平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

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お知らせ(平成27年度)

COC地域志向型カリキュラム
プロジェクトデザインⅡ中間質疑会を開催

2015.05.20

地域課題テーマごとに分かれ具体的質疑を行う学生たち
=金沢市A会場

 平成27年度プロジェクトデザインⅡ中間質疑会が、5月20日(水)午後2時50分から4時20分の間、本学から学生200人、教職員18人、野々市と金沢の市役所職員11人の参加を得て、本学23号館1階の三つのスタジオで行われた。

 プロジェクトデザインⅡは「自ら考え行動する技術者」の育成をめざす本学教育の背骨となる「プロジェクトデザイン教育」の一科目で、現在、本学2年次の学生が履修している。そして、本年度後期科目の「プロジェクトデザイン実践」にかけて、実社会から見出した身近な問題を題材に、プロジェクトの企画・立案・実施・評価の一連の思考プロセスと技術を、チーム活動を通じて自分たちの力で実践的に体得していく。 同科目は、文部科学省「地(知)の拠点事業:COC(Center of Community)事業」に採択された本学の「地域志向 『教育改革』による人材育成イノベーションの実践」プログラムの一つとしても位置づけられており、毎年、野々市市および金沢市から、両市が抱えるいくつかの地域課題がテーマとして提供される。学生チームは、自ら設定したテーマのほか、上記の市役所提供テーマの中から自由にテーマを選択してプロジェクトに取り組むことができる。

 5月20日現在の授業の進捗は、問題の発見、市場調査や顧客要望調査等を通じた問題の構造分析と問題の所在の明確化を経て、プロジェクトで対象とする具体的なテーマの絞り込みを行っている段階であった。

 野々市市および金沢市から提供されたテーマならびにそれに類するテーマを選択し、実社会の地域課題にはじめて正面から向き合い悪戦苦闘している計78チームの学生たちにとって、今回の中間質疑会は、両市役所でその課題に日々取り組んでいる行政担当者と直接、質疑や意見交換を行うことのできる絶好の機会である。

3スタジオで野々市市・金沢市提供テーマの進捗状況を報告

 中間質疑会は、野々市市1セッション、金沢市2セッションの三つのセッションが三つのスタジオで並行して同時進行するかたちで行われた。


市役所提供テーマへの取り組み内容と進捗状況を報告する
学生チーム=野々市市会場

 各セッションではまず、各市役所提供テーマに取り組む代表チーム1チームずつが、自分たちの取り組み内容と進捗状況を報告するとともに、行政担当者への代表質問を行った。代表チームの報告の中には、学生たちが懸 命に情報収集した、行政担当者も知らない貴重なデータもあり、担当者から驚きや賞賛の声があがった。また、代表チームからの質問には、担当者の丁寧な回答がなされたほか、具体的な数値データや取り組みへのアドバイスが提供され、その場でチームの取り組みの方向性が定まるなど、質問と回答のやり取りにとどまらない貴重な意見交換の場となった。更には、行政担当者やフロアの学生からも、取り組みチームが検討していなかったことがらに関する質問が飛び出すなど、盛り上がりをみせた。

 その後は、各セッションともに、地域課題テー マごとのブースに分かれて、学生と行政担当者との具体的な質疑が行われた。ここでは、各チームから事前に提出された質問に対する回答書や関連する資料が担当者によって用意され、その説明を受けた。短期間でのその丁寧な仕事ぶりに、学生は大きな刺激を受けていたようである。また、その回答をきっかけに生まれた新たな疑問が、その場で多くの学生から表明され、活発な質疑や意見交換が行われた。まだ公表されていない、プロジェクトの方向性の決定にかかわるような最新の詳細データが担当者から提供されることもあり、目を輝かせて担当者の説明に耳を傾ける学生も多数見受けられた。

 行政担当者からは「起業家・事業者・デザイナーの立場と、彼らが100%の力を発揮できるような全体の仕組みづくりを考える行政の立場と、どちらからアプローチするか明確にするとよい」といったアドバイスや「よい町づくりにぜひ携わって欲しい」といった学生の今後の活動への期待のメッセージが伝えられ、日頃の業務で忙しいなか時間を割いていただいた担当者の方々への感謝の意を込めた盛大な拍手をもって、中間質疑会は終了した。

 時間を経るごとに活気を増したセッションの時間はあっという間に過ぎ、セッション終了後も個別に行政担当者と話をするチームもみられた。


取り組みテーマの進捗状況の報告を聞く学生=金沢市B会場

 

 学生からは「中間質疑会のおかげで集中してチーム活動ができた」「チームの考える問題と市の考える問題と のズレがわかってよかった」といった感想も聞かれ、本質疑会は学生にとって大変有意義な機会の場となった。 今後は、6月22日(月)~26日(金)にかけて「ポスターセッション」、7月1日(水)の「中間評価会」、8月6日(木)の「成果報告」(於:両市役所担当部署)が予定されている。

 本稿の終わりに、野々市市ならびに金沢市の職員の協力に感謝し、引き続きの支援をお願いするとともに、プロジェクトデザインの実践的教育を通じて、学生からの新しい発想とアイデアが一つでも多く生み出され、社会的課題の解決への糸口となることを期待したい。また、ここでの学びの体験や実感が、学生自らの思い描く技術者像に向けた更なる行動と成長の糧となることを期待する。

 

〔各会場で行われた野々市市・金沢市の地域課題テーマと参加者の概要〕

会場 市役所提供の地域課題テーマ チーム数 参加者数
学生 教職員
■野々市市会場
(於:コミュニケーションスタジオ)

 

N-1 野々市市の投票率の向上 5 58 6
N-2 野々市市の将来の人口 2
N-3 応急仮設住宅の供給等 6
N-4 その他 4
■金沢市A会場
(於:パフォーミングスタジオ)

 

A-1 公衆無線LANの利用促進策について 6 63 6
A-2 観光力の強化策について 18
A-3 金沢の歴史文化資産の保存活用策について 〜「金澤町家」を考える〜 4
A-4 その他(企画調整課・藤田規子氏) 7
■金沢市B会場
(於:コラボレーションスタジオ)
B-1 加賀野菜のブランド力向上について 13 79 6
B-2 エコライフ・再生可能エネルギーの利用促進策について 8
B-3 命を守る住まいづくりについて 5
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