平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

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KITトピックス/活動報告(平成26年度)

Cool Kanazawaコンテンツの創造とその科学的基盤作り メディア情報学科 教授 山田真司

プロジェクト概要

メンバー

プロジェクト代表者/情報フロンティア学部メディア情報学科 教授 山田真司
情報フロンティア学部心理情報学科 講師 渡邊信行
情報フロンティア学部メディア情報学科 講師 高野佐代子

参加者

学部1~3年生/63名
外部参加者数/約700名

内容
  1. ゲーム制作プロジェクト/(株)グランゼーラ社員2名の指導のでUnityおよびMayaを用いたゲームを制作。学生66人が参加
  2. コンテンツ制作のための科学的基盤に関する研究/山田、渡邊、高野研究室の修論、 PDⅢ、専門ゼミ学生のうち32名+1、2年生5名=36名が参加
  3. 2度の公開フォーラムの開催

活動報告

クール・カナザワモデルを発信

プロジェクト名の「Cool」には「かっこいい」という意味があります。Cool Kanazawaはお聞きになったことのなくても、Cool Japanという言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
これまで、アニメやTVゲーム、マンガは日本のサブカルチャーとして位置付けられてきました。最近は、経済産業省がクール・ジャパン推進事業を展開し、輸出産業として力を入れています。では、クール・ジャパンコンテンツは誰がつくっているのでしょうか。もちろん制作者ですが、その人たちは経験とカンに基づいており、科学的基盤がないのが現状です。そこで、「コンテンツ制作に対し科学的な設定ができませんか」というのがクール・ジャパンコンテンツ制作の目標です。これまでの事例では、福岡市でゲーム会社、大学、行政が連携した例がありますが、お年寄りのリハビリへの応用や人材育成サポートが中心で、本学が目指すものとは異なります。
クール・ジャパンコンテンツ制作において、本学を中心に北陸地域のコンテンツ制作会社、関連企業、自治体がコラボし、クールジャパンコンテンツ制作のための科学的基盤作りを生かしたコンテンツを制作、それをクール・カナザワモデルとして展開しましょうというのがプロジェクトの趣旨です。
事業は大きく3つから成ります。その一つ目がゲーム制作プロジェクトです。こちらは金沢のゲーム制作会社「(株)グランゼーラ」の2名の技術者に指導いただき、ゲームを制作。現在66名の学生が参加しています。
次がコンテンツ制作に対する科学的基盤に関する研究であり、メンバーである教授・講師の研究室の修論、プロジェクトデザインⅢ、専門ゼミ学生のうち、36名が取り組んでいます。最後が公開フォーラムの実施で、今年度は2度行いました。


大成功のうちに終了した公開フォーラム
ゆるキャラをテーマに研究

研究テーマとしては「ゆるキャラ」の印象評定、萌えるキャラクターの顔デザインの研究など、多くのテーマに取り組みました。
ゆるキャラの研究というと、曖昧なように思われますが、実際にはかなり科学的に行います。具体的には、「ゆるキャラグランプリ」に出場したゆるキャラの中から58体を選び、人気が高いキャラと低いキャラではなにが違うのかを科学的に研究しました。その結果、因子分析から「親しみやすさが強くないとグランプリ上位になれない」ということが判明しました。さらに、親しみやすいキャラはどういったものなのかについても、印象布置を用いて検証しました。制作側がこのような意識を持つ=「学生がこのような科学的根拠を踏まえてキャラをつくる」ことが大事だと考えています。


ゆるキャラの印象評定実験結果
公開フォーラムの実施

昨年11月30日に「人の歌声・機械の歌声」と題した公開フォーラムを行いました。歌声合成の第一人者である剣持秀紀氏(ヤマハVocaloid開発者)、金沢大学の齋藤毅氏(歌声の音響研究)、京都市芸大の津崎実氏(音楽心理学)と私で公開パネルディスカッションを行い、134名の地域住民・学生が参加しました。こちらがその時に学生がつくった科学的根拠に基づいてつくられたポスターです。
今年2月28日には、2回目の公開フォーラムとして「ホクリク・エンタメフェスタ2015」を開催しました。本学の6号館で行われたフォーラムでは、33の企業・団体によるマーケット、展示、即売会、講演、パネルディスカッション、研究成果のポスター発表などが行われ、多くの参加者がありました。このフォーラムでは本学の学生が制作したアニメのDVDが30枚ほど売れ、非常に喜んでおりました。 コンテンツに関する研究成果のポスター発表では、500名前後もの方々に来場いただくことができ、成功のうちに終えました。
フォーラムは本学のメンバーが好きなキャラに扮して行うユニークな形で進行しました。
数々の人気ゲームを制作する「ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン」、花咲くいろはのアニメで脚光を浴びた「ピーエーワークス」、艦隊コレクション(通称:艦これ)で知られる「DMM.comラボ」といった企業の制作者との交流、たまひめちゃん、ぽあんちゃんというゆるキャラ制作者の来場もあり、学生たちは大いに刺激を受けたようです。
また、地元の「サイバーステーション」からは、ゆるキャラの印象評定実験のBtoBビジネス展開への打診もあり、実り多いものとなりました。


公開講座「人の歌声・機械の歌声」ポスター

ホクリク・エンタメフェス2015開催ポスター
具体的成果と今後のビジョン

これまで述べさせていただきたプロジェクトの成果は、メディア情報論、プロジェクトデザイン、情報デザイン学、進路セミナー等にフィードバックしております。
26年度はクール・ジャパンコンテンツの科学的基盤づくりを行い、情報発信もできました。
今後は、実際のコンテンツ制作を地域企業とコラボしながら推進し、一連の活動を通じた人材育成にも役立てたいと思っております。私の報告は以上になります。ありがとうございました。

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