入会案内

令和5年度 空間情報セミナー

K.I.T.空間情報プロジェクトでは、有識者との連携強化や普段接点のない異業種との交流の場の実現を図るため「空間情報」をキーワードに「空間情報セミナー」を年5回開催している。

本セミナーは令和5年度で17年目を迎え、スペーシャリストの会(公益社団法人日本測量協会による「空間情報総括監理技術者」資格認定試験に合格した技術者の会)、国・自治体の機関、大学等研究者、民間機関など各分野からご登壇頂き、測量分野を中心に都市計画・建築・人工衛星による観測等の、地球上の様々な「空間情報」に関する最新技術・取り組み事例についてご講演いただいている。また、日本写真測量学会北信越支部との連携による測量系CPDポイントの取得が可能となっている。


【第1回】令和5年5月26日(金) 14:00~17:00

司会 工学部 環境土木工学科 教授 徳永 光晴

  • 講演① 「道路管理における三次元点群データの利活用」
  • 国際航業株式会社 公共コンサルタント事業本部 事業推進部
    DX国土強靭化推進室 担当部長 小野山 裕治 氏
  • 講演概要
    令和元年度以降、DX/国土強靭化の観点から国交省やNEXCOは沿道斜面の点群データ整備やその利活用を積極的に進めており、事例を通じた道路管理における点群データ利活用の現状について述べる。
  • 講演② 「宇都宮のLRTができるまで」
  • 宇都宮共和大学 特任教授 古池 弘隆 氏
  • 講演概要
    多くの地方都市では過度の自動車依存が都市のスプロール化などの問題を引き起こしているが、宇都宮では日本で初めての新設のLRTが30年前に計画された。その背景と実現に至るまでの経緯や苦労について紹介する。
  • 講演③ 「自転車交通安全のための今日的課題~道路をシェアする」
  • 北陸大学名誉教授 三国 千秋 氏
    地球の友・金沢 三国 成子 氏
  • 講演概要
    自転車や歩行者の交通安全のためには単にルールを守るだけでなく、自転車以外の交通モードにも目を向け、その対策をいかに「見える化」するかが大切である。今回はその取組みについて報告する。

【第2回】令和5年7月28日(金) 13:00~17:00

司会 建築学部 建築学科 教授 下川 雄一

  • 特別講演 「ローカルSDGsの現状と課題」
  • 法政大学 デザイン工学部 教授 川久保 俊 氏
  • 講演概要
    SDGsを原動力とした新しいまちづくりやビジネスが全国各地で展開されている。その現状と課題についてオンラインSDGsプラットフォームに蓄積された情報を活用しながら紹介する。
  • 講演① 「河川維持管理等における三次元データの効果的な活用」
  • 株式会社パスコ 東日本事業部技術センター
    国土情報部 地理情報二課 主任技師 塩谷 優太 氏
  • 講演概要
    河川定期縦横断測量は点群測量により実施され、得られた三次元データを活用するための環境として三次元管内図の整備が進められている。三次元管内図を用いた河川維持管理における三次元データの活用方法について紹介する。
  • 講演② 「全産業の未来(あした)を設計する:BIMとデジタル技術を用いた建築業界での取り組み」
  • 株式会社積木製作
    CASE リーダー 荒井 洵哉 氏
    CASE BIM ソリューションエンジニア 横田 大貴 氏
  • 講演概要
    弊社積木製作のビジョン「全産業の未来(あした)を設計する」の下、建築業界におけるBIMや最新のデジタル技術を活用した取り組みを紹介する。
  • 講演③ 「GPGPUが拓く建築都市空間解析の可能性」
  • 金沢工業大学 建築学部 建築学科 講師 藤井 健史 氏
  • 講演概要
    近年、GPGPU(GPUによる汎用計算)は様々な分野で革新的な成果を挙げてきた。本講演では、GPGPU技術の概説と具体的な研究成果(モンテカルロシミュレーションによる緑視率期待値の導出)の報告をし、建築都市分野でのGPGPUの応用可能性について考える。

【第3回】令和5年9月22日(金) 14:00~17:00

司会 建築学部 建築学科 教授 土田 義郎

  • 講演① 「災害時の航空LP計測のオープンデータ公開について」
  • 朝日航洋株式会社
    防災コンサルタント部 部長 安海 高明 氏
  • 講演概要
    土砂災害発生時、航空レーザ計測の点群情報は被害状況を正確に把握し、迅速な復旧活動をサポートする。オープンデータ化によって、これらの情報は広く利用され、効果的な復旧活動が実施された事例を紹介する。
  • 講演② 「建築情報学:これまでとこれから」
  • 筑波大学 システム情報系 教授 渡辺 俊 氏
  • 講演概要
    「建築情報学」は1960年代を起源とすると50年以上を経過した。建築情報学の歴史を振り返りながら、大きな転換点を迎える今、そして未来について考えてみたい。
  • 講演③ 「設計教育におけるVR空間の活用可能性」
  • 広島大学大学院 先進理工系科学専攻
    建築学プログラム 教授 西名 大作 氏
  • 講演概要
    現在、建築空間の提示技術は日々進んでいる。特に最近のVRは空間の把握が容易となることから、設計教育の様々な場面への応用が期待される。本講演ではVR空間と現実空間の物の捉え方における差異をふまえ、二次元図面や3DCAD等との比較を通して、その有用性を示す。

【第4回】令和5年11月24日(金) 14:00~17:00

司会 工学部 電気電子工学科 教授 山口 敦史

  • 講演① 「ALB(航空レーザ測深)を用いた浅海域の広域測量」
  • アジア航測株式会社
    空間情報技術センター 副センター長 小林 雅弘 氏
  • 講演概要
    航空レーザ測深(Airborne Laser Bathymetry:ALB)を用いて浅海域を広域に計測した事例と、最新センサの導入による効果の検証を紹介する。
  • 講演② 「長距離・高解像度測距が可能な手のひらサイズLiDAR」
  • 株式会社東芝 研究開発センター
    情報通信プラットフォーム研究所
    IoTエッジラボラトリー 部長 吉川 宜史 氏
  • 講演概要
    社会システムの自動化・強靭化を支えるキーデバイスとして、高精度測距が可能なLiDARが注目されている。東芝グループの総合力を活かして開発した高性能・小型LiDARの特徴とその応用について紹介する。
  • 研究室学部生・大学院生による研究成果発表
  • ・「石川県におけるメガソーラーの立地条件に関するGIS分析」
    徳永光晴研究室 学生 1名

    ・「フォトグラメトリによる木造伝統建造物のデジタルツインモデル制作に関する研究」
    下川雄一研究室 学生 1名

    ・「各種の音響指標を用いた風鈴の音の分析」
    土田義郎研究室 学生 3名

    ・「レーザスキャナから出射されるレーザビーム形状と測量精度について」
    山口敦史研究室 学生 3名


【第5回】令和6年1月26日(金) 14:00~17:00

司会 工学部 環境土木工学科 教授 中野 一也

  • 講演① 「地域に根差した空間情報の活用について」
  • 株式会社ナカノアイシステム
    ICT センター 部長 外立 久充 氏
  • 講演概要
    新潟県にある当社計測関連他の事業内容全般を紹介し、その中から日本海側地域の重要課題である除雪業務をサポートする除雪管理システムの詳細について解説する。
  • 講演② 「国土地理院における3次元データのウェブ配信」
  • 国土地理院 地理空間情報部 情報普及課
    ウェブシステム係 係長 竹﨑 宗一郎 氏
  • 講演概要
    国土地理院が今後の提供を検討している点群データや、最近公開された1mDEMを含む標高データ、またそれらの3次元データをウェブ地図において可視化する取組について紹介する。
  • 講演③ 「空間情報の解析基盤としてのAI」
  • 東京大学大学院 工学系研究科
    社会基盤学専攻 教授 布施 孝志氏
  • 講演概要
    近年、移動型・定点型観測データ等が多数取得され、また、AIに代表される学習型手法が進展している。このようなビッグデータや学習型手法を活用した高精度なモニタリング手法などが期待されている。本講演では、交通分析を例にした研究を紹介する。