグラフィック描画のできるプログラムを作成することができる。
個人差の内容や原因を明らかにしようとする差異心理学と異なり、実験心理学は、厳密な条件統制の下で、主に感覚・知覚・認知・学習・思考などの人の情報処理に関わる心のはたらきの一般法則を見つけ出すことを目的としている。本講では、心のはたらきを理解するために、最も基本的な考え方の1つである実験心理学的な理論、および条件分析的な実験計画法について学び、科学としての心理学を学ぶための枠組みを身につけることを目標とする。
行動目標●実験計画法について理解し、適切な心理実験を考案することができる。心理学実験で得られたデータを適切な手法で解析することができる。実験心理学の研究論文を読み、理解することができる。実験心理学における主要な研究で用いられた手法を理解し応用することができる。
心理学では実験・調査・観察で得られたデータから一般性を導き出すことが不可欠であり、そのためにはデータを記述し、統計的な検定を行う必要がある。この科目では統計的検定の基礎となる理論はもちろん、統計的検定の結果を適切に理解するために必要な知識を身につけることを目標とする。
行動目標●実験や調査で得たデータに対して適切な統計解析手法を選択することができる。適切な方法で統計解析を実施し、正しく解釈することができる。分布という考え方を理解することができる。母集団および標本という考え方を理解することができる。
実験心理学に関わる内容について、実験および演習を通して、心理学における実験の考え方を理解する。具体的には感覚・知覚、記憶および認知に関する基礎的な実験を行い、これらの心理機能に関する実験手法を修得し、さらにこれらの機能についての理解を深める。また、正確な結果を出すための実験の実施方法と、統計的な結果の分析手法についても学ぶ。
行動目標●心理学での実験の考え方が理解できる。心理学実験を適切に実施できる。結果に応じた適切な統計分析ができる。心理学の実験レポートを適切に作成することができる。
五感で受け取る「情報」をいかに正確、迅速、快適に人に伝達するか、それはその表現の方法に大きく依存する。ある1つの情報を伝達するメディアにも、聴覚メディアや視覚メディアなどがあり、またそれぞれのメディアについても、多種多様な表現形式があり得る。この講義では、私たちの身の回りの情報をその特質とその受け手の特性との関係において設計・表現するための技術について学ぶ。
行動目標●情報の形態が理解できる。情報デザインの技法(方法論)が理解できる。人間の五感の特性を理解できる。適切な論理展開ができるようになる。ソーシャルメディアの有効性について考察できる。コミュニケーションにおいてどの情報メディアが有効か考えることができる。
私たちの生活環境、社会環境、産業現場などにおけるさまざまなモノや環境などは、人間に本来備わっている性質や特性に基づくものでなければならない。人間工学は、人間の特性に基づいた、人に優しいモノ・環境作りを目指す学問分野である。本講では、人間のさまざまな特性を学びながら、人間の特性に基づいた製品や環境、作業システムを設計するための基礎理論および方法論を学ぶ。
行動目標●ものづくりにおける人間工学の意義を説明できる。人間の身体計測に基づいた設計法が理解できる。人間の生理的特性と、それに基づいた設計法が理解できる。ストレスが人間の行動におよぼす影響を理解し、その予防策を考えることができる。
人間の脳=心理における情報処理は、コンピュータと同様に、入力プロセス、情報処理プロセスおよび出力プロセスにより構成されている。その中枢である情報処理プロセスが認知システムであり、知覚、注意、記憶、言語などの情報処理が行われる。この講義では、知覚、注意、記憶、言語などの認知情報処理の仕組みについて学習することにより、人間の認知システムに特有な情報処理メカニズムについて理解する。
行動目標●学生は、人間の認知システムの特徴について理解できる。人間の認知システムの特徴を理解できる。人間の認知システムの特徴にあわせた情報処理システムを設計するための基本要素について説明できる。
臨床心理学は心理学の理論を基盤とし、精神健康上の問題への介入・予防を目的とした応用心理学の1分野である。臨床心理学には、心のメカニズムを理解するための理論が多く含まれる。本講義では、代表的な理論および臨床実践の実際について、概括的に学習する。
行動目標●臨床心理学の全体像について理解することができる。代表的な臨床アセスメント手法や心理療法について概括的に説明できる。地域臨床(コミュニティ心理学)について説明できる。臨床心理学の臨床領域や日常生活での実践について説明できる。臨床心理に関わる倫理的配慮について考えることができる。
人間が外界から情報を取り込む仕組みである知覚について学ぶことで、人間の情報処理プロセスを包括的に理解できるようになる。またさまざまな感覚・知覚モダリティの相違点と共通点、またそれらの相互作用を知ることで、効果的な情報提示方法について考えることができる。
行動目標●視覚の仕組みについて理解し、説明できる。聴覚の仕組みについて理解し、説明できる。触覚の仕組みについて理解し、説明できる。味覚・嗅覚の仕組みについて理解し、説明できる。感覚間の相互作用について理解し、説明できる。
心理学における最近の研究ではコンピュータを用いた実験が行われる例が非常に多い。このような実験を行う際には、実験に必要な機能を持つアプリケーションを研究者自身が開発する必要がある。この科目ではパソコン上で簡単な心理実験アプリケーションを作成するための技術を身につけ、自分自身で計画した実験を実行することを目指す。
行動目標●目的に応じたプログラムを作成できる。設計したプログラムを実装できる。グラフィック描画プログラムを作成できる。タイマーを適切に使用したプログラムを作成できる。パソコンの入出力デバイスを使用したプログラムを作成できる。
この科目では、医療をはじめとする保健活動の現場で、心理学を活かして働くために必要な基礎的な知識を身につける。主として医療現場における心理社会的課題を学び、必要な支援を考えたい。また日常生活で生じるストレスと心身の疾病との関係について学習し、心理的な支援の役割を理解する。さらに災害時等に必要な心理に関する支援について触れたい。
行動目標●ストレスと疾患の関係について説明できる。医療現場における代表的な心理的支援を挙げることができる。医療現場における公認心理師の役割を述べることができる。
この科目では、心身機能と身体構造及び様々な疾病や障害を学ぶとともに、がんや難病等の心理に関する支援が必要な主な疾病を理解する。身体の構造としては、細胞と組織から始まり、各種器官と器官系(循環器系、消化器系、脳神経系、呼吸器系、骨格筋系、免疫系、内分泌系、血液系)を学習する。その後、がんや糖尿病など身体疾患にともなう精神症状に対して、心理的ケアが必要な疾患を学ぶ。また医療現場における多職種連携について理解し、公認心理師の役割について考える。
行動目標●基本的な人体の構造を理解する。各器官系の役割を大まかに述べることができる。医療現場における多職種連携について述べることができる。
認知という複雑なシステムを理解するためには、その背景となる脳の仕組みを理解することが重要である。この科目では神経細胞のはたらき、脳の構造、脳の機能および脳の研究法を学ぶことで、脳と脳における情報処理について学ぶ。
行動目標●脳の構造とその成り立ちについて理解し、説明することができる。脳の機能について理解し、説明することができる。生体の脳の研究法について理解し、説明することができる。脳に関する最近の研究論文を読み理解することができる。
社会心理学は、人と人との関係そして人が構成する社会と人の関係を扱う。個人の側面から考える社会心理学と、社会の側面から考える社会心理学との両面について学び、人と社会との関係を理解することが目的である。
行動目標●対人関係について理解できる。態度の意味と役割について理解できる。人と集団とのかかわりについて理解できる。群衆のはたらきについて理解できる。
心理学および臨床心理学の知見を活かした支援を包括的に学ぶ。代表的な心理療法の歴史や概念などの基礎知識を習得し理解するとともに、地域支援や心の健康教育、支援の対象者の関係者への支援における心理職の役割を考えていく。また支援者として必要なコミュニケーションの方法を習得すると同時に、プライバシー保護や倫理的事項への配慮の仕方を学習する。
行動目標●代表的な心理療法についてその概要や特徴を説明できる。個人心理療法以外の心理職の支援内容について説明できる。支援者としての基本的なコミュニケーション能力を習得できる。支援における倫理的配慮には何があるか説明できる。
私たちが普段の生活を円滑に送っていく上で、記憶は重要な役割を果たしている。記憶は私たちの心のはたらきの根幹を成すものの1つである。この講義では、これまで特に認知心理学で行われてきたさまざまな記憶に関する研究を紹介し、時には簡単な実験も交えて、我々の記憶の性質について理解を深め、それを通して得た知識を、自分自身の日常生活を改善したり、現実社会に応用していくことができるようになることを目標とする。
行動目標●人間の記憶の基本的な性質を理解できる。人間の記憶の仕組みについて理解できる。人間の記憶の性質や仕組みを日常生活の改善に役立てるための手立てを考えることができる。
産業の場を念頭において、小人数のチームから企業などの大きな組織までの組織の心理的挙動と、労働環境などによるストレスの問題と、産業現場でのものづくりに関する心理学的視点とについて、産業心理学の立場から学ぶ。
行動目標●組織の中の人間の位置づけが理解できる。リーダーの特性が理解でき評価できるようになる。ものづくりに心理学がどのように応用されているかを理解できる。ものづくりでの心理学的手法を理解できる。
人間とシステムとの接面を、ヒューマンインタフェースという。航空機、プラントなどの大規模システムはもとより、多機能化の進む業務設備、家電製品、公共機器などの諸システムでは、ヒューマンインタフェースが使いにくいと、誤操作からトラブルや事故(ヒューマンエラー)を招く例もある。これは、ヒューマンインタフェースが、人間の心理、生理、身体特性に適合していないために生じるものである。この講義では、ヒューマンインタフェースを、より「使いやすく」設計するための、人間工学的な設計技術について学ぶ。
行動目標●ヒューマンインタフェースの役割について理解し説明できる。ユーザビリティについて理解し説明できる。人間中心設計プロセスについて理解し説明できる。ユーザーへの適切なフィードバックの重要性について理解し説明できる。ヒューマンエラーの原因と対策について理解し説明できる。
この講義では、さまざまな障害のある個人(子どもを含む)の心理特性を学ぶ。障害の特徴、知的発達、社会性の発達、情緒面の問題について理解し、これまで行われてきた支援方法について学習する。教育の場で行われている特別支援教育を中心に解説を行い、公認心理師の役割について自ら考える材料を提供する。
行動目標●障害の特徴について、いくつか例示できる。アセスメント方法について、いくつか例示できる。支援方法について、述べることができる。
心理的支援とは、個人、集団、あるいは地域コミュニティといった多様な対象に、心理学の知識を応用した支援を行うことである。本講義では、地域支援を含め、幅広い対象への心理的支援を行う際に必要な心理学の基礎知識を学ぶ。また、状況の見立てやアプローチの考案といった支援の実際について、ロールプレイ(役割演技)演習を通して実践的に学習する。
行動目標●心理面接および心理検査の基礎知識について説明できる。心理的支援を行う際に必要なコミュニケーションの基礎技能を使用できる。集団や地域を対象とした心理的支援に関わる理論と実践の基礎について説明できる。心理的支援を実践する際の倫理的配慮および法的義務について説明できる。
人間の心理における情報処理の基盤は、脳の機能である。脳情報科学的研究法の急激な進展により、さまざまな心理的情報処理プロセスの脳活動が明らかにされてきた。この講義では、注意と眼球運動、記憶と意思決定、感情、発達と社会性の脳活動について学習することにより、脳情報科学に基づいた心理学の基礎を理解する。
行動目標●さまざまな心理的情報処理プロセスの脳活動について理解できる。脳情報科学に基づいた心理学の基礎を理解できる。人間の心理的情報処理プロセスの特徴にあわせたシステムを設計するための基本要素について説明できる。
人間を理解する上では、生物学的・社会学的・心理学的な面から包括的に捉える視点が欠かせない。人の発達とは、生まれてから成人するまでの過程のみならず、成人以降の中年期および老年期そして死までの、生涯にわたる発達および変化を意味する。本講では人間の生涯を通じての心身の成長発達の各段階について、その特徴を理解していくが、特に受講生の発達段階と一致する青年期については、自己理解も含めて学習を深める必要がある。
行動目標●発達心理学の基礎的な概念や用語について簡潔な文章で説明することができる。各発達段階の特徴を示すことができる。青年期の発達課題の知識を踏まえ、自分自身について考察し、それを文章で記述できる。中年期や老年期の心理的特徴について具体例を挙げて文章で説明することができる。成人期以降の発達段階の特徴を踏まえ、老いや死などについて自分の考えを文章で表現することができる。
日頃身近に経験する日常の消費者行動を、今まで学んできた心理学の視点から考えていく。心理学の視点としては、主に、知覚・記憶・学習・情動・社会の各領域である。心理学から消費者の問題がどのように考えられているかを理解することが目標である。
行動目標●知覚心理学から広告を理解できる。記憶と学習から購買行動を理解できる。情動から購買意欲を理解できる。社会心理学から流行を理解できる。
私たちの日常における様々な行動には、その時の感情やその人自身の性格が何らかの影響を及ぼすことがある。本講義では、感情や人格 (性格) に関する様々な理論を概観し、心のはたらきに感情や性格がどのような影響を及ぼすかを学ぶ。感情については、感情に関する諸理論、感情喚起の機序、感情が行動に及ぼす影響などについて学ぶ。人格については、人格の概念や人格が形成される過程、人格の類型や特性などについて学ぶ。
行動目標●感情に関する理論および感情喚起の機序について説明できる。感情が行動に及ぼす影響を説明できる。人格の概念及び形成過程について説明できる。人格の類型、特性などについて説明できる。
心理学をはじめとする多くの領域でデータ解析技術の重要性が増している。この科目では調査データを用いた実習を通して大規模データの解析に用いられるソフトウェアの使用方法を学ぶ。与えられたデータに対して適切な解析手法を選択して実施し、結果を解釈した上で、それをプレゼンテーションするという一連の流れを体験することでデータ解析技術を身につける。
行動目標●統計解析ソフトウェアRを用いて適切に統計解析ができる。ソフトウェアを適切に利用して大規模なデータの処理を行うことができる。統計解析結果を解釈し、それを分かりやすくプレゼンテーションすることができる。
「質問紙法と調査実習」では、心理学調査法における質問紙作成、調査、分析に至るまでの一連の実習を行う。「高齢者体験と観察法実習」では、高齢者体験ツールを用いた高齢者体験と、観察法によりデータを収集し、ノンパラメトリック法による統計的分析を実施する。
行動目標●調査対象を評価するために必要な質問項目を選出し、質問紙を作成することができる。質問紙法による調査を実施し、収集したデータを集計することができる。データを用いた統計的分析を行い、結果を解釈し考察することができる。観察法における一連の手続きを理解し、データを収集することができる。発話思考法について理解し、データを収集することができる。ノンパラメトリック法について理解し、実際にデータの分析をすることができる。
「プログラミングと心理実験」では、MATLABを用いた実験用プログラム作成、実験実施とデータ処理(分散分析)に至る一連の作業を実習する。「生体情報・脳機能計測」では、生理計測装置による生体情報計測、および脳活動測定装置を用いた脳機能計測を実施し、データ分析の実習をする。
行動目標●パーソナルコンピュータ上で実験を実施するためのプログラムを理解し、作成することができる。反応時間、誤答率などの行動指標を適切に解析することができる。生体情報計測・脳機能計測の基礎を理解することができる。基本的な生体情報計測・脳機能計測を行い、データ処理を行うことができる。
心理アセスメントとは、心理療法を求めてきたクライエントなどについて、その問題の性質やその人が持つ資質を知り、適切な介入方法を見い出し、どのような見通しを持つことができるか多面的・総合的に検討する作業である。この講義では心理アセスメントでよく用いられる心理検査法に焦点をあて、それらの理論と代表的な心理学的測定方法を演習形式で学ぶ。また測定方法自体の妥当性評価や正確な測定を行うための実施方法について尺度構成法の実習を通して学ぶ。これらを通じて自身の心理的特質についても理解を深めてもらいたい。
行動目標●心理検査法の歴史、尺度構成法、倫理について、基本的事項を説明できる。尺度構成法に基づいて適切な手順で尺度を作成することができる。信頼性、妥当性という観点から、心理検査の適切性を判断することができる。講義で採り上げた心理検査について、その理論的背景と実施方法を理解し、実施することができる。心理検査の結果から、被検者の心理的特質を知り、説明することができる。心理検査の管理とデータの取り扱いに関する倫理的感覚を身につけ、配慮することができる。
本実習では、公認心理師法で定められた実習施設において、所定の期間、見学等による実習を行う。この実習の中で、心理に関する支援を必要とする人たちへのチームアプローチ、多職種連携及び地域連携、公認心理師としての職業倫理及び法的義務への理解の各事項について、理解を深める。
行動目標●心理的支援に関するチームアプローチについて述べることができる。多職種連携及び地域連携について述べることができる。職業倫理及び法的義務について、いくつかの主要な点について述べることができる。
公認心理師は、保健医療、福祉、教育その他さまざまな分野で活躍することが期待されている。それぞれの領域での具体的な業務を学ぶとともに、各分野における法的義務と倫理を学ぶ。その際、心理学的支援における安全の確保や情報の取り扱いについても言及する。同時に、他の専門職との連携、地域における連携の重要性を理解しながら、求められる役割にこたえるため、自己研鑽や生涯学習への意識を高める。
行動目標●公認心理師の求められる役割について、いくつか挙げることができる。法的義務と倫理について、例示することができる。
この講義では、代表的な精神疾患について、成因、症状、診断法、治療法、経過、本人や家族への支援といった観点から理解する。まず講義では、精神医学・医療の歴史と現状を学ぶことから始まる。次に脳の構造と働きから精神現象を理解する。また精神障害の概念、精神疾患の成因と分類や精神症状を学ぶ。これに関連して、身体的検査と心理的検査の概要に触れる。治療に関しては、薬物療法を中心に解説を行うが、その他にも精神療法についても紹介する。最後に、精神科医療機関における外来診療、入院医療、在宅医療や、公認心理師との連携にあり方について理解を深める。
行動目標●精神医療の大枠が理解できる。精神医療の主な対象となる代表的な疾患の症状、経過、治療が説明できる。
この科目では心理学の観点から福祉の現場において生じている問題・課題にアプローチしていく。福祉的対応を必要とする個人(児童、障害者、高齢者など)の心理的問題、またそれらの個人を取り巻く家族の要因などを取り上げる。同時に、ケースワーカー、指導員、介護者など福祉的活動に携わる人々の心理的問題について理解を深める。現在の福祉の現場における必要な支援を考え、虐待などの今日的な問題について学ぶ。
行動目標●福祉現場の課題について、いくつか述べることができる。虐待の問題について、課題を述べることができる。
本科目では、犯罪・非行、犯罪被害および家事事件についての基本的知識を学ぶ。司法分野における犯罪心理学のアプローチ法を解説し、この分野の問題に対して必要な心理的支援について理解を深める。
行動目標●少年非行の現状を簡単に述べることができる。非行に関わる公的な機関の役割を述べることができる。
この科目では、公認心理師法に関する内容を理解することが目的となる。また同時に、保健医療分野に関係する制度、福祉分野に関係する制度、教育分野に関係する制度、司法・犯罪分野に関係する制度、産業・労働分野に関係する制度といった5つの関連分野に関する制度を理解することが求められる。それぞれの分野において活躍する他職種の専門家と、関連する制度・施策について理解を深める。
行動目標●公認心理師法の要点を述べることができる。公認心理師と関連の深い5分野における専門家・制度・施策を述べることができる。
今まで学んできた心理学・情報科学・工学の内容を統合して、人の心のはたらきを活かしたものづくりのできるエンジニアになるためのプロジェクト活動を実施する。プロジェクトデザイン III を遂行するために必要な既習内容の復習と効果的なプロジェクト活動を実現するための力を身につける。さらに、技術者倫理および安全教育について修得し、社会に出て活躍できる技術者としての人間力を養う。
行動目標●プロジェクトデザイン III の専門領域の中で興味のある内容についての知識を深めることができる。プロジェクトデザイン III の目標や行動計画について明確なイメージを持つことができる。プロジェクトデザイン III のテーマについて説明ができる。各研究室に即した行動目標について説明ができる。
心理学と情報技術とを融合して、安全で、心地よく、楽しく使うことができる製品・システムの企画・開発、人の心のはたらきに配慮したサービスの提案を行うことができるようになることを目指す。これまでに修得した心のはたらきについての知識や、科学的な測定・評価の技術を生かし、各自のテーマに取り組むこと。
行動目標●人間の心のはたらきについて心理学的に説明することができる。人間の心のはたらきを測定評価するための手法を使いこなすことができる。心のはたらきを社会や産業に活かすための手立てを説明することができる。既習の知識と技術を駆使し活動プログラムを自主的に実践することができる。将来の進路についての行動指針を得ることができる。
技術者としての職業観を形成し、自分に適した進学・就職の目標を設定すること、加えて、自らの能力・性格特性の自覚と、それに基づく課題設定と問題解決力向上の第1歩を進めること、以上を履修者自ら自主的、意欲的に遂行すること。
行動目標●今後の人生と、就職活動で選択する進路の関係を考え、適切な進路を思い浮かべることができる。進路選択に必要な学生生活を送ることができている。進学・就職など自分の進路に関する方針や目標を設定でき、他人にも理解できるように論理的に説明できる。進路に対する目標を達成するために必要な知識、能力、素養、資質などを、自ら向上させることができる。
技術者としての職業観を形成し、自分に適した進学・就職の目標を設定すること、加えて、自らの能力・性格特性の自覚と、それに基づく課題設定と問題解決力向上の第1歩を進めること、以上を履修者自ら自主的、意欲的に遂行すること。
行動目標●今後の人生と、就職活動で選択する進路の関係を考え、適切な進路を思い浮かべることができる。進路選択に必要な学生生活を送ることができている。進学・就職など自分の進路に関する方針や目標を設定でき、他人にも理解できるように論理的に説明できる。進路に対する目標を達成するために必要な知識、能力、素養、資質などを、自ら向上させることができる。