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Plinius Secundus, Gaius. (27-79 A.D.).
Historia Naturalis,
Venezia, 1496. First edition (New edition).

ガイウス・プリニウス・セクンドウス (27-79 A.D.).
博物誌
ヴェネツィア, 1496年, 新版初版.

 プリニウスはローマ帝国の役人で皇帝ヴェスパシアヌスの友人であり、ゴール(フランス)やスペインの総督をつとめ、ローマ本国艦隊の長官もつとめた大変多忙な人だったのですが、信じられない位の読書家で好奇心のかたまりの様な人でした。判っているだけで 102冊もの本を書いたのですが、死の直前まで書き続け、遂に未完に終わったこの「博物誌」だけが現在に伝わったのです。
 この本は、彼の全知識をそそぎこんだ古代世界の百科事典のような本で、数学、物理、天文、医学、哲学、歴史学など多様な分野にわたっていますが、主要な部分は、世界の動植物やさまざまな事物について述べた博物学が中心です。彼は自分で実際に目で見て調べられるものについては調べたのですが、それができないものについては、ギリシアやローマの 500人以上の人の著作2000冊以上を参照して引用しています。このため一角獣、天馬、人魚、巨足人など不思議で怪奇な空想上の産物も実在するものとして述べられており、中世・近世ヨーロッパの人々の想像力をかき立てたのでした。マルコ・ポーロやヴァスコ・ダ・ガマ、コロンブスのような近世の大旅行家、大航海者も未知の事物への想像力につき動かされ、「プリニウスの世界」を求めて行動を起こしたのです。
 「博物誌」が初めて出版されたのは1469年で、本書はその新版ですが、もちろんこの本は中世には手写本で広く読まれ、このことが、ヨーロッパの人々が自然の驚異に対する好奇心、知的な興味を、近代まで持ち続けた原動力になったのでした。プリニウスは艦隊をひきいてナポリ湾の基地に停泊中、ポンペイを埋め尽くしたヴェスヴィアス火山の噴火に出合い、この噴火の様子を詳しく調べようとして、ヴェスヴィアス火山に向かう途中に、火山の有毒ガスを吸って亡くなりました。(紀元79年)彼らしい最期といえるでしょう。
 

金沢工業大学ライブラリーセンター所蔵