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テーマ解説
[決断なき自由 −情動の現代−]とは

感情の身体的、神経的メカニズムを指して情動といいます。おおまかに言えば、論理、分析、理性に納まり切らない人間性の本質といってもいいでしょう。

そのような情動と政治や権力との関係。そういう繋げ方はいかにも唐突に聞こえるかも知れません。政治や権力とは元来、もっと巨視的な制度や歴史的なイデオロギーの問題として扱われることが多かったからです。だが9.11以降の対テロ戦争?と国際情勢、パフォーマンス化する国内政治、宗教と世論、科学の関係。それらを見通すと、個人の心、それも潜在的で社会的な領域に、政治権力が侵入しているのではないかという疑いを拭えません。

一方、マーケティング戦略は、消費者個々人の情動系、報酬系の潜在レベルにターゲットを絞り、ますます巧妙になりつつあります。消費者の選択行動の自由はどこに行ったのか、市場における選択肢の制御と消費者の自由は、どのように関係しているのか。私たちは気づかぬうちに、「決断なき自由」という島流しの刑を受けているのではないか。

このような問題意識から今年のルネッサンス ジェネレーションでは、国際ジャーナリストの田中宇、社会学者の大澤真幸という論客おふたりをゲストに迎え、権力と自由について、また世界情勢の虚と実について、じっくりと議論します。現代社会のもっとも尖鋭な現象を読み解く鍵が、見つかるかも知れません。

 

 
監修者:下條信輔・タナカノリユキ
     
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