会期：2001年11月10日（土）
会場：草月ホール

＊終了しました。

［ルネッサンス ジェネレーション］は1997年、まだ世の中には90年代の意識が強く、21世紀への展望を見定めていない時期に産声を上げました。「高度情報化社会」「ボーダーレス」「マルチメディア化」など90年代のキーワードが成熟しつつあったこの時代は、その一方で、既成のカテゴリーやジャンルでは括りきれない次世代型クリエイターが、アートやテクノロジー、サイエンスなどさまざまなスタイルを借りて登場してきた時代でもありました。つまり「21世紀型創造者」誕生の時代です。［ルネッサンス ジェネレーション］は、そんな新しい動きをそれに相応しいスタイルで提示すべくスタートしたショウケース・プロジェクトです。

使い古された提示方法ではなく、もっと個人の進化に対応し、可能性を追求できるショウケースはありえないのか。もっとアクチュアルに、個人と、社会と、そして未来とコミットできる方法があるはずだ。カテゴリーにとどまらず、もっと広い視座に立脚して「21世紀型創造者」をサポートしたい。そんな私たちの思いに共鳴していただいたタナカノリユキ、下條信輔、両氏の監修の下、この場を、参加者にとっても出席していただくクリエイターの方々にとっても、そして私たちにとっても、「21世紀へ向かい、可能性を追求する場」と定義いたしました。

全体テーマは〈未来身体〉。個々の身体の変容があるからこそ新たな現象が生まれ、社会の変容へと繋がります。そして毎年、具体的なテーマをピックアップし、そのテーマに則ったジャンルのまさに第一線で活躍するゲストを招聘、チャレンジングなショウケースを展開して参りました。20世紀中に開催してきた4回のテーマは、第1回「精神の遊戯場」、第2回「周波数：表現、メディア身体との関係」、第3回「心の理論」、第4回「ADDICTION＝中毒」。刻々と移り変わる現代社会とアクチュアルにコミットするテーマを提示できたと自負しております。

そして［ルネッサンス ジェネレーション 〈未来身体〉2001］。21世紀を迎えた今回、私たちは過去4回のショウケースでさまざまな方面から見つめてきた全体テーマ〈未来身体〉に、より密着したテーマを俎上に載せることにいたしました。そのテーマとは「変身願望」です。現代社会を眺めてみると、遺伝子操作、ロボティクスといった科学の最先端から、ファッション、ダイエット、エステなどの日常の関心事まで、人類の視線は間違いなく〈未来身体〉へと向かっています。そしてそれは、人間個人の「変身願望」に止まらず、ヒトという種の変態への希求までをも想像させます。21世紀、果たしてヒトはどこへ向かっていくのでしょうか？　そして今回のテーマ「変身願望」は、私たち［ルネッサンス ジェネレーション ］の今後の方向性を見定める上でも最重要課題と言えます。さあ21世紀という可能性の海原へ、私たちと一緒に漕ぎだしましょう。［ルネッサンス ジェネレーション〈未来身体〉2001］「変身願望」、ご期待ください。

主催者