カリキュラムガイド 一覧
[2] 学部のカリキュラム
工学部 > 機械工学科
教育目標
機械工学は産業基盤の中心をなす分野である。これまで自動車、家電製品、工作機械、エネルギー機械、福祉医療機器など多くの製品を産み出してきた。一方、省エネルギー、環境負荷低減、安全・信頼性向上への要求が高まってきている。本学科では、機械工学に関する基礎知識を身につけ、デジタルツールを活用したものづくりのための設計・応用技術、新材料とその加工方法、環境・エネルギーに関する技術を修得し、社会的要請に対応できる人材を育成する。
カリキュラムフロー
キーワード
- 環境
- エネルギー
- 設計・加工
- 材料
- 計測・制御
- 自動車
- 医療・福祉
機械工学科 科目概要
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E001 機械工学入門
現代社会は多種多様な機械で成り立っている。機械工学科では機械の材料・設計・製造・制御などの専門知識に加え、コンピュータ援用手法や専門統合化手法などを多くの講義・演習・実習で学ぶ。実際の機械は、複数領域に亘る知識や手法を組み合わせて開発されることが殆どであり、これから学習をはじめる上で、科目の位置づけや実際の機械との繋がりなどを知ることは大切である。本科目では機械工学の概念を学び、産業機械の進化と学問領域や最先端研究の関係を理解し、自ら考え行動する技術者に向けたキャリアデザインの礎を作る。
行動目標●自身の長所を理解し、それをさらに伸ばす方法を考えることができる。機械工学科で達成したい自己の目標を明確に第三者へ説明できる。機械工学科で行われている先端的研究の概要と学問領域の関係を説明できる。社会におけるエンジニアの役割と、自身のキャリア形成プロセスを自身の言葉で述べ、それを第三者に伝えることができる。 -
E002 機械系製図 I
機械製図の基礎となる正投影の原理を学ぶとともに、正投影を用いて描かれた機械図面から部品の三次元形状をイメージできる能力を修得する。さらに、機械製図の基礎となるJIS規格について学ぶ。これらは、機械技術者が図面を用いながらさまざまな情報を交換するために不可欠な基礎能力である。演習では、手書きによる製図スキルとともに、図面を効率的に作成・編集するためCADソフトウェアの操作スキルを修得する。
行動目標●立体図の作成法を理解し、等角図およびキャビネット図を作図できる。正投影の原理を理解し、第三角法で機械部品の形状を表現できる。機械図面の基礎的なJIS製図規則を理解し、簡単な形状の機械部品について正面図、平面図、側面図を正確に描ける。幾何学的に正確な手法を用いて複雑な形状を持つ部品を作図できる。機械設計の基礎である公差・精度の指示を理解できる。手書きに加えて、2D-CADおよび3D-CADの基本的な図形生成機能と図形編集機能を駆使し、図面を作成できる。 -
E003 機械の原理・演習
機械は設計・製作・制御など複数の領域にわたる知識を組み合わせて製造されることがほとんどであり、これから学習をはじめる上で、個々の科目の位置づけや実際の機械とのつながりなどを知ることは大切である。本科目は機械工学に関する学習をはじめる上で、個々の科目の位置付けや実際の機械との対応を意識しながら、特に設計能力の基礎を養うことを目的とし、実際に産業界や家庭で使われている機械の分解・組立を通じて機械の仕組み、材料や製造方法、動作原理、そして、設計計算で必要となる数学の基礎を学ぶ。
行動目標●実習で説明された機械の仕組み・材料・機構・構造・動作原理などの重要性を理解できる。工具や計測機器の使い方および機械の構造を理解して機械や機械部品の分解・組立を行うことができる。機械の仕組み・材料・機構・動作原理などに関するキーポイントや問題点を第三者が理解できるように説明できる。機械の分解・組立を機構の重要性や問題点を考えながら行うことができ、それをレポートにまとめることができる。数学の基礎知識を得て、工学的問題に応用できる。実習や講義を通じて、それらを扱う専門科目の名称やつながりを詳細に理解することができる。 -
E037 電気基礎
現代の機械は電気・電子回路をなしに動かすことはできないといっても過言ではない。本科目では機械技術者として身に付けておくべきエレクトロニクスの基礎を学ぶ。電圧、電流などの基礎概念を理解し、抵抗、コンデンサ、コイルなどの電気素子の原理や機能を学習する。また、モータの原理についても学習する。
行動目標●直流と交流の違いについて説明できる。抵抗に流れる電流と電圧、電力の関係を説明できる。コンデンサやコイルの機能を説明できる。モータの原理を説明できる。 -
E005 機械系製図II
機械製図は、設計者がイメージした形体や特徴を有する機械をJIS規格に沿って図面で表すものであり、同時に、図面に基づいて第三者に設計の意志を伝達する役割を有する。本科目では機械製図の基礎となるJIS規格や製造方法に基づく部品設計や精度、公差の指示方法を学ぶ。あわせて部品の3次元形状に基づき製造図面として2次元図面へ正確に展開することで、設計仕様を要求でき、第三者へ形状を伝達できる能力を修得する。また、製図演習では図面を効率的に作成・編集するためのCADソフトウェアを用いることで、コンピュータを援用した設計基礎能力を修得する。
行動目標●CADソフトウェアを使用しコンピュータを援用した機械製図を描くことができる。機械部品の鳥瞰図、写真あるいは3D-CAD図面から2次元の機械図面をJIS機械製図規則に則って描くことができる。第三者が作成した2次元の機械製図から、そこに描かれている部品の形状をイメージ化し3D-CADで表現できる。3D-CADによって基礎的な組立図を作成することができる。機械製図図面の内容を第三者へ伝達することができる。機械部品の製造方法を考慮した機械設計や公差・精度の指示を行うことができる。 -
E004 工業力学 I
静力学における基本的な概念である力、力のモーメント、重心を理解し、さまざまな機械あるいは機械部品に対してどこにどのような力が働くかを求めるといった力学的解析能力を身につける。また、他の科目で学んだ知識とあわせることにより機械設計に応用できるようになる。
行動目標●物体に作用する力を適切に表示し、その大きさをSI単位系で表すことができる。力の概念を理解し、複数の力の合力や力の任意の方向成分を求めることができる。力のモーメントの概念を理解し、力のモーメントを計算することができる。力の釣り合いの概念を理解し、物体に働く反力などを求めることができる。重心および図心の概念を理解し、これらを求めることができる。物体のすわりの安定を判別できる。 -
E008 工業力学 II
力学は機械工学の基本である。「工業力学Ⅰ」では、質点や剛体に作用する力の釣り合いなどの静力学を主として学習した。本科目ではニュートンの運動の法則や物体の平面運動の力学的な考え方について学習し、それを基に力やトルクを受けた物体はどのような運動をするか、すなわち、動力学の基礎について学習する。この科目は以降における専門科目で展開される諸力学の理解に不可欠であり、高速の機械の設計に必要な慣性力などの知識を得ることができる。
行動目標●物体に作用する力やモーメントを適切に表記し、それを基に運動方程式を立てることができる。慣性モーメントを計算できる。平面内で運動する物体の概念を理解し、それらを計算で求めることができる。 -
E007 材料力学I
材料力学とは、橋、鉄塔、自動車、飛行機、エネルギー機器、生体組織や細胞など形あるものの各部に作用している力や変形状態を明らかにし、それらの結果を安全設計に役立てることができるようになるための機械工学の基礎となる重要な科目である。そのため、本科目では、材料力学の基礎的な内容について、講義と演習を通じて徹底的に理解し、修得する。
行動目標●垂直応力、せん断応力、垂直ひずみ、せん断ひずみの概念とフックの法則が理解でき、それらを応用することができる。主要な材料の応力―ひずみ特性が描け、材料の変形や破壊挙動を説明できる。材料の性質と設計に用いる基準強さや許容応力の関係を説明できる。骨組構造に生じる応力や熱応力、内圧を受ける薄肉円筒に生じる応力を求めることができ、応力集中の概念を説明できる。はりに働く荷重によって生じる支点の反力やせん断力、曲げモーメントを求めることができ、SFD、BMDを描くことができる。 -
E011 材料科学I
工業製品は高性能・高機能化が追求されると同時に、環境に対するさまざまな配慮が求められている。工業製品の根幹を支える材料の物理的・化学的性質は、材料の内部構造と密接に結びついているので、新たな工業製品を生み出すには材料の本質を理解する必要がある。本科目では、工業材料の全体像を概観するとともに、構造と物理的・化学的性質の関係の基礎、代表的な材料の特性評価法を学習する。
行動目標●金属材料、プラスチック、セラミックスなどの基本特性を説明できる。結合の種類、特徴、具体例を説明できる。結晶の幾何学(特にブラベー格子とミラー指数)を説明できる。格子欠陥の種類と特徴を説明できる。弾性変形と塑性変形の違いを材料学的に説明できる。代表的な機械試験法を説明できる。 -
E013 流体力学Ⅰ
流体力学は、機械工学の基礎をなす4力学の1つである。本科目はその入門的基礎を学ぶ科目であり、流力(性能)設計において重要な役割を果たす。ここでは、流体の基礎的な性質、ベルヌーイの定理、連続の法則、運動量の法則などを学ぶとともに応用例について演習を通して習熟する。
行動目標●流体の性質、特に、圧縮性、粘性などの働きを説明できる。流体の深さと圧力との関係式が立てられるとともに、物体にかかる全圧力を計算できる。簡単な場合について流れの基礎式を導出できる。連続の式、ベルヌーイの式などを使い基礎的な流体計算ができる。運動量の定理を理解し、実際の流体力計算に応用できる。課題および成果に対して効果的なプレゼンテーションを行い、討論できる。 -
E015 機械力学I
機械は主に複数の剛体から構成されている。本科目では、剛体が外から力やトルクを受けるとどのような運動をするか、すなわち、剛体の動力学の基礎について学習する。この科目は以降の専門基礎科目の諸力学の理解や機械、機械部品の運動を解析するために不可欠である。
行動目標●剛体の運動について説明することができる。衝突における運動の変化について説明することができる。運動している剛体の力学的エネルギーを記述することができる。摩擦を利用した簡単な機械の運動を解析することができる。 -
E038 機械工作法
機械部品を適切に作製するためには、材料の基本的性質、設計技術そして加工技術に関する知識が不可欠である。特に、部品に要求された品質や精度を如何に保証するかを理解することは重要なことである。本科目では実際の加工現場で使用されている各種工作機械の機能や構造について学習する。また、基礎的生産加工技術や被加工物に要求される精度を効率よく得るために有利な加工方法の選定技術を身につける。さらに、加工部品の評価方法の基礎を学ぶ。
行動目標●素形材を作成する加工方法について理解できる。各種工作機械の機能や構造を理解できる。基本的な加工法とその内容を理解できる。要求された精度を効率よく製作するために有利な加工法を選択できる。要求される精度を検証するための測定法を理解できる。 -
E010 機械応用プログラミングI
現代の機械工学において、コンピュータはそのツールとして不可欠である。なかでもプログラミング技術は機械工学において解析、計測評価を行う場合、有効な技術となる。本科目ではプログラミング技術の中でも最も基礎であるC言語のプログラミングを学び、基礎的な数値計算プログラムなどが制作できる技術を修得する。
行動目標●プログラミングの基本的な文法を覚え、教科書の例題程度のプログラムを理解できる。教科書の例題程度のプログラムを書くことができ、さらにコンピュータ上でコンパイルならびに実行できる。ライブラリを使い簡単なプログラムを作成できる。作成したプログラムについて説明できる。 -
E039 計測工学
自動機械の発達に伴い、機械システムの計測・制御技術は、機械を使う技術者、設計技術者にとって不可欠である。本科目では、そのうちの計測技術の基礎知識を習得する。具体的には、計測システムの構成、単位とトレーサビリティ、不確かさ、信号の変換、データ処理を学習した上でいくつかの計測の事例について学習する。
行動目標●計測システムの特性を表す指標について説明でき、それを改善する方法について議論できる。計測のトレーサビリティについて説明することができる。不確かさを考慮して測定結果をSI単位で表現することができる。時系列信号のデータ処理について説明できる。学習内容を実際の計測に応用できる。 -
E012 材料力学II
本科目では、材料力学Iで学んだ内容を基本として、はりとその支持条件、はりのせん断力と曲げモーメントより、はりの曲げ応力およびはりのたわみを求めるための解析手法について学ぶ。さらに、軸のねじり問題や組み合わせ応力問題について学ぶ。
行動目標●はりに生じる応力やたわみを解析的に求めることができ、安全設計を行なうことができる。ねじりの応力を求めることができる。伝動軸の径を求めることができる。単軸引張を受ける棒の斜断面における応力を求めることができる。主応力、主せん断応力の概念を理解でき、モールの応力円を描くことができる。 -
E014 熱力学I
本科目では熱エネルギーを機械的仕事に変換するための基礎や、熱エネルギーと物質の性質に関連する諸事項を中心に学ぶ。熱の本質と熱に関わる現象のモデル化、数式化とその重要性を理解する。特に、理想気体の性質とエネルギー保存の法則に基づき、エネルギーと仕事の関係を学ぶ。熱力学がエネルギー機械の設計に果たす役割について理解し、応用力を涵養する。
行動目標●温度、熱平衡(熱力学の第ゼロ法則)について説明でき、具体的な問題に適用できる。理想気体とその性質について説明でき、その内容、考え方を応用できる。混合気体の性質について説明でき、その内容、考え方を応用できる。理想気体とその状態式について説明でき、その内容、考え方などを適用して具体的な問題を解くことができる。熱力学の第一法則について説明できる。熱力学の第一法則の内容、考え方などを適用して具体的な問題を解くことができる。 -
E016 機械要素設計
設計能力とは、機械を構成しているさまざまな部品を、それぞれの機能から機械要素として捉え、その作動原理について力学を応用して定量的に自ら安全設計ができることである。この能力の基礎力を培うために、設計上必要な規格(JIS規格など)を参照し、機械要素としての部品設計(詳細設計)のプロセスを身につける。
行動目標●製品の要求仕様を具体的な設計情報に置き換えていく設計工程を理解し、説明できる。機械設計における技術者倫理、信頼性設計や安全率を理解し、説明できる。部材に加わる荷重を判断し、強度設計ができる。ねじ、軸および軸受の設計に必要な計算ができ、要求仕様に応じた選択ができる。歯車の設計に必要な計算ができ、要求仕様に応じた選択ができる。必要な規格(JIS規格など)を参照でき、設計に応用できる。 -
E019 機械力学II
近年の自動機械は生産性を向上させるために高速化、高精度化、制振化が図られている。これによって各種機械で発生する振動現象も問題化してきている。それに伴って、機械の振動問題に対する基礎的な知識は機械技術者にとって重要な項目となってきている。本科目では、機械に生じる1自由度系をはじめとする振動問題の基礎を理解して設計に応用できるようにするため、それらの基本的現象をモデル化し、力学的な考え方の適用法を修得する。さらに、2自由度系まで展開を広げるとともに、制振技術としての動吸振器の基礎と原理を修得する。
行動目標●減衰系を含めて機械の振動をモデル化して表現できる。表現したモデルをもとに運動方程式を作成できる。微分方程式からなる運動方程式の解を求めることができる。動吸振器の原理を理解し説明できる。 -
E023 材料科学II
優れた性能を発揮する機械・構造物を設計・製作するには、それを構成する材料の特徴を理解した上での材料選択が必要となる。また、材料は加工や熱処理によって組織や性質が変化する。本科目では、平衡状態図と相形成について学修した後に熱処理および加工による材料の改質法を学習する。さらに、代表的な実用材料の基本特性と組織との関連を学習する。
行動目標●平衡状態図と相形成との関係を説明できる。Fe-C系平衡状態図と鋼の標準組織の関係を説明できる。鋼の基本的な熱処理法を説明できる。アルミニウム合金の基本的な熱処理法を説明できる。塑性加工によって得られる組織と熱処理による回復、再結晶の機構を説明できる。 -
E024 制御工学
自動機械の発達に伴い、機械システムの制御技術の理解は、機械を使う技術者、設計する技術者にとって重要である。さまざまな機械を制御するためには、システムをモデル化し、目的に応じた制御系の設計が必要となる。本科目では、制御システムのモデル化から伝達関数、ブロック線図での表現、過渡応答、フィードバック制御の基本事項となる周波数応答に基づく制御系設計法やシステムの安定性について学び、制御技術の基礎を修得する。
行動目標●簡単な機械システムの数式モデルについて、伝達関数およびブロック線図を使って表現でき、ラプラス変換を使って解を導出することができる。システムの動的特性を過渡応答特性、周波数応答特性として特徴を表現できる。簡単な機械システムの制御系を設計でき、制御系の特徴を説明できる。 -
E017 機械応用プログラミングII
物理現象はモデル化することによって微分方程式を用いて表わされることがある。これをコンピュータで解析することは機械技術者にとって有効な情報をもたらす。本科目では、「機械応用プログラミングI」で学習したプログラミング言語を用いてさまざまな現象を解析する能力を養うとともに、解析結果を解釈してさらに精度の高い解法を実現するために、自らプログラムを高度化、改良することができることを目指す。
行動目標●入出力を伴う簡単な数値演算を行うことができる。非線形の方程式を数値的に解くことができる。連立方程式を数値的に解くことができる。数値的に積分を行うことができる。簡単な常微分方程式を数値的に解くことができる。 -
E018 流体力学Ⅱ
機械工学の基礎をなす4力学の1つである流体力学は流力(性能)設計において重要な役割を果たす。本科目では入門的な「流体力学I」の後を受けて、粘性を持つ実際の流体について学ぶ。工学・技術・ものづくりにおける流体力学関連事象に対する基本概念、考え方、扱い方についての基礎能力を修得する。特に、管内流れ、流体抵抗、剥離、渦、揚力などの機構に関連する力学応用能力を身につける。
行動目標●流体損失の機構を理解し、その評価ができる。抵抗・揚力などの流体力の機構を理解し計算できる。流体関連現象に物理的モデルを立て、基礎式を誘導できる。流体現象および基礎式に対し本質を失わない力学的近似およびモデル化ができる。種々の流体現象の流体工学的側面について理解し、安全設計などに応用することができる。課題および成果に対して効果的なプレゼンテーションを行い、討論できる。 -
E020 機械加工学
機械加工とは、除去加工を中心に工作機械を用いて行われる加工法である。この加工法の特徴は、非除去加工では難しい高い寸法精度が要求される複雑形状部品も加工することができる点である。本科目では切削加工を対象として、切削の基礎理論や適切な付加要件としての加工条件、さらには工具の選定法に関する技術を身につけ、工具製作技術を例に表面コーティング技術や粉末冶金技術についても学習する。また、近年注目されている生活優先型ものづくりについても学習する。
行動目標●切削工学における基礎的理論が理解できる。切削諸元の測定法が理解できる。切削工具損傷の形態と特徴が理解できる。仕上げ面品位が理解できる。適正な加工条件や工作機械が選定できる。 -
E021 熱力学II
熱エネルギーを機械的仕事に変換するための基礎や、熱エネルギーと物質の性質に関する諸事項を学ぶ。現象のモデル化、数式化とその重要性を理解する。特に、自然界に生じる現象の不可逆性と主要なエネルギー機械における熱力学的な現象の扱い方を学ぶ。あわせて、熱力学がエネルギー機械の設計に果たす役割について学習する。
行動目標●カルノーサイクルについて説明でき、応用できる。熱力学の第二法則について説明でき、応用できる。エントロピーについて説明でき、具体的な問題に適用できる。ガスサイクルについて説明でき、具体的な問題に適用できる。相変化を伴う実在気体の性質と状態変化を説明でき、具体的な問題に適用できる。蒸気サイクルについて説明でき、具体的な問題に適用できる。 -
E040 3Dモデリング
CAEシステムとはCADによる設計に基づき、有限要素法などを利用してシミュレーションを行いながら設計の最適化、高度化を図る技術である。その過程で、要求仕様に則った設計の妥当性の第三者評価を行うため設計計算書の作成および検証を必要とする。本科目では3D-CADソフトウェアを使用し具体的な設計への応用について学び、設計者の意図を反映し、機構的に適切な機械設計のための具体的手法を理解する。講義では、はじめに要求仕様に基づき設計計算書の作成を行う。続いて設計計算の結果に基づき、CADソフトウェアを用いた主要な機械要素の3Dモデリングを行い、必要な機能を有して矛盾の無い機械を構築する設計演習を行う。
行動目標●CAEシステムの機能を把握し、実際の設計・生産業務に活かすための手法を選択し活用できる。要求仕様に則った設計計算書を作成および検証できる。3D-CADソフトウェアを駆使して、要求仕様に基づいた機械要素モデルを作成できる。3D-CADソフトウェアのアセンブリ条件を理解し、高度な機械モデルを構築できる。個々の機械要素の干渉を評価し、適宜部品モデルを変更できる。実際の機械とCADで作成されたモデルを比較し、機構や機能を分析、評価できる。設計者の意図を具現化し、創造的で最適化された設計を行うことができる。 -
E041 3Dシミュレーション
CAEシステムとはCADによる設計に基づき、有限要素法などを利用してシミュレーションを行いながら設計の最適化、高度化を図る技術である。本科目では有限要素解析の理論と概要を理解し、機械設計に応用するための具体的手法を理解する。さらに、それに基づいて、有限要素法による応力解析や変形解析を通して機械構造物の設計解析アプローチを学ぶ。
行動目標●有限要素解析の理論と概要を理解し、実際の設計・生産業務に活かすための解析手法を選択・活用できる。構造解析に用いる材料定数を適切に指定できる。解析対象となる問題に最適な要素種別を適切に指定できる。充分な精度を確保できる範囲内で計算コストを低減する要素分割を行うことができる。各部品の使用環境を考察しながら、適切な荷重条件や拘束条件を指定できる。解析結果を適切な方法で表現し、設計の無理や無駄を分析できる。 -
E027 材料力学III
本科目では、材料力学Ⅰおよび材料力学Ⅱで学んだ、物体の各部に作用している力と変形の関係に基づき、構造物等の設計に求められる基礎的・応用的知識を学ぶ。具体的には、三軸応力状態の応力とひずみの関係、長柱の座屈強度、偏心荷重を受ける短柱の力学、ひずみエネルギー、材料の破壊基準について学ぶ。
行動目標●三軸応力下での応力とひずみの関係を理解でき、組み合わせ応力問題を解くことができる。ひずみエネルギーの概念を理解し、はりや柱の変形をカスチリアーノの定理を用いて求めることができる。材料の破壊基準を理解することができる。短柱に生ずる応力分布および断面の核を求めることができる。長柱の座屈荷重を求めることができる。材料をモデル化して、その力学的挙動を数理的に扱うことができる。 -
E030 材料科学III
機械、構造物の設計製作の際には材料の特性を理解した上で適切な材料選択が必要となる。本講義では材料の欠点となる腐食や破壊機構を習得し、非鉄金属、樹脂、セラミックス、複合材料の構造と特性を理解する。その上で、適切な材料選択ができる応用力を養う。
行動目標●腐食や破壊など使用環境に応じた材料の危険性を把握できる。非鉄金属、樹脂、セラミックス、複合材料などの特性を説明できる。工学的ニーズに応じて適切な材料を選択できる。 -
E034 医用生体工学
先進医療において工学の技術は必要不可欠であり、今後一層、医学と工学が連携した医療技術の研究開発が必要である。本科目では医療技術の研究開発に携わる機械技術者が身につけておくべき生物の構造や機能に関する基礎知識を学習する。また、生物の機能や運動を工学的に理解し、生体に配慮した技術開発に貢献できるようになることを目標とする。
行動目標●生体工学の有用性を理解できる。機械工学を医療に応用する際の課題について説明できる。生体内の情報を取得する方法について説明できる。先端の医療技術について議論できる。 -
E022 機械設計統合演習
機械の設計・製造では、設計要求仕様に沿った設計の計画やイメージを作り、第三者に伝えることが必要である。そのイメージを具現化するため、3Dモデリングおよび3Dシミュレーション技術を活用し、強度・信頼性計算に加えて、製造方法やコストを考慮した詳細な設計が重要であり、そのためには機械の機構・全体像を表すための3Dと2Dの双方による製図を必要とする。また、要求仕様に則った設計の妥当性の第三者評価を行うため設計計算書の作成および検証を必要とする。本科目では設計・製図に関するJIS規格や製造方法に基づいた、機械の開発・設計・製図を実施する。特に、設計製図演習ではCADソフトウェアなどを積極的に利用することで、コンピュータを援用した設計基礎能力や専門統合化能力を修得する。
行動目標●機械の設計を実施するための設計項目を理解でき、設計箇所を第三者に図面および口頭で説明することができる。機械を構成する機械要素部品の基本設計および詳細設計などの設計計算をシステム的に実施することができる。組立図によって3Dとして機構の動きや機能が確認できる。設計機構のモデル化を行うことができるとともに、それに基づく強度・信頼性について、コンピュータを活用し計算できる。製造方法を考慮した機械設計計算や、それに基づく機械の計画図、組立図や部品図を機械製図規則に則って描くことができる。機械工学の各専門領域をベースに、専門知識を統合し設計解を考えることができる。 -
E026 マイクロ・ナノ加工
近年のものづくりには超精密、超微細な部品や機構を実現する技術が要求されており、これらは圧力センサ、インクジェットプリンターのヘッド、ジャイロスコープなどのMEMSに加えて、半導体デバイスや微細機械の製造に応用されている。また、加工方法には既存のものを微細化していくトップダウン型と構成する原子を目的に合わせて積み上げていくボトムアップ型があるので、両者の特徴も理解しなければならない。本科目では、このような超精密、超微細な部品や機構を得るための加工方法の基本的概念や応用事例を学習する。
行動目標●マイクロ、メゾ、ナノスケールで構成される超精密、超微細な部品や機構を説明できる。表面改質法の原理と特徴を説明できる。超精密研磨プロセスの位置づけやその原理に加えて、それに使用される消耗副資材の特徴や選定方法を説明できる。最新の微細加工技術の加工原理、応用事例を説明できる。 -
E028 熱移動工学
熱移動(伝熱)に関する知識は、機械工学をはじめ、環境工学など幅広い分野において必要不可欠である。本科目ではそれらに関連する現象、現象のモデル化、数式化による定量的な取り扱い方法について学ぶ。具体例としてはエネルギー機器、環境関連機器などを取り上げる。熱移動形態、熱移動量の定量的表現法と取り扱い方法、設計・計算法などを具体例とともに学ぶことにより、その知識がエネルギー機械の性能設計に果たす役割を理解することができ、設計に応用できる能力を修得する。
行動目標●熱移動(伝熱)に関する知識の必要性について、具体例をあげて説明できる。熱伝導について説明でき、それに関する伝熱計算ができる。強制対流熱伝達、自然対流熱伝達について説明でき、それに関する伝熱計算ができる。相変化を伴う熱伝達について説明でき、それに関する簡単な伝熱計算ができる。放射伝熱について説明でき、それに関する簡単な伝熱計算ができる。以上の知識を組み合わせて、伝熱機器(熱交換器など)の初歩的設計ができる。 -
E033 自動車工学
自動車は数万点におよぶ部品で構成されており、機械工学および電気・電子工学などの集大成による工業製品である。本科目では自動車を構成する多くのシステム中の機械工学に関連するシステムの機構や性能について学習する。これにより、工業製品の設計基礎能力を身につけ、専門知識を総合化し、新しい工業製品を創製するための専門応用能力を養う。
行動目標●簡単な運動性能が計算できる。自動車の構造や機構を力学的に説明できる。各種内燃機関の理論サイクル、作動原理および燃焼を説明できる。自動車の基本である「走・止・曲」を力学的に説明できる。 -
E035 環境・エネルギー機械
機械工学に関連するエネルギーについて、種々の角度から取り扱う。まず、現代社会において広く問題になっている環境とエネルギー問題について学習する。機械分野、特に流体関連の分野における種々のエネルギー機械のうち、ポンプやタービンなどの流体機械についての機構、性能そして設計法の基礎について修得する。さらに、CFDなどを用いながら流体力学的な観点から環境問題に対して検討する手法を学習する。
行動目標●近年あるいは今後予想されるエネルギー問題や解決への方向性を説明できる。ターボ機械を用いたエネルギー変換の原理について説明できる。ポンプの原理を理解し、性能計算できる。風水車およびタービンの原理を理解し、性能を計算できる。種々の環境問題に対して流体力学的観点から検討し、その内容について効果的にプレゼンテーションを行い、討論できる。 -
E072 生産プロセス
機械を製造するには多数の部品を適切に作製する必要がある。このため、材料の基本的性質、設計技術そして加工技術に関する知識が不可欠である。特に、個々の部品に要求される品質や精度を達成するには、加工に関する知識はもちろん、部品の生産計画から実行、管理、生産現場のデータ収集による生産のフィードバックまで、生産に関する総合的な知識が求められる。本科目では実際の加工現場で使用されている各種工作機械の機能や構造、生産ライン、セル生産など、産業界で使われている製造方法について学習する。さらに、基礎的な生産加工技術と部品に要求される精度を効率よく達成するための加工方法の選定技術を身につける。また、工程設計などの製作に関する演習課題を行うことにより、加工技術や選定技術の理解を深める。
行動目標●具体的な部品を例に取り上げ、それを工作機械で実際の形にするためのプロセスを計画・立案することができる。各種工作機械の機能や構造を理解できる。基本的な加工法とその内容が理解できる。要求された精度を満たすための合理的な加工法が選択できる。要求される精度を検証するための測定法を理解できる。 -
E031 機械工学専門実験・演習A
本科目では、力学系、並びに材料科学や成形加工とその応用を中心とする専門科目で学習した理論や手法を実践的に学び、より深い理解力と応用力を身につけることを目標とする。さらに、実験方法や実験レポートの書き方を学び、実験内容・実験結果・考察などのまとめ、発表する方法についても学習する。
行動目標●実験結果を整理し、第三者に内容や課題を説明できる。専門科目などで得た知識に基づいて主体的に実験を実施できる。専門科目などで得た知識に基づいて実験結果を整理・考察することができる。実験結果を専門知識に基づいて解釈し評価できる。現象をモデル化できる場合、それらと実験結果を対比できる。実験結果をレポートとしてまとめ、説明できる。 -
E032 機械工学専門実験・演習B
本科目では、機械加工学、生産システム、内燃機関、そして制御工学とその応用を中心とする専門科目で学習した理論や手法を実践的に学び、より深い理解力と応用力を身につけることを目標とする。さらに、実験方法や実験レポートの書き方を学び、実験内容・実験結果・考察などのまとめ、発表する方法についても学習する。
行動目標●実験結果を整理し、第三者に内容や課題を説明できる。専門科目などで得た知識に基づいて主体的に実験を実施できる。専門科目などで得た知識に基づいて実験結果を整理・考察することができる。実験結果を専門知識に基づいて解釈し評価できる。現象をモデル化できる場合、それらと実験結果を対比できる。実験結果をレポートとしてまとめ、説明できる。 -
E901 専門ゼミ
機械工学分野に関するプロジェクトデザインIIIの課題について提案し、これまでに修得した知識・技術を用いて、その課題を解決するための方法を検討することができる。これにより、技術者としての総合的な能力を活用する基盤を築くことができる。
行動目標●プロジェクトに対する目標や行動計画を明確にすることができる。プロジェクトで取り扱う問題を論理的に理解でき、これをベースにプロジェクトの実施計画を作成できる。プロジェクトに関連する専門分野の論文を特定でき、これを収集し、プロジェクト活動に役立てることができる。実験・研究を安全に行うための安全管理指針を理解し、安全な実験方法の立案や実験手順の改善などに役立てることができる。将来の進路を展望し、自ら進むべき方向を決定できる。 -
E911 イノベーション基礎
社会情勢や自然環境が大きく変化する現代において、未来を展望する技術革新や構造改革が望まれている。本学では「深遠な技術革新」を建学の綱領に掲げ、技術や仕組みを開発・統合して、これまでのモノやシステムに対して新たな価値を創出し、社会に貢献できる人材の育成を目指している。そのため、この科目では、顧客のニーズを捉えて、イノベーションを生み出すための基礎力を養うことを目的とする。
行動目標●顧客の立場で重要なニーズを抽出できる。NABC(Needs-Approach-Benefits per cost-Competition)を鑑みて価値を創出できる。異なる立場から価値を評価できる。個人学習とグループ学習に積極的に取り組むことができる。 -
E921 プロジェクトデザインIII
これまで機械工学科で学んできた基礎的学力をベースに、社会的に有用で高品質な製品群を研究、開発、設計、製造するために必要とされる技術対応と新たなメカニズムの創出を目的として、機械工学関連分野での問題発見・解決が自らの手で行えるような能力を修得する。
行動目標●プロジェクトテーマに対して工学設計過程に基づいて行動できる。創出した成果を文章として正しくまとめ、発表を通して内容を議論できる。その他、別途提示された項目について、主体的に行動できる。 -
E941 進路セミナー I
自身の将来の進路、技術者としての職業観の形成を図るとともに、自身に適した進学・就職の目標を設定すること、およびその目標を達成するために必要な準備・対策に自主的かつ意欲的に取り組むことを目的とする。主な課題は、自己分析とキャリアデザイン、進路担当教員による講義などを通して進路選択、職業に対する意識向上を図り、自身に適した進路の在り方を探究する。資格取得、一般常識、SPIなど、準備・対策に比較的長期間を要する課題に計画を立てて着手する。
行動目標●人生設計と進路との関係を自ら深く考察できる。自身にとって適性となる進路を発掘すべく、それに必要な思考や行動ができる。進路の目標の設定とその達成に必要な知識、能力、素養、資格などを調査し、自ら準備・対応ができる。進学・就職など自身の進路に関する方針や目標を、第三者が理解できるよう論理的に説明できる。 -
E951 進路セミナーII
進学・就職の目標を明確にするとともに、その目標を実現するために、自己発掘と自己啓発による人間形成と自己向上を図ることを目的とする。主な課題は次の2つである。①進路担当教員や企業技術者の講演、本学OBによる体験談講話などを通して進学研究や企業研究などを行い、キャリアプランや職業観の目標を明確にするとともに、自ら進学・就職の進路決定や能力・適性に応じた職種や企業の選択ができるようにする。②進学および志望する職種、企業で要求される適性、学力、素養を調査・研究し、その対策・準備として、自ら一層の向上を目指す。
行動目標●進路選択から決定までの活動プロセスを説明できる。進学・就職活動に必要な情報を収集・分析・活用して、自主的・積極的に活動できる。進学および志望する職種や企業で要求される適性、学力・素養などの内容・水準を研究できる。