平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

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お知らせ(平成26年度)

地震予測の新しいアプローチ 特別講演会開催
東京大学名誉教授 村井俊治先生

2014.10.06

空間情報PRJ地震予測について講演する村井先生

 平成26年10月6日(月)12号館4Fイノベーションホールにて、台風接近の悪天候にも関わらず、教職員・学生・企業の約80人が参加のもと、地震予測をテーマにマスメディアで話題の、村井 俊治先生(東京大学名誉教授 (株)地震科学探査機構顧問)を講師に招き、「特別講演会:動く地球の測量~地震予測の新しいアプローチ~」を開催した。

 世間では人工衛星を使って地上の位置を特定する仕組みを「GPS」と呼んでいるが、これと同様のシステムは、ロシア版では「GLONASS」、日本版では「準天頂衛星システム」と名付けられ、衛星測位の一般名称は「GNSS」と呼ばれている。日本では、国土地理院が建設した世界一の電子基準点が日本全国で約1300あり、この観測網を地震予測のアプローチに活用が可能だということ。
 GPSの電子基準点のデータを追跡すると、地震に前には必ず異常な累積変位、つまり「前兆」があることを確認できた。前兆が現れてから実際の地震が起きるまでの時間は数週間から数ヶ月の幅がある。過去に地震が起こった電子基準点データに見られる異常変動を読み解くと地震はデータに忠実に起きることが判明した。
 各地の電子基準点で起きている地面の上下動が、一週間の間に「4cm」以上ある場合には震度3から震度5弱の地震がおきる可能性が大であること、この上下動が「7cm」を超えるともっと大きな地震が起きる可能性があることを説明された。

 測位衛星の電波を受信している電子基準点データは世界に誇る品質の高いデータで地震予測に最適なものであるが、前兆が現われてから地震に至る時間の精度はまだ十分ではないとされている。しかし、近年の自然災害が多発する中、自分達の住んでいる場所、働いている場所の異常変動を常に意識することにより、防災意識、危機意識が高まる。また科学的根拠に基づいた地震情報を入手できるなど、今後も測量学工学的アプローチでの地震予測には期待される。
 今回の講演では測量技術がいかに高度な先端技術で支えられているかが参加者にとって理解の機会となり、講演終了後には活発な質疑応答も行われた。

 講演会は北陸信越工学教育協会石川県支部工大部会、(一社)日本写真測量学会北信越支部、K.I.T.空間情報プロジェクトにて共同開催された。

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