2000


large image

 ルネッサンス ジェネレーション '00
 [ ADDICTION=ハマるメカニズム? ]

 会期:2000年11月12日(日)
 会場:恵比寿ガーデンホール

 *終了しました。


◆テーマ解説◆
「ADDICTION=ハマるメカニズム?」
中毒――精神 vs 物質、そしてメディアと身体


 

自分の中にしかないはずの「好き・嫌い」は、果たして意識的な選択なのでしょうか? それは資本の論理の下に、メディアに操作されたのかも知れないし、無意識のうちに刷り込まれた選択なのかも知れないわけです。その一方で今「ハマル」ことは、ヒトの行動のモチベーションとして不可欠なものなのかも知れません。21世紀社会を生きる上で、「好きになる」「ハマル」といったある種の「中毒」が起きるメカニズムに対して意識的であることは、とても大きな意味を持ってくることではないでしょうか。

監修者:タナカノリユキ


 

「ハマル」「クセニナル」「ヤメラレナイ」。こうしたことばが世相を反映していることからもわかるように、今、「中毒」は社会現象を計測するひとつの尺度となりつつあります。また宇多田ヒカルのヒット曲を待つまでもなく、好きになることは立派なADDICTIONであり、心理学の未解決のテーマでもあるのです。広告による需要の喚起、欲望と流行。これらは社会学の対象であると同時に、さまざまなメーカーの関心事であり、さらには新しい倫理的問題をも提起しつつあります。 他方であまり知られていないのは、神経薬理学の進歩によって、ドラッグを含む中毒一般の生理学的メカニズムが、その全貌を顕わしつつあることです。「ADDICTION」が、社会現象から脳科学までをカバーする広大な見取り図を提供しているとも言えるでしょう。 [未来身体]を全体テーマとし、「精神の遊戯場」→「周波数と表現」→「心の理論」と続いてきた流れを受けて、今回の[ルネッサンス ジェネレーション〈未来身体〉2000]では、「ADDICTION=ハマるメカニズム?」を新たな切り口に、TVゲーム、インターネットから脳内物質までを縦断する、アート&サイエンスの近未来の断面図を、鮮やかに描き出します。

監修者:下條信輔