KITの教育DX
取組2・学びの質向上
「時間と場所の制約を超えた学びの場の創出」

取組概要

対面授業と遠隔授業のベストミックスの確立と、他大学と連携して開発する教育システムやデジタルコンテンツを用いて学びの質向上を図る。多地点等身大接続システム・アバター・ヘッドマウントディスプレイ等を組み合わせた「遠隔コミュニケーションシステム」を構築・導入・活用することで、実験・実習を含めた遠隔授業においても対面と同等の質を担保する。また学科・大学を超えたチーム編成や遠隔地の教員・企業等の実務家教員からのアドバイス・指導が可能となるため、世代・分野を超えた深いコミュニケーションとコラボレーションが社会実装型PBLと実験・実習の中で実現し学びの質の向上を目指す。

取組計画

①金沢市近郊の13の大学等が連携する「産学連携プラットフォーム」を基盤とした、実社会の問題に多様なチームで取り組む教育

地域の大学等・自治体・産業界が連携する「産学連携プラットフォーム」内で遠隔コミュニケーションシステムを共有し、文理融合型によるチームにて多様な価値感を共有し、実社会の問題解決に取り組む教育を実践する。

②「チームで問題発見解決に取り組むPBL科目」と「実験・実習科目」を中心とした実社会の問題に工学的なアプローチで取り組む教育

PBL科目及び実験・実習科目に、ヘッドマウントディスプレイやデジタルコンテンツを体系的に導入し、実験装置の操作方法や状況をデジタル化して自学自習に活用したり、自ら作成したプログラムを実装し仮想空間でシミュレーションして確認できる教育環境を構築する。

取組実績

臨場感ある「等身大接続システム」「アバターロボット」

L型に配置した100インチの大型のディスプレイ2枚と音響システムで構成される等身大接続システムは、画面向こうの空間と臨場感のあるコミュニケーションができる。扇が丘キャンパスに4拠点、東京虎ノ門キャンパスの1拠点、連携大学5拠点と常時接続できる。

複数大学によるワークショップ

キャンパスに居ながら他大学の授業を受けることができる。また地域課題解決に向けて双方でアイディアを出し合ったり意見交換をして、交流を深めることができる。

企業とのワークショップ

企業の特別講演や社会人講師による勉強会を開催。講師が目の前にいるような緊張感が漂う。講師がアバターをとおして話しかけてくることも。

VRを使った実験シミュレーション

実験の授業では装置の台数や時間に制限がある。時間外に誰でも自由に装置の操作方法を確認したり、模擬実験ができるようVR(Virtual Reality)空間に実験室を用意。臨場感ある実験室で繰り返し実験シミュレーションができる。あらかじめ危険事象も体験できるため、本物の装置を操作する際に事故を防ぐことができる。

VRを活用した安全教育教材

ものづくりでは常にケガや事故を防止する安全教育とリスク管理が必要。工具や機械を使う前に、危険事象をVR空間でのシミュレーション動画で確認し、危険防止に対する意識を高める。

  • カッター裂傷危険シミュレーション
  • ボール盤材料回転危険シミュレーション
  • 旋盤長物材料危険シミュレーション
  • フライス盤ウエス巻き込み危険シミュレーション  など

MRを使った拡張表現システムの開発

MR(Mixed Reality)の技術を使い、現実の空間と仮想の空間を融合し、あたかも現実にあるかのような表現方法を研究開発。CG映像以外にも、他の機器を組み合わせることで、新しい空間表現が可能に。

メタバース(バーチャル空間)を使ったグループ活動

複数大学による共同PBLを実施。参加学生はメタバース上で分身となるアバターを自由に操作し、グループディスカッションやプレゼンテーションを行う。
このほか、メタバース上に金沢工大のキャンパス内の学習センターを構築し、質問や学習ができるように、いつでも、誰でも気軽に誰かに相談したり、一緒に学習できる環境を整備している。

その他の実績は 「事例紹介」を参照