Books That Changed The World

世界を変えた書物
我思う、故に我あり

ルネ・デカルト「方法序説」

ルネ・デカルトは「近代哲学の父」と呼ばれる近世最大の哲学者である。彼は人間の総ての経験、人間の総ての思考は疑うことが出来るが、真に疑いなく自明のことは「私が考えている」という事実のみであり、経験、思考の総てはここから出発しなければならないとした。彼はこれを有名な「我思う、故に我あり」という簡潔な句に端的に示した、この一句こそが近代哲学の基礎となったのである。デカルトのこの省察と句は「自分の理性を正しく導き、いろいろな学問に於いて真理を求める為の方法についての論述、及び屈折光学、気象学、幾何学」という長い題の書物の冒頭部分、通常「方法序説」として知られる部分に記されている。これが本書であるが、しかし本書には屈折光学など自然科学に関する研究も収められている。実はデカルトはこの「方法序説」を主として自然学研究の方法論的基礎として述べているのであって、実は彼は当代切っての自然科学者でもあった。例えば彼は、本書の「幾何学」において「座標」の概念を提案し確立し、それを三次元空間に拡張している。このことによって初めてあらゆる図形が代数で扱える様になった。つまり彼は解析幾何学を創始したのであって、これは不朽の功績である。この幾何学研究は実は「屈折光学」研究の必要から生まれたもので、彼は「光」を世界の基礎にある存在と捉え、「光」の本性を解明することによって世界の構造が解明できると考えていたのである。 この図は光がどのように眼球と視神経を経て脳に達し、形像を結ぶのかを示したものである。 (金沢工業大学教授 竺 覚曉)
この書物について 工学の曙文庫について 工学の曙文庫 総合索引(110選) 金沢工業大学ホームページ

表紙バックナンバー

・・・工学の曙 総合索引について・・・

ここに掲げている書物は、金沢工業大学の科学技術稀覯書コレクション「工学の曙」文庫の中でも選りすぐりの110点です。金沢工業大学は、洞察力に充ちた次代の技術者を育成する為に、全学生に対して「科学と文化」「科学と環境」「科学技術史」など科学や技術の文化史、思想史、倫理に係わる科目を必修としています。「工学の曙」文庫はそのバックボーンをなすものとして講義に生かされています。

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