KITビジネスアーキテクトプロジェクト 文部科学省 平成21年度採択「大学教育・学生支援推進事業」大学教育推進プログラム【テーマA】
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金沢工業大学

学生活動成果報告

【成果報告内容】
| ・アンドロイドプロジェクト | ・CirKit(サーキット)プロジェクト | ・ゲーム制作プロジェクト |

アンドロイドプロジェクト


成果報告の発表の様子

アンドロイドプロジェクトのシステム概要(フォーラム発表時の資料より)

開発テ−マ

今回開発したアンドロイドアプリ「ロコル」は、流通面での地域活性化を目的としたものです。開発に先駆けて要件定義を明確にするために、まず店舗側と利用者である学生側それぞれにヒアリングやアンケートを行いました。その結果、リアルタイムに情報発信したい店舗側のニーズと、新しい店を見つけたいという学生側のニーズが明らかになりました。そこで、現在のITトレンドを踏まえ、これらのニーズを満たすためのツールとして、アンドロイドアプリに着目しました。アンドロイドアプリでは、店舗経営者やイベント主催者がWeb、メールを通して最新情報に関するつぶやきを投稿し、利用者はアプリを介してその情報を得ることが可能です。
こうして、地域の賑わい創出というコンセプトのもと、店舗経営者やイベント主催者が持つ最新情報と、新情報を求める人々を結びつけるアンドロイドアプリ開発への取り組みを開始しました。

開発アプリの概要


金沢スマホアプリコンテストにて
委員長特別賞を受賞

今回開発したアプリの主要機能は、つぶやきの一覧機能と、つぶやきのマップ機能です。
アプリ起動直後のつぶやき一覧画面では、新しい情報は上に、古い情報は下の方に表示され、スポットの種類や距離によって絞り込み検索が可能です。
つぶやきマップ機能では、1〜1.5km内のスポット位置およびそのスポットの最新のつぶやき内容が地図上に吹き出しの形で表示され、吹き出しをタップすることによって、スポットの簡単な紹介や口コミ情報、スポットへのナビゲーション機能などを利用できるページへ移動することができます。
完成したアプリは、昨年11月末に開催された金沢市主催のスマホアプリコンテストで委員長特別賞を受賞しました。今後は現機能に加えて、店舗経営者側の投稿機能やユーザ登録機能の開発も考慮し、また、サーバ側の開発も行い、Webやメールでの投稿機能、店舗経営者の管理機能も検討しています。

開発後の感想

メンバーの半数以上がチーム開発未経験者で、何か問題にぶつかった時に自分一人で抱えてしまったり、修正や変更が他のメンバーに適切に伝達されず作業に影響を及ぼすこともありました。また、アプリについては機能実装重視で考えていたため、デザインやユーザインターフェース面に気を配ることができなかったという反省もあります。
しかし、実践を通して、アンドロイドアプリ開発技術のスキルアップや、開発工程、開発環境、各種管理ツールの使用法等を学ぶことができました。また、チーム内でのコミュニケーション、報告・連絡・相談がいかに大切であるか、そして目的と機能を明確にし、品質コストと納期を意識しながら開発することの重要性も実感することができたと思います。

講 評

北陸日本電気ソフトウェア株式会社(NECソフトウェア北陸)様

今回はスマートホンアプリの開発ということで、アンドロイドアプリの作り方やグーグルページの利用方法などを説明し、学生の皆さんにプロジェクトを立ち上げてもらいました。
日ごろは、大学でさまざまな知識を学んでいると思いますが、アプリ開発の現場に出てみると、授業とはまた違ったことがたくさんあったと思います。1チーム10名前後で開発に挑戦されましたが、コミュニケーション不足で苦労したことや、逆に工夫したことがいろいろあったはずです。さまざまなトラブルは、実際に社会に出ると日常茶飯事なので、学生の今それを経験できたことは、皆さんの将来にとって、とても良い機会になったと思います。

CirKit(サーキット)プロジェクト


成果報告の発表の様子

カメリア・キッズへの具体的な取り組み(フォーラム発表時の資料より)

今年度はICTをツールとした地域コミュニケーションの活性化および地域の賑わい創出をテーマに、3タイプの活動を行いました。

QRコードラリーシステム


カメリア祭りでは
QRコードを利用した宝探しを実施した

野々市市市制施行記念および情報交流館カメリアの開館5周年を記念して行われたカメリア祭りで、CirKitが独自に開発したQRコードラリーシステムによる宝探しゲームを行いました。これは、館内の各チェックポイントで待機するスタッフの携帯電話で、参加者の識別IDのURLが記載されたQRコードを読み取り、チェックポイントのクリア判定を行うというシステムです。事前にWebサーバに自分の携帯電話の識別番号を登録したスタッフが、参加者のURLにアクセスすることによってWebサーバは該当するチェックポイントでの参加者識別を行います。
当日は親子連れの方の参加も多く、遊びを通してIT技術に関心を持っていただけたと同時に、各チェックポイントを他の地域団体ブース前に設置したことにより、訪れた方と諸団体の交流も実現できたのではないかと思います。

地域活性化モデル地区の現地研修

香川県高松市の丸亀町商店街では、人と人が連動するコミュニティを重視した商店街の活性化を実践しており、同じく地域活性化という目標を持つCirKitは参加メンバーの意識向上を目的として当地区への研修を行いました。
丸亀商店街振興組合の方々との意見交換を通じて、ITの活用だけではなく、人同士が直接触れ合える地域コミュニティの形成が非常に重要であることを理解しました。また、どんな事業を行う場合も、市民の支持を受けるサービス、また市民のニーズを理解してそれに応える力が必要であり、提供者側の自己満足だけでは活性化の実現が困難であるということも強く実感できました。

カメリア・キッズ

CirKitのIT技術を地域の方や子どもたちに伝え、ITに関心を持ってもらうことを目的として、情報交流館カメリアが行っている、小中学生を対象とした「カメリア・キッズ」の活動に参加しました。今回の活動では、「野々市市を発信する」というテーマで、子どもたちが動画作成およびインターネットへの公開を行いました。 普段は経験できない撮影や編集作業を体験した子どもたちからは「楽しかった」という声も多く、子どもたち自身がプレゼンする姿を目にした保護者の方からも「子どもたちの成長を感じた」との意見をいただきました。
また、今回の活動を通して、メンバー個々の技術力だけではなく、その技術を子どもたちに伝えて理解してもらう能力、全体作業の進捗管理能力、チームとして協力する姿勢など、CirKitメンバー自身もさまざまな面で学ぶことができて、大きな成果を実感できました。

これらの活動成果を発展させて、来年度はIT技術のさらなる習得と新規システムの開発および地域コミュニティとの連携を重視した地域活性化を実現していきたいと考えています。

講 評

野々市市役所様

情報交流館カメリアの子ども向けプロジェクト「カメリア・キッズ」にご協力いただきました。年代の近い学生さんと活動できたことを、子どもたちが家庭でも話したようで、保護者からも喜ばれました。
子どもたちのメディアに対する関心の向上のみならず、発表会で学生さんに支援してもらいながら、堂々と発表した経験がコミュニケーション能力や社会性の向上にもつながり、予想以上の効果でした。発表会に来ていた小学校の校長先生にも好評でしたし、学生の皆さんもそれぞれ成果を得ていたと感じました。社会に出ると、自分の技術を相手にどういう形で伝えるのが効果的なのか、ということを考える状況があります。今回のカメリア・キッズは、どんなふうに子どもにプレゼンすれば楽しく参加してもらえるだろう、ということを考える良い機会だったと思います。昨年、野々市は町から市になりましたが、金沢工業大学の学生さんをはじめとする人材が、これからの野々市ブランドの大きな柱だと思っているので、皆さんの柔軟なアイデアやパワーをお借りしながら、新しい野々市を築いていきたいと思います。

ゲーム制作プロジェクト


成果報告の発表の様子

発表チームが制作中のミニゲームイメージ図(フォーラム発表時の資料より)

ゲーム制作プロジェクトでは、ミニゲームの開発を現在も継続して行っています。
今回参加したメンバーは11チームで、1年から院生までが幅広く集まり、多面的な視点でゲーム制作に取り組んでいます。
プロジェクトメンバーは、主に3つのパート、すなわちゲームの仕様書作成や企画を担当するプランナー、LUAと呼ばれるプログラミング言語を使用してゲームのプログラム開発を担当するプログラマー、そしてゲームキャラクターのモーション等を作成するグラフィックデザイナーで構成されていて、それぞれのグループ間、メンバー間で相互にコミュニケーションをとりながら開発を進めています。

活動内容


講師を招いての勉強会

週に1回勉強会を行い、ゲーム会社の株式会社グランゼーラ様から講師を招いて、ゲーム作成に必要なスキルの向上を目指しています。また、不定期で開催されるチームミーティングでは主に仕様書や企画書の受け渡しを行い、メンバー間の意見交換の場として活用するほか、チームごとに進捗報告会を開いてスケジュール管理なども行っています。
プロジェクトの最終目的はプレイできるミニゲームの制作ですが、現時点ではゲーム仕様書に従ってプログラミングやキャラクターデザインを進めている途中段階であり、今後も引き続きメンバー全員が協力しながら、納期を目指して制作に取り組んでいきたいと思います。

講 評

株式会社グランゼーラ様

プロジェクトがスタートする以前は学生の主体性について半信半疑でしたが、始まってみれば皆が主体的に取り組んでいました。ゲーム開発では制作中の評価がしにくいため、一人ひとりの案や意見が食い違うと説得するのにすごく手間がかかります。しかし、それを学年も学科も違う者同士が、チームで根気よく、積極的に話し合っている。最初は学生がどこまでできるのかという目で見ていましたが、途中から圧倒されていったように思えます。締め切りが迫ってくると、チームによっては、就職活動でなかなか来られないということもある。それでもあきらめずに、プランナーがグラフィックの勉強をしてでも成功させるとか、別のチームから機能の貸し借りをするとか、2つのチームを合体させて完成させようとしたりして、企業にいる私たちと同じ苦悩を味わっていました。そんな苦労をしてきたからこそ、完成時には私たちプロのクリエーターが味わっているのと同じ快感を味わえるのでは、と期待しています。

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