「キリコ」を表現し優勝した 「チームあばれ祭り」
COC事業の夢考房Juniorプロジェクト(代表:ロボティクス学科の出村公成教授)では8月29日(土)、30日(日)の二日間(両日午前10時から午後3時)で「夢考房Junior×夏休みハッカソン」を行った。子どもたちと大学生がチームを組み、自由に組み立てができる(株)アーテックのブロック型ロボットを使って思い思いのロボットをつくり、プログラミングを施し動かす。夢考房Juniorの学生たちが企画した今回のハッカソンは、アーテックから教材用ロボットをお貸し頂く等のご協力を受けて実現に至った。
今回のハッカソンでは、夢考房Junior春学期の活動に参加していた子どもたちの他に一般からも公募を行い、小学3年生から中学1年生までの児童23人が参加することになった。ハッカソンの運営は、夢考房Juniorの学生代表である近藤眞司君(2ER2)が中心となって、学生たちによって行われた。
ラジオ体操をする「人型ロボット」
ハッカソンのテーマは「夏休み」。夏休みを連想させるキーワードを出し合い、子どもたちと学生にチームを組んでもらう。チームには必ず一人ファシリテーターとして大学生が入り、子ども達と一緒に考えながら、必要があれば助言や補助を行った。今回、子ども2人から4人のチームが九つ出来、それぞれ思い思いの「夏休み」らしさをロボットで表現することになった。1日目の午前中にチーム決めまで終わり、午後からは実際にロボットを使っての作業が始まった。
アーテックは学習教材を開発しており、中学校技術科への教材普及を全国的に展開している。夢考房Juniorにおいて昨年度よりご協力頂いており、今回のハッカソンでもロボット教材「ロボティスト」の貸与等でサポートして頂いた。1日目にはアーテックの小沢矩之氏にお越し頂き、初めてロボットに触る参加者に対して簡単なレクチャーを行って頂いた。アーテックのロボットはブロックのパーツを組み合わせて自由な形を作ることができるため、初めての子ども達もすぐに興味を持って試行錯誤を繰り返していた。
1日目の終わりにはどのチームもロボットの大枠が出来上がり、早いチームではプログラミングを実装して改良を検討しているところもあった。
2日目は、午前中のうちにプログラミングの実装及び発表資料の作成を行い、午後には成果発表が行われた。 子どもたちはロボットの完成に追われながらも、役割分担をしながら発表用の資料を作り上げていた。学生たちのファシリテートがとてもうまく行われていると感じた。午後からの成果発表会は、保護者の方にも観覧して頂いた。
アーテックから前述の小沢氏と、営業課長の浮田堅太郎氏にお越し頂き、教職員や学生と一緒に審査員として審査を行って頂いた。
作ったロボットを持って記念撮影に納まる参加者
9チームのテーマはそれぞれ、夏休みを連想させる「すいか」「森・川」「すいか割り」「クワガタ・カブトムシ」「船」「カブトムシ」「ラジオ体操」「花火」「キリコ」であった。ロボットを動かしながら、資料に基づいての発表であった。ロボットを実際に動かすたびに、歓声と拍手が起こった。最後に審査員により賞が決められ、賞品と賞状の授与が行われた。最優秀賞は、音感センサーを使用して石川県の伝統的な祭りを見事に表現した、チーム暴れ祭りの「キリコ」に決まった。
今回のハッカソンは子どもと学生が共同で行った。このような取り組みは世界的に見てもユニークで、お越し頂いたアーテックの二人も大変満足されていた。2日間という限られた時間の中で、子どもたちは素晴しいアイデアのロボットを多数作り上げた。学生たちは、普段授業で学んでいる知識を高めて、教える側にまわる。今回無事にハッカソンが終了したのも、学生たちの見事な運営のおかげであった。
夢考房Juniorの活動を通じて、人間力を含めた学生たち個々のスキルの上達を目に見ることができた。夢考房Juniorでは秋から冬にかけても活動を行う予定だ。未来のグローバル・イノベーターの輩出を目指して、今後も学内外で活動を展開していく。
なお、夢考房Juniorの活動やハッカソンで製作したロボットの動画を以下のfacebookページで紹介しているのでご覧頂きたい。