［ルネッサンス ジェネレーション］は、タナカノリユキ、下條信輔両氏を監修に迎えて、1997年にスタートしたショウイング・プロジェクトです。以来私たちは、アートからサイエンスまで既成のカテゴリーやジャンルでは括りきれない次世代型クリエイターたちの新しい動きをサポートし、それに相応しいスタイルで提示できるショウイングを目指してまいりました。

［ルネッサンス ジェネレーション］の全体テーマは〈未来身体〉。近年の人間身体の変容には驚くべきものがあります。一方、人間社会の変容にもまた目を瞠らされます。そして身体と社会は、互いに影響しあいつつ新たな現象を生みだし、それぞれが新たなフェイズへと変容を遂げています。私たちが見つめるのはそんなめまぐるしい現代の半歩先、すなわち〈未来身体〉なのです。

各年ごとには、タナカ・下條両氏の監修の下、現代社会ともっともアクチュアルにコミットするテーマを設定。関連するジャンルから最先端で活躍する専門家をゲストに招聘、新たなショウイングにチャレンジしてまいりました。ゲストとして参加してくださった方々がその後より広く社会へと飛躍されていることは、私たちにとっても無上の歓びです。

そして今年、ルネッサンス ジェネレーション'06のテーマは、［悪/善　人はなぜ、人を殺すのか］。近年、多発している理不尽な殺人事件や、巷を騒がせているダーティーなヒーロー像を見ると、もしかすると人間の本性が悪の方向へシフトしているのではないかという、茫漠とした不安が心に広がってきます。そこで今回は、「悪」を、生物としての進化論からの考察、犯罪心理学的視点、そして哲学的見地から、多角的に掘り下げることにいたしました。果たして、「悪」の正体とは？　そしてもしかすると、その議論の先にこそ、現代の「善」の姿もうっすらと見えてくるのかもしれません。われわれにも結論の予測がつかない今回のルネッサンス ジェネレーション'06、白熱した議論にご期待ください。