平成27年度COC事業、地域志向教育研究プロジェクト「地域に根づく数理(数学、理科)の広場」として「KIT Jr.サイエンススタジオ」を開講した。
今回、実施するKIT Jr.サイエンススタジオは地域(野々市市・金沢市)の小学生を対象とした参加型プロジェクトであり、本学の学生が小学生の児童に科学に関心と興味を持ってもらうための講座として実施するものである。なお、この講座は5月30日(土)から10月17日(土)まで全5回にわたって実施される。
5月30日(土)は申し込みを行った22人中19人の小学生が参加し、23号館パフォーミングスタジオで開講式と第1回講座「身近なものを科学の目で見てみよう」が実施された。
開講式では数理基礎教育課程主任の筆者(西)が、参加した小学生に対してこの講座のねらいと達成してほしいことについて説明した。そのあと、今回の講座を企画し、運営を担当する学生スタッフを紹介したあと実施した。 この講座では「電気」「光」「音」のテーマについてそれぞれ科学的な目で見ることによって、それぞれの現象が「どうして起こるのか」「なぜそうなるのか」を考えてもらうことを目的として以下のような内容で実施された。
◆「電気」のテーマ
電気では春先にドアのノブなどでバチッとなる静電気に着目し、静電気が起こる仕組みについて説明し、クイズなどを通じて電気について理解を深めた後、静電気を発生させる実験を行い、実際に静電気を体験した。
◆「光」のテーマ
光では光が何色であるかということをテーマとして、光の性質について説明し、光が波の性質を持っていることを知るとともに、波の長さによって色が変化することを、偏光板を使って観察した。
◆「音」のテーマ
音では音が波であることを知るとともに、高さや形によって音がどのように聞こえるかを経験する。その上で楽器の音や自分たちの声を波形で表し、その違いから音がどんなものであるかを理解した。
今回参加した小学生はそれぞれのテーマのブースで学生スタッフから説明を受けながらいろいろな実験を行い、そこから生まれる疑問について質問しながらそこで起こる現象についていろいろなことを感じ、興味を持って取り組んでいた。
最後に、参加した小学生に対してアンケートを実施し今回のKIT Jr.サイエンススタジオに対する意見を聞いた。その結果、それぞれのテーマについて子どもたちは科学を身近に感じながら興味をもって楽しく取り組めたことを意見として述べていた。
今回、それぞれのテーマについては学生スタッフが主体となって講座を企画して実施した。そのため、学生スタッフは講座を企画運営することのむずかしさを感じていたようである。ただ、その中でお互いに協力しながら積極的に取り組み、その経験からさまざまな成果とスキルを得ることができたようである。
〔プログラム〕
テーマ名 | 日程 | 学習内容 |
---|---|---|
①身近なものを科学の目でみてみよう! |
H27.05.30
(土) |
第1回は、光、音、電気、力、エネルギー、普段身近にあるさまざまな現象を「科学の目」でみて、それらがどんなものかを感じて理解してみよう! 科学の目で「光」・「電気」・「音」を見てみると、楽しい世界が広がって、新しい発見がいっぱい見つかるぞ♪ キーワード/電気とエネルギー・光・音 |
②音ってなんだろ!? |
H27.06.27
(土) |
音ってどんなものか知っていますか? 第2回は、集音器で音を集めて、音の正体をさぐってみます。 自作の集音器で集めた「音」について、大きさや高さの変化を、実際に体感してみましょう! キーワード/音波・振動 |
③マイ風車で自家電 |
H27.08.27
(木) |
皆さんは、どうのように電気ができるか知っていますか? 第3回は、風車を使った風力発電について学びながら、電気とエネルギーの関係を学習します。 電気ができるまでを体験して、マイ風車で君も、エコロジストになろう! キーワード/電気・発電・エネルギー |
④手作り望遠鏡で君もガリレオ!? |
H27.09.26
(土) |
望遠鏡はどうして遠くまで見ることができるのでしょうか? 第4回は普段使っているメガネや虫眼鏡のようなレンズと光について考えます。 晴れた日の夜、手作りの望遠鏡をのぞいて、月のクレーターや天の川をみて、君もガリレオになろう! キーワード/光線・光の屈折・レンズのしくみ |
⑤紙とインクで
電気の回路をつくる |
H27.10.17
(土) |
日常使っている電気製品は、部品を回路としてつなぐことで、働くことができる。回路をつなぐとは、どんなことなのでしょう、最終回は、回路を特殊な導電性インクマーカーと紙を使い作ってみます。 いろいろな電気回路をつくり、楽しみながら電気の原理を学習してみます。 キーワード/電気・回路・エネルギー |