平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

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KITトピックス/活動報告(平成29年度)

メディアデザインプロジェクト メディア情報学科4年 山本淳平 メディア情報学科3年 池村治那
夜の街を彩る光と映像のイベントを開催

それでは発表を始めさせていただきます。最初の発表者はメディア情報学科4年、山本です。よろしくお願いします。

「メディアデザインプロジェクト」では金沢市からの委託事業として、「夜のにぎわい創出事業」と「夜のまちなか回遊性創出事業」の運営に取り組んできました。「夜のにぎわい創出事業」では、5年間にわたって金沢駅もてなしドーム「鼓門」をプロジェクションマッピングで彩る『金澤月見ゲート』の映像と演出を手掛けました。「夜のまちなか回遊性創出事業」では、金沢市内のライトアップスポットをまわるラリー企画を3年間にわたって開催させていただきました。


2種類のプロジェクションマッピングを制作

「夜のにぎわい創出事業」でのプロジェクションマッピングは、「鑑賞型」と「参加型」の2種類で実施し、それぞれ年度ごとに設定したテーマに沿って映像を制作しました。
「鑑賞型」は、今年度は「伝承」のコンセプトテーマで制作しました。これが実際のプロジェクションマッピングの様子です。

イベントでの「鑑賞型」の映像

鼓門の複雑な形状にマッチする映像を追求し、屋根の部分と柱の部分の2つの映像の動きを同期することで、従来よりもダイナミックな表現を形にすることができました。映像と一緒に流れる音楽も、プロジェクトの学生が制作しています。テーマである「伝承」に合わせて、伝統工芸や伝統芸能などをリアルに表現するために3DCGを活用しています。

続いて「参加型」は、インタラクティブ技術を用いて、その場の参加者たちによる動作に従って映像を変化させることで、参加者と一緒に作り上げるプロジェクションマッピングと定義しています。今年度のテーマは、「鼓動」としました。当日の実際の映像をご覧いただくと、参加者の皆さんの手拍子の音に反応して、映像が動いている様子がお分かりいただけると思います。参加者の手拍子の感知や躍動感のあるモーションなどにはプログラム技術を用いて、リアルタイムで反応する映像を実現しています。

イベントでの「参加型」の映像

これらプロジェクションマッピングの開発に際して、私たちが実際に鼓門に映像を投影して実験できる機会は限られていました。そこで映像を効率的に開発するためのVRシミュレーションの環境も開発しました。鼓門の3DCGモデルをPC内に構築し、あらゆる角度から見られるようにしたことで、現地を直接訪れなくても、場所による映像の見え方や投影した際の歪みなどを確認することができました。

来場者の好評を受けて、イベント継続

次に「夜のまちなか回遊性創出事業」についてご説明します。金沢の夜のライトアップスポットをつなぎ、町歩きの楽しさを創出する事業です。こちらも年度ごとにテーマを設定してラリーイベントを開催しており、今年度のテーマは「金澤 光と音巡り」としました。1年生のメンバーが中心となって企画し、3年生のサポートを受けながら開発・運営に取り組んで、データ通信技術と光のオブジェを用いた映像演出を成功させました。




これらの活動に対しては、過去に「日本空間デザイン賞」や「INTERNATIONAL STUDENTS CREATIVE AWARD」などで賞を受けたほか、来場者の方々からも「映像と音の同期が気持ちよかった」や「楽しく参加できた」との好意的な感想を数多くいただきました。『金澤月見ゲート』の開催期間中は2日間で約15,000人もの皆さんにご来場いただき、金沢市からのご支援を受けて、5年間にわたってイベントを続けることができました。金沢市民や金沢を訪れた観光客の皆さんに応援していただいたおかげだと考えております。

空間全体の演出へ。映像表現の進化に挑戦

発表者替わりまして、メディア情報学科3年の池村です。

これらの活動に対する評価を受けて、2017年7月の『白山開山1300年記念事業』においては、福井県勝山市の平泉寺白山神社でプロジェクションマッピングのイベントを手掛けさせていただきました。鹿島建設にご協賛いただき、プロミュージシャンの姫神さんの音楽に合わせた映像表現に取り組みました。
今年度のプロジェクトに参加した学生からは、「大々的なイベントに向けて責任感を持って取り組んだことで、技術的にも成長できた」や「チーム活動の中でもメンバー一人ひとりが目標を立てて制作できた」など、自分の成長を実感し、大きなイベントをやり遂げる達成感が味わえたことを喜ぶ声が聞かれました。

今後の目標としては、「鑑賞型」と「参加型」のプロジェクションマッピングに、スマートフォンのデバイスを活用したラリー企画の要素を組み合わせて、新たなメディア空間の演出に挑戦したいと考えています。それに伴って、来年度の『金澤月見ゲート』のコンセプトイメージをこのように決定しました。鼓門だけでなく、ラリーで使用した光のオブジェなども活用して、空間全体の演出に取り組んでいきます。


新しい技術を駆使して新しい表現を追求してきた経験を生かして、来年度もメディアのさらなる最先端技術で金沢駅鼓門を中心とした街の活性化に取り組んでいきたいと考えています。これで発表を終わります。ご清聴いただいて、ありがとうございました。

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