カリキュラムガイド 一覧
[2] 学部のカリキュラム
基礎教育部 > 数理・データサイエンス・AI教育課程
教育目標
「自ら考え行動する技術者」に必要な数理系の基礎学力の向上と専門課程へのスムーズな接続を図るため、専門課程において求められる数理基礎(数学、物理、化学、生物)とその工学系、理工学系、情報学系に関わる応用、及び社会に浸透し始めたAI・データサイエンスの基礎を学び、それらの知識を取り込む力、思考・推論・創造する力を身につける。さらに、学習に取り組む姿勢を能動化させ、学習意欲をより一層喚起させることにより、予習・復習を主とした自学自習などの学びに向かう力や自己管理能力を養い、学び合いとコミュニケーションを通じて、課題解決能力を持つ人材を育成する。
カリキュラムフロー
キーワード
- 数理基礎能力
- 論理的思考力
- 学びに向かう力
- 自己管理能力
- 課題解決力
- 専門課程との接続
数理・データサイエンス・AI教育課程 科目概要
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G153 線形代数学
線形代数は、「まっすぐな対象」を統一的に扱う分野であり、理学・工学、データサイエンスなど、さまざまな分野において必要不可欠な学問である。本科目では、線形代数の基礎を学習する。ベクトルの演算や行列の計算、連立1次方程式の解法、1次変換、行列式などの学習を通して、多次元の対象を代数的に扱える能力を養い、専門分野へ応用できる力を養う。
行動目標●ベクトルを理解し、その演算に習熟し応用することができる。行列の意味を理解し、行列を用いて計算することができる。連立1次方程式を「掃き出し法」を用いて解くことができる。1次変換を理解し、それを行列で表現することができる。行列式の性質を理解し、それを用いて行列式を計算することができる。余因子を用いて逆行列を求めることができる。行列の固有値、固有ベクトルを求めることができる。毎回の講義に出席し、講義内容の理解に努め、演習や宿題をやり遂げることができる。 -
G154 情報のための数学Ⅰ
本科目では情報数理の基礎となる数学を学ぶ。コンピュータにおける数や論理の取り扱いを学習する。具体的には2進数などn進法の基礎、集合の基礎、論理代数(ブール代数)の基礎およびその論理をコンピュータ内で実現するための論理回路の基礎について学ぶ。
行動目標●10進数からn進数表示への基数変換や、2進数の四則演算ができる。集合の概念が理解でき、論理演算ができる。コンピュータ内での数や論理の表し方が理解できる。毎回の授業に出席し、授業内容の理解に努めて、レポート・宿題をやり遂げることができる。 -
G155 情報のための数学Ⅱ
本科目では情報数理の基礎となる数学を学ぶ。確率の基礎、Excelの基本操作の学習と、得られたデータに対してExcelを用いた記述統計の基礎を学習し、ヒストグラムや相関図の作成を行う。
行動目標●確率、条件付き確率、ベイズの定理が理解できる。基本的な記述統計処理、Excel等を利用したデータの統計処理ができる。毎回の授業に出席し、授業内容の理解に努めて、レポート・宿題をやり遂げることができる。 -
G203 技術者のための数理Ⅰ
理系学問の土台となる数学である、関数に関する知識を定着させる科目である。関数と関数のグラフ、グラフの移動、極限値、漸近線といった一般的な項目を学んだうえで、関数と逆関数の関係、無理関数、指数関数、対数関数、三角関数などの様々な関数とそれらのグラフの概形について学ぶ。レポート課題では、これらの学習項目の専門学科における応用例に、数学からのアプローチで取り組む。
行動目標●関数の概念を理解し、基本的な関数のグラフを描くことができる。有理関数、無理関数、指数関数、対数関数、三角関数について理解し、それらを用いて計算することができる。毎回の講義に出席し、講義内容の理解に努め、提示された課題をやり遂げることができる。 -
G204 技術者のための数理Ⅱ
理系学問の土台となる数学である、技術者のための数理Ⅰで学んだ関数の微積分法に関する知識を定着させる科目である。変化率、微分法の概念、様々な関数の微分法、積・商・合成関数の微分法、逆関数の微分法、原始関数、定積分とその性質、様々な関数の積分法について学ぶ。レポート課題では、これらの学習項目の専門学科における応用例に、数学からのアプローチで取り組む。
行動目標●微分法の考え方を理解し、基本的な関数の導関数を求めることができる。不定積分を理解し、いろいろな関数の定積分や不定積分の計算ができる。毎回の講義に出席し、講義内容の理解に努め、提示された課題をやり遂げることができる。 -
G160 技術者のための数理Ⅲ
技術者のための数理Ⅰ・Ⅱで学んだ、理系学問の土台となる基本的な関数やその微積分法について復習しながら、関数の連続性、パラメータ表示された関数とその微分法、対数微分法、高次導関数や関数の増減と極値、部分積分法、置換積分法、図形の面積について詳しく学ぶ。レポート課題では、これらの学習項目の専門学科における応用例に、数学からのアプローチで取り組む。
行動目標●関数の概念や微積分法の考え方を理解し、パラメータ表示された関数の微分法、対数微分法、置換積分法や部分積分法を用いた積分の計算ができる。関数の連続性や増減と極値を理解し、基本的な関数のグラフを描くことができる。毎回の講義に出席し、講義内容の理解に努め、提示された課題をやり遂げることができる。 -
G209 環境系数理
構造力学、土質力学、流体力学、材料学、測量学および環境学などに関する課題に取り組むことによって、これらの科目を履修するために必要な関数や微分積分、統計などの数学的知識を身につける。この取り組みによって、環境土木工学の問題解決にあたり、基礎数学の知識の重要性を理解するとともに、さまざまな問題に数学的知識を適用できるようになる。
行動目標●指数関数・対数関数・三角関数や微分・積分の数学的知識を環境・土木の問題に活用できる。記述統計処理の数学的意味を理解し環境・土木に関わる実験データ解析のための基礎を学ぶことができる。毎回の講義に出席し、講義内容の理解に努めて、エクセルを用いたデータ処理やレポート作成などをやり遂げることができる。 -
G214 情報数理A
自然現象や社会現象の中には、基礎情報数理で学んだ関数を用いて表現できるものがいろいろある。本科目では、数列の諸性質や極限の概念を学び、微分係数や導関数の概念を学習する。さらに、さまざまな微分の定理に習熟することにより、いろいろな関数の値の変化を調べることができる。さらに、微分の逆演算としての不定積分およびリーマン和の極限としての定積分を理解し、置換積分法や部分積分法などの手法を習得するとともに面積計算等の定積分の応用にも取り組む。また、表計算ソフトExcelを用いた数理の解析も体験する。
行動目標●極限の概念を理解し、基本的な数列の極限を求めることができる。数列の和について学び、基本的な無限級数の和を求めることができる。数列の漸化式による定義を理解する。基本的な関数の導関数を求めることができる。基本的な関数の不定積分・定積分を計算することができる。毎回の講義に出席し、講義内容の理解に努め、提出された課題をやり遂げることができる。 -
G222 データサイエンス物理
身の回りの自然現象の理解に物理がどのように使われるかを学び、物理を用いて考えることができる論理的思考力を養成することは、その後の専門科目の学びにおいて重要である。また実際の測定データを解析し、解釈することで帰納的に未知の事象を推論することは,データサイエンスで重要なスキルである。本科目では、簡単な物体の運動に関する知識を前提とし、ベクトル、微分・積分を用いて、質点や剛体の運動方程式、仕事やエネルギーなどの物理学の基礎を学ぶ。学んだ知識を応用し、論理的思考とデータ解析を通して自然現象の背景にある物理を洞察する能力を養成することを目標とする。
行動目標●運動方程式を理解し、運動方程式を立てて解くことができる。仕事を理解し、積分を用いて仕事の計算ができる。仕事とエネルギーの関係を理解し、積分を用いてポテンシャルエネルギーの計算ができる。剛体の運動方程式を立てて解くことにより剛体の運動を数式で表すことができる。基本的な専門用語および簡単な物理現象の英語表現を理解することができる。予習をしたうえで毎回の授業に出席し、授業内容の理解に努め、取り組むべき課題をやり遂げ、グループ活動にも積極的に参加することができる。 -
G224 技術者のための統計
この科目では、工学において偶然性を伴う現象を解析する場合に必要となる統計的な処理について学習する。偶然性を伴う現象は確率や確率変数を用いて表現できる。観察や実験で得られたデータの整理を通じて、確率変数や確率分布の概念を理解する。また、代表的な確率分布である正規分布、カイ二乗分布、t分布、F分布の数表の使用に習熟する。さらに、母集団や標本分布について学び、それらを用いて母数の推定・検定ができるようになる。
行動目標●調査や実験で得られたデータを、度数分布表やグラフなどで整理し、平均値、分散、相関係数などを求めることができる。確率変数の概念が理解でき、簡単な確率変数の期待値や分散を求めることができる。基本的な確率分布である二項分布、正規分布が理解でき、確率の計算ができる。推定・検定で必要な標本分布であるカイ二乗分布、t分布、F分布が理解でき、確率の計算ができる。標本分布を用いて母平均、母分散、母比率の推定・検定ができる。毎回の講義に出席し、与えられた課題に取り組み、講義内容の理解に努めることができる。 -
G225 アドバンスト数理A
工学における様々な問題は、多変数関数で表現されモデル化されることが多い。本科目では多変数関数微分積分学における偏微分と重積分について学ぶ。偏微分については、第1次、第2次偏導関数を求めることと、合成関数の偏導関数を求めることについて学習する。さらにその応用として、2変数関数の極値問題について学習する。重積分については、累次積分による計算方法を学び、さらに変数変換を用いた効果的な計算法を習得していろいろな重積分が計算できるようにする。
行動目標●偏微分係数、偏導関数の意味を理解し、微分公式などを用いて求めることができる。合成関数の偏導関数を求めることができる。2変数関数の極値を求めることができる。重積分の意味がわかり、累次積分により重積分の値を求めることができる。変数変換、特に極座標変換によって重積分の値を求めることができる。毎回の講義に出席し、与えられた課題に取り組み、講義内容の理解に努めることができる。 -
G226 アドバンスト数理B
技術者として重要なツールである1階の常微分方程式、2階の線形微分方程式(同次、非同次)の解き方や幾何学的な考え方を学ぶとともに、MATLABのプログラミングにより、微分方程式で記述される現象を評価する能力を育成する。講義では、さまざまな現象を取り上げ、①分析対象となる現象を数学モデル(微分方程式)で記述する方法、②数学モデルを具体的に解く手法、③解を求め、現象の変化のパターンや変動の速さ、収束値などを解釈する方法、④解曲線、方向場により現象を幾何学的に考える方法、⑤最適設計問題などの応用プロジェクトを実施する方法を学習する。
行動目標●分析対象となる現象から1階の常微分方程式を構成でき、解を求めることができる。現象から2階の線形微分方程式(同次、非同次)を構成でき、解を求めることができる。現象から連立線形微分方程式を構成でき、解を求めることができる。微分方程式から得た解から、現象の変動パターンや変化の速さ、収束値などを総合的に評価できるとともに、現象を幾何学的に考えることができる。MATLABにより微分方程式で記述される現象を評価することができる。毎回の講義に出席し、講義内容を理解し、レポート課題をやり遂げることができる。 -
G240 AI基礎
人工知能:AIに関する学修の序論として,基本的機能や活用例を,アクティブラーニングをとおして体験し,最先端技術について,さまざまな基本的実例をとおして学ぶ。AIの飛躍的発達により,科学・医療研究の新手法や先端的新技術が創出されつつある。AI基礎においては,このようなサイエンス・テクノロジーの新しいパラダイムに対応できる素地を涵養するため,AIの歴史,AI独自の画像認識,文章カテゴリー化と自動分類,対話型音声識別などを,初年次学生にも親しみやすい方法で学習する。さらに,初等的なデータ構成をとおして,単なるプログラミングと機械学習の違いについて学び,AIの本質とは何かについて学生同士での議論を行う。この考察によって,工学,建築,情報,バイオ・化学分野で行動する技術者として,AIに対する学習意欲を惹起し,この後に続く,PDや専門教育においてAIを活用しようとする学修態度を養成する。
行動目標●1.コンピュータとAIの違いについて実例をあげて説明できる。2.AIの初等的活用例についてアクティブラーニングをとおして学び,AI基本的特性を理解する。3.AIがどのような性能を持つか実例を挙げて説明できる。 -
G241 データサイエンス基礎Ⅰ
データサイエンスに関する基礎的学修の第1段階として,データ集積の基本手法,データ解析の基本概念,解析に用いるソフトウェアの操作をアクティブラーニングを通して学ぶ。データサイエンスは,科学・工学における重要な分野であり,超スマート社会Society 5.0を実現するためにはデータの活用が不可欠であることや現代社会においてビックデータを活用した知見の活用が重要視されている中で,益々その必要性が高まっている。データサイエンス基礎Ⅰにおいては,このようなサイエンス・テクノロジーの新しいパラダイムに対応できる基礎を身につけるため,データ集計の各種の手法や回帰分析の二つを初年次学生にも親しみやすい方法で学習する。また,工学、建築、情報、バイオ・化学の各分野におけるデータサイエンスの具体的活用例に関する知見を得ることにより,データサイエンスに対する学習意欲を惹起し,この後に続く,データサイエンスⅡへつながる学修態度を養成する。
行動目標●1.データの集積の基本的手法を倫理的問題にも配慮しながら具体的に説明できる。2.データ集積,データ解析の基本的活用例についてアクティブラーニングをとおして学び,基本的活用法を理解する。3.データサイエンスがどのように活用されているか実例を挙げて説明できる。 -
G242 データサイエンス基礎Ⅱ
データサイエンスに関する基礎的学修の第2段階として,データサイエンスⅠで学修したデータ集積の基本的手法,データ解析の基本概念,解析に用いるソフトウェアの操作をふまえ,やや進んだデータ解析の手法について,アクティブラーニングを通して学ぶ。これにより,超スマート社会Society 5.0を実現するためのデータの活用や現代社会において必要とされるビックデータを活用した知見の重要性に対応できる基礎的学修力を涵養する。データサイエンス基礎Ⅱにおいては,サイエンス・テクノロジーの新しいパラダイムに対応できる基礎学修をより深めるため,クラスター分析,決定木分析,(人工)ニューラルネットワークの三つの手法を講義と演習を通して学習する。また,これらの手法の工学、建築、情報、バイオ・化学の各分野における具体的活用例に関する知見を得ることにより,この後に続く,PDや専門教育においてデータサイエンスを活用しようとする学修態度を養成する。
行動目標● 1.データ解析の手法の重要性を具体的に説明できる。2.データ解析の進んだ手法についてアクティブラーニングをとおして学び,基本的活用法を理解する。3.各分野でデータサイエンスがどのように活用されているか実例を挙げて説明できる。