実施概要 内容+出演者 結果報告

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ルネッサンス ジェネレーションとは

タナカノリユキ、下條信輔両氏を監修に迎えて1997年にスタートした[ルネッサンス ジェネレーション]は、今年で13年目です。「継続は力なり」と言いますが、私たちにその力を与えてくれたのは、歴代ゲストや監修者、協賛企業をはじめとする協力者のみなさんのご尽力、そして何よりも、毎回のように会場を埋め尽くしてくださった参加者の皆さまの存在です。この場を借りまして、心より御礼申しあげます。

さて、[ルネッサンス ジェネレーション]の全体テーマは〈未来身体〉。初回から一貫して掲げているこのテーマは、今も決して古びることなく私たちの眼前にあります。というのも、身体の変容はここ数年、より加速化したように見えるからです。過激な振り幅を持つようになった社会、それに伴い生じてきた環境の変化、それらが互いに影響し合い、人間を新たなフェイズへと変容させているように見えます。私たちが見つめるのは、そんなめまぐるしく変容する現代の半歩先、すなわち〈未来身体〉です。

[ルネッサンス ジェネレーション]は、現代社会とアクチュアルにコミットするテーマを模索し、その最先端で活躍する専門家をゲストに招聘、新たなショウイングにチャレンジしてきました。それが私たちにとっての基本ステージとするなら、現在はもうひとつのキーワードとして「情動」をピックアップ、応用ステージに入っています。脳と身体を起動し感情経験を引き出すプロセスである「情動」は今後も[ルネッサンス ジェネレーション]において、常に意識されるキーワードとなるはずです。

そして今回のテーマは[パラレルワールド!]。今年200万部を売り上げ超ベストセラーとなった村上春樹氏の『1Q84』は、登場人物に二度までも「パラレルワールド? いや、SF小説じゃないんだから」と言わせるほどに、パラレルワールドが舞台装置として機能している小説でした。著者は多分、この作品がエンタテインメント小説ではないという思いを、この言葉にそっと託していたのでしょう。また今年大ヒットした映画『天使と悪魔』では、パラレルワールドに関係する最先端研究機関セルンが重要な役割を果たしました。そういえば去年東京都現代美術館でもパラレルワールドをテーマとした展覧会が開催され、人気を博しました。このように[パラレルワールド! ]という言葉は、近年の重要キーワードのひとつになっているのです。その一方でこの言葉は量子力学や哲学など、まさにいくつものパラレルなエレメンツを持っていることも忘れてはなりません。

今、私たちが暮らしている世界は、ほんとうに唯一のリアルなのでしょうか?疑ってかかれば、時間や空間、そして自らの存在さえもあやしくなります。タナカ、下條両氏がゲストスピーカーの方々とともにどういう方向へと導いてくれるのか。興味は尽きません。[ルネッサンス ジェネレーション’09 パラレルワールド!]、どうぞご期待ください。

 
主催者:金沢工業大学
     
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