平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

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KITトピックス/活動報告(平成29年度)

Toiroプロジェクト 建築デザイン学科2年 橘亮汰 建築デザイン学科2年 北村美乃里 建築学科2年 野村祐太
地域の中で実践的な建築活動を展開

プロジェクトの活動について発表します。建築デザイン学科の橘です。よろしくお願いします。
私たちはさまざまな建築に関する活動を、地域へ出て実践的に行うプロジェクトです。家具づくりや空間づくり、地域デザインなど幅広い建築分野で、自分たちの「やりたいこと」を提案し、地域の「やって欲しいこと」に結び付けることで、建築の多様な形を追求することを目的としています。
プロジェクトは1~3年生が中心となって活動し、4年生と大学院生にはアドバイザーとして関わってもらっています。

私たちが取り組んできた主な活動についてご紹介します。
まず年度初めに1、2年生が、メインの活動場所であるスタジオに設置する家具づくりを行っています。問題発見から解決までの一連のプロセスを学ぶことを目的に、グループを作って家具のデザインコンペを行います。今年度は工具と材料を入れる資材置きの棚を作りました。

活動場所用にデザイン・製作した家具

野々市市の依頼で、毎年秋に情報交流館カメリアで開催される「カメリアまつり」の空間づくりを手掛けています。子どもたちに普段とは違った空間を味わってもらうことを目的に、光の演出や遊べる要素を取り入れた空間づくりを行っています。今年度は「光る森」をテーマに、「組み合わせる」「はめる」「たたく」「投げる」楽しさを感じられる空間を演出しました。

空間演出した「カメリアまつり」

「カメリアキッズ」は同じ野々市市の情報交流館カメリアで開催している、子ども向けのワークショップです。今年度は子どもたちに好きな模様を描いてもらい、その模様をにじませることで、色の重なりや配色の美しさを学んでもらうことを目的にしました。子どもたちが作った作品は「カメリアまつり」で展示し、子どもたちの作品を取り込んでライトアップすることで、空間にさらなる彩りを加えました。

子どもたちの作品とワークショップの様子

イベントの運営や空間づくりで活躍

発表者替わりまして、建築デザイン学科2年の北村が発表させていただきます。
「カメリアクリスマス」は、「カメリアキッズ」と同様のワークショップです。1年生が主体となって、子ども向けワークショップの企画・運営などを学んでいます。こちらでは子どもたちの自由な発想で、子どもたちの個性が出るような作品づくりのアイデアを考えます。今年度はスノードームを制作し、約150人の子どもたちに参加してもらうことができました。

「カメリアクリスマス」の様子

野々市市に新しくできた生涯学習施設「ののいちカレード」から、来館者にクリスマスを楽しんでもらえる展示をしてほしいとの依頼を受けて行った活動です。「カメリアまつり」で使用した作品を再利用し、クリスマスを意識した新たな空間づくりを行いました。子どもたちに新しい施設を楽しんでもらいながら、子どもたちとの交流も積極的に行いました。

「ののいちカレード」での空間づくり

こちらは絹川商事のご協力で「DIY rooms」と題して行ったアパートの空き部屋のリノベーションです。こちらは大学院生の先輩が入居する予定だったので、施主となる先輩の要望に合ったテーマを設定して、企画・提案・施工を行いました。一番右の画像が入居後の部屋の様子です。

リノベーションした大学院生の部屋

毎年恒例の夏合宿は、今年度は石川県羽咋市の山海邸で行いました。プロジェクト内で交流を深めるだけでなく、山海邸のある草木地区の住民の皆さんとも交流し、山海邸の改修も行いました。

夏合宿の活動風景

「DIY furniture」は、外部からの依頼で家具を制作する活動です。写真は建築デザイン学科の山田圭二郎先生から、研究室に置く棚を作ってほしいとの依頼を受けて、提案からデザイン、施工までを手掛けたものです。この活動では、ほかにも部屋の間仕切り壁やごみ箱など、さまざまなものを制作しています。

研究室に提供したオリジナル家具

こちらは加賀市にある農業体験型の宿泊施設「黒崎BASE」の運営団体と協力して行った活動です。農業体験施設の活性化を目的として、宿泊者のためのアミューズメント施設にするためのプチリノベーションをお手伝いしました。

改修した「黒崎BASE」と作業の様子

多彩な活動で学生の知識や見識も成長

発表者替わりまして、建築学科の野村が発表させていただきます。
これは「CoCol」という団体から、空き倉庫を事務所兼作業場に改装するリノベーションの依頼を受けたものです。子どもも活動する空間であったため、大人と子どもの双方が安全に使えるデザインを目指して、家具のデザインの提案と施工を行いました。

空き倉庫改装後のイメージと実際の現場

続いて「富奥プロジェクト」です。野々市市富奥地区の食の魅力を発信する「TOMICHE」というマルシェイベントの企画・運営を手掛けました。会場の空間デザインや施工に至るまでのすべてを担当し、富奥地区の住民の方々や翠星高校の生徒など、さまざまな団体と協力しました。

「TOMICHE」の様子

最後にこちらも絹川商事のご協力によるアパートのリノベーション企画です。古くなったアパート6部屋のリフォームとリノベーションを行いました。金沢工業大学の男子学生をターゲットに、各部屋を3つのテーマに分けて、それぞれのテーマに沿った部屋づくりに取り組みました。

フォーム・リノベーションした6部屋

活動のまとめとしては、プロジェクトとして取り組む企画の数が増えたことで、活動の幅が広がり、地域の方々と関わりを持つ機会も多くなって、プロジェクトの運営体制を安定させることができました。建築がメインではない企画にも数多く参加しており、個人の趣味の延長のような活動から地域や企業との連携活動まで多彩な内容を通じて、個々のメンバーの見識や建築の知識も育まれたように思います。
今後の活動としては、アパートのほかに店舗などのリノベーションも行っていきたいと考えています。個人からの依頼による家具づくりなどにも取り組んでいきたいです。現在の作業場は手狭になってきており、新しい活動場所を提供してくださるパートナー企業からのお声かけをお待ちしています。これで発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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