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高信頼スマート組込みシステム技術者として求められる能力を自己評価すると共に学生の成長を支援する評価システムを構築します。
学生は、評価シートで現在の状況を自己評価し、現時点での能力の見える化を図る「総合力プロット図」を作成します。そして、両大学の教職員とステークホルダーが参加する「学修成果発表会」で、これまでの学修成果と自己評価結果を説明し、質疑応答を通して評価を行います。次に、学生、教員、ステークホルダーの評価結果について3者で意見交換を行ない、次年度に向けたアクションプランシートを記述します。
実践力と創造力を持つ高信頼スマート組込みシステム技術者育成に向け、学生が卒業までに身につけるべき能力を「ET人間力」「ET技術力」そして「ET習熟度」の3軸で評価します。この評価3軸のうち、「ET人間力」「ET技術力」の2軸は、評価項目としての指標を設定し、ルーブリックを構築しています。「ET習熟度」は、学生の学修履歴をもとにしたETポートフォリオを構築しています。
組込みシステム技術者に必要とされる人間力は、①関連業界が重視する基礎的な人間力、②開発における様々な場面で必要となる人間力に分けてルーブリックを作成します。この評価シートを基にして、自らの成長につなげていきます。
セルフアウェアネス | 客観的に自分の言動をコントロールできる |
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情報共有 | 連携すべき人と情報共有できる |
多様性理解 | 多様な価値観を受け入れられる |
行動を起こす | 自ら物事にとりかかれる、実行に移せる |
意見を主張する | 集団の中で自分の意見を主張できる |
本質理解 | 事実に基づいて客観的に情報を捉え、本質的な問題を見極められる |
話し合う | 相手に合わせて自分の考えを述べることができる |
主体的行動 | 自分の意志や判断において自ら進んで行動できる |
建設的・創造的な討議 | 議論の活性化のために自ら周囲に働きかけられる |
気配り | 相手の立場に立てる・思いやれる |
役割理解/連携行動 | 役割を理解して連携協力して物事を行える |
技術力(ソフトウェアとハードウェアの知識)の現状把握や目標設定に活用できるルーブリックを用いて学習し、自らの成長に応じた技術力を高めていきます。
第1階層 | 第2階層 | 第3階層 | ET技術力の項目 | |
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技術要素 | プラットフォーム | プロセッサ | プロセッサコア | MPU、バス、レジスタセット RISC、CISC、DSP、GPU、MMU、 省電力制御、パイプライン、スーパスカラ など |
プロセッサ周辺 | 割込み、タイマ/カウンタ DMA、WDT、キャッシュ など |
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メモリ | ROM、RAM Flashメモリ、メモリインタリーブ、デュアルポートメモリ など |
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基本ソフトウェア | カーネル | タスク、排他制御 共有ルーチン、システムコールサービス、同期、デッドロック など |
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開発技術 | ソフトウェア 詳細設計 |
ソフトウェアの詳細設計 | 設計手法 | 分割、モジュール化、隠蔽化、フローチャート、タイミングチャート、UML、 状態遷移図、設計ツール など |
ソフトウェアの詳細設計のレビュー | レビュー | レビュー手法 など | ||
ソフトウェアコード 作成とテスト |
プログラムの作成とプログラムテスト項目の抽出 | プログラミング | C言語に関する事、コーディング規約、MISRA-C、プログラミング技術、チューニング技術、 オブジェクトモジュール、静的解析ツール、カバレッジ、同値分割 など | |
コードレビューとプログラムテスト項目のデザインレビュー | レビュー | レビュー手法 など | ||
プログラムテストの実施 | プログラムテスト | カバレッジ、同値分割、ホワイトボックステスト、ドライバ、スタブ、 自動化テスト など |
第1階層 | 第2階層 | 第3階層 | ET技術力の項目 |
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電子部品理解 | 回路図の理解 | 図記号との対応 | 部品図記号、論理記号、電気回路記号、回路図を読む |
部品の特性理解 | 仕様書の読み方 | 電子部品(受動素子、能動素子)、センサ、ドライバIC、技術用語(日本語、英語) など | |
入力装置 | アナログセンサ、スイッチ など | ||
出力装置 | モータ、LED、ブザー、ソレノイド | ||
インタフェース回路 | プルアップ抵抗、増幅回路、フィルタ回路、モータドライバIC | ||
回路製作技術 | 製作技術 | 製作ツール | ニッパー、ラジオペンチ、半田ごて など |
動作確認 | 計測機器 | テスター、オシロスコープ など | |
回路評価技術 | テスト技術 | テストツール | テスト手法、入出力信号の発生、デバッガ |
修得した技術力、人間力の更なる向上を図るために、教育コースや学修フィールド形成などのチームラーニングでの学修履歴を経験値として蓄積し、ET習熟度(熟練度)の見える化を図るための、ETポートフォリオを構築します。
組込みシステム技術者に、特に必要とされる人間力を10項目のルーブリックと、チーム内において必要なコミュニケーションスキルとして4項目のチェック項目を用いて、自分がどの程度の力を持っているのか自己評価を行います。自己評価の際には「その場面」で「自身はどの様に行動するか、振る舞うか」を考えて、選択肢の中で自分に近いと思われるレベルを選択します。
組込みシステム技術者に必要とされる技術力(知識)を自分がどの程度持っているのか自己評価を行います。ソフトウェア、ハードウェアの技術項目毎にルーブリックを用いて、選択肢の中で自分に近いと思われるレベルを選択します。
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