課題と目標

社会と共に「学生一人ひとりの成長支援」を実現する環境を、IRシステムの構築により具体化!

金沢工業大学(以下、本学)では、特色化推進と教育品質の向上を積極的に図るために、平成15 年度からの「文部科学省のGP事業」への挑戦を繰り返し、これまで大学単独で13件の取組が選定されるなど、教育改革の一定の成果を得てきました。しかし、大学全体の特色として、教学経営全体の改革に繋がりきれていないのが現状です。

本学の特色を、教学経営全体の改革に直結させたい。そのために参考にしたのが、平成18年度に挑戦した全国企業品質賞への取組の際に学んだ企業でのIR活動です。本取組の目的は、本学の教育目標である「自ら考え行動する技術者の育成」を図る独自の教学経営理念に基づいた、IR活動の強化とその実践に他なりません。

3つの課題を、3年後にクリアする、3つの達成目標。

本学がIR活動を強化・実践するうえで、現状の教学経営全体の機能や組織を分析すると、大きく3つの課題が挙げられます。その課題を3年後にクリアするために、つぎのような3つの明確な達成目標を設定しています。

課題と達成目標(1)

本学の事務は、学事運営を支える「大学事務局」、教育実践を支援する「教育支援機構」、教育研究実践の特色を推進する「産学連携機構事務局」、さらに教学経営全体を支える「法人本部」と大きく4つの組織に分かれますが、これらの組織が有する情報が効果的に教学経営に活用されていない現状にあります。各組織に所属する職員の更なる意識改革と、各組織が有する機能情報を効果的に集約・分析評価・発信する仕組の構築が必要となります。

活動実績

課題と達成目標(2)

企業と異なり、本学の基幹機能となる教育実践の成果は、学生自身の成長です。学生一人一人の学修軌跡を通した自身の自己点検評価からの成長記録や教育効果をステークホルダーに対して分かり易く伝えることは容易ではありません。
学位授与の段階を示すといった最終成果だけではなく、学生が本学での修学を通じてどのように成長していったのかを、段階的にかつ分かりやすくステークホルダーに示し理解を得る必要があります。

活動実績

課題と達成目標(3)

社会が一般的に捉える大学への認識は、概ね、入学時の偏差値、教育研究の特色情報、就職実績、各種世評・ランキングなどが現状です。IR活動の強化を図る上で、単にインターネットを通じた情報発信だけでは、本学のステークホルダーを始めとする社会からの理解を得られることはできません。
教学経営の改善に繋がるIR活動を実践するためには、社会との相互理解を図る物理的な場を設け、コミュニティの構築を積極的に行い、学生の成長を肌で感じ取ってもらうことが必要となります。さらに、この際にステークホルダーから発せられる評価、コメントや感想は、教学経営の中に位置づけられる教育実践や学事運営などにフィードバックする必要があります。

活動実績