平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

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KITトピックス/活動報告(平成27年度)

マーケティング調査に立脚した経営改善に基づく商店活性化プロジェクト―講習会と学生・商店主が協働する実践活動- 情報フロンティア学部 心理情報学科教授 神宮 英夫
授業の学びをプロジェクトで実践

まず初めに、このプロジェクトの基本的な考え方から説明させていただきます。大学において授業で学んだことを活かす実践・経験の場がないという問題があり、そういった問題を解消することを目的とした取組みになります。

次に、なるべく地域の方との協働のなかで学んでもらいたいということがあります。3つ目が学生主導で進めてほしいということです。以上の3点を基本的な考え方としております。3つ目の考え方については、当初、教員は黒子に徹するつもりでおりましたが、現実は難しく、かなり時間を割くことになりました。
プロジェクトの最終的な目的は地域の店舗の活性化です。ご存じのように、少子高齢化や大型店舗の進出によって、たとえば野々市市では人口は増えておりますが、商店街は衰弱しています。

このような地域の課題に私たちが商店の方と一緒に取り組み、学生が店舗に調査のノウハウを伝授したり、賑わい創出の提案を伝えることで、店舗の活性化につながれば思っております。
学生たちにとっては、実社会での経験、社会とのつながりを体験することで、授業での学びを実践的な知識に変えることができ、「教える」ことを通した学びも得ることができます。

将来的には調査会社の設立を視野に入れており、それが実現すれば学生と地域社会との継続的なコラボレーションも可能になります。現在、石川県だけでなく北陸においてもマーケティング調査会社が少なく、ぜひ実現を目指したいと思います。

マーケティング調査を実体験

こちらが平成26年度と27年度の2年間の活動実績をまとめたものです。

KIT-COC事業の概要

プロジェクトは、まずマーケティング調査講習会の開催に向けた準備から始めました。アンケート調査の手法に関する勉強会を行い、授業の復習をしながら必要なことを教えます。再学習を終えたら、東京の調査会社から講師を招聘し、「マーケティング調査とはどういうことなのか」をテーマとした講演会を開きました。
以上の活動であらかじめ学生のスキルを上げ、それから野々市市商工会議所のご協力で地元の店舗に参加いただき、学生を講師とした講習会を開催しました。
学生は自分達が講師となる一方で富山のマーケティング会社の研修会に参加し、マーケティング実践に備えました。

後学期になると、3店舗との協働で実際のマーケティング活動を始めました。この3店舗については、学生より要望があった店を選んでおります。
マーケティング活動では、16名の学生を3つの班に分け、それぞれ担当教員がサポートとしてつきます。学生たちは店舗に足を運び、何が問題なのかについて聞き取り調査を行い、問題に対する調査設計、実習、解析、改善策の提示までを体験しました。
ご協力いただいたのは、野々市市内のカレーショップ、ラーメン店、金沢市内の写真スタジオの3店舗です。学生がこの3店舗に対して行った提案をまとめたのがこちらです。

KIT-COC事業の概要

カレーショップは客のニーズやアクセスなどについての提案を、写真スタジオにはDMのポスター制作の提案、ラーメン店には知名度向上のための調査を行っています。
次にこちらが実際の授業とプロジェクトの関係をまとめたものです。

KIT-COC事業の概要

プロジェクトを通して学生の成長を実感

授業の中では、プロジェクトに参加している学生が他の学生に対してプレゼンテーションを行いました。また、グループごとにワークショップを行い、プロジェクトに参加していない学生も店舗が抱える問題を共有させ、「こんな調査もできるのではないか」という提案をさせました。
さらに、ある程度調査がまとまった段階で、その結果を授業で報告する機会を設け、最後にマーケティング調査の結果について、協働いただいた店舗および商工会議所に報告を行いました。
プロジェクトの効果については、開始時期と終了時期にアンケートを行った結果、分析力の伸びが高いことが分かりました。地域や企業の人とかかわることによって学生が成長できるということを表しています。

KIT-COC事業の概要

次年度以降も、どういった体制でプロジェクトを進めていくのかを検討し、ゆくゆくは調査会社の設立を目指したいと考えています。
授業への反映やサポート体制、教職員の力も必要ですし、いろいろと解決しなくてはならない課題はありますが、プロジェクトで得た成果をうまく授業にフィードバックし、より充実した内容にしたいと考えております。本日はありがとうございました。

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