平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

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KITトピックス/活動報告(平成29年度)

IT利用デザイン協創プロジェクト システム設計工学専攻2年 吉川桂太郎 メディア情報学科4年 山口貴大
感性と技術で新たなモノを協創する

これから発表を始めたいと思います。システム設計工学専攻の吉川桂太郎です。
初めにイノベーションの変化についてお話ししたいと思います。20世紀は世の中のモノがどんどん良くなっていった時代です。既存のモノを改良・改善すれば、売れるモノを作り出せた時代でした。しかし20世紀末には、その流れにも限界が見えてきて、研究開発の現場では、既存のモノをうまく組み合わせて、新しいモノを作り出す考え方が評価されるようになってきました。

こうした時代にあっては、クリエイティブな人材、いわゆる21世紀型の技術者が必要とされます。新しいデザインと新しい機能、新しい感性と新しい技術をそれぞれ組み合わせるモノづくりこそが、今の時代に求められる創造性だと感じます。
そこで本プロジェクトは、IT製品やサービスの利用方法について、学生の感性と企業の技術を組み合わせて、新しいモノを生み出すことを目的としています。活動を通じて、学生は企業の技術に触れ、企業は学生の感性に触れることができます。




本プロジェクトは平成27~29年度にかけて、次のような内容で活動してきました。まず、ユーザー(学生)のニーズと企業の技術シーズのマッチングに取り組みました。次に、企業からの技術紹介に対して、学生から技術利用に関する提案をして、その提案に対する企業からのフィードバック評価をいただきました。正課活動では、多数の一般学生からニーズを提案してもらったり、課外活動では、学生による試作品の提案や地域での子ども向け教育イベントを実施してきました。

子ども向けのIT教育イベントを開催

今年度はオープンセミナーを開催したほか、2017年9月30日に野々市市で開かれた「カメリアまつり」と、10月15日に金沢市で行われた「石川の技能まつり モノづくりトライアル」の2つの地域イベントに参加しました。ここでは「いろとプログラミングを楽しもう」と題して、子ども向けのプログラミング教育のイベントを開催し、学生が開発したデジタルコンテンツを通じて、プログラミングの面白さを子どもたちに伝える内容を展開しました。


イベントの詳細についてご紹介します。プロジェクトの学生たちは自らの研究内容を子ども向けにアレンジして、子どもたちにプログラミングを楽しんでもらえるコンテンツを出展しました。


「カードでおえかきをしよう」は、Webカメラに向かって、色のついたカードを上げると、色の種類によって画像の中にスタンプがポンポンと押され、イラストを描くことができます。「きみだけのせかいをつくろう」は、マウスカーソルに追従する海の中の魚のイラストが、プログラムを少し変えるだけで、草原の中のバッタに変化する楽しさを味わってもらいました。

「めのふしぎこーなー」は、CG画像で目の錯覚を体験できるプログラムです。「いろのクイズコーナー」は、色のRGB(赤、緑、青)を操作することで、動画全体の色をさまざまに変えられることを学んでもらいました。
「プログラミングをしよう!」では、イラストを描くための簡単なプログラムを作成できました。さまざまなコンテンツによって、子どもたちにプログラミングの魅力を分かりやすく紹介できたと思います。

子どもたちからコンテンツに高評価

発表者替わりまして、メディア情報学科4年の山口貴大です。よろしくお願いします。
これらのコンテンツについて、「石川の技能まつり」の会場で、小中学生20人にアンケートして、それぞれ5段階評価をしていただきました。「楽しかったか?」の項目では、どのコンテンツも非常に高い評価を得られ、学生のコンテンツが子どもたちに楽しんでもらえたことが分かりました。「勉強になったか?」の項目では、少し評価が落ちてしまったので、次回は学び心をより刺激する内容を目指したいところです。

イベントに参加したプロジェクト学生に対してもアンケート調査を行いました。今回の活動における「楽しさ」「やりがい」「頑張り度」「難易度」「研究促進」の各項目について、こちらも5段階で評価してもらいました。子ども向けの内容を考えなければならなかったため、多少難易度の高さを感じたものの、楽しくやりがいがあって研究促進につながったとの意見でまとまりました。




まとめとして、子どもたちから高評価を得たことから、こうした子ども向けコンテンツはプログラミング教育に有効であり、地域イベントにも活用できることが分かりました。学生が地域社会との連携を図り、こうしたイベントも研究活動の一環として取り組むことで、さらなる研究意欲の向上にもつながったと思います。
今後は活動内容をさらに発展させて、研究成果を地域教育の場で利用できないか検討し、研究室の技術シーズと地域のニーズのマッチングについても検証していきたいと思います。自治体や企業の皆様にも引き続きご協力をいただければ幸いです。以上で発表を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

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