ハーバー両側の壁に映写される動画像
建築系学生約30人によるタテマチアートプロジェクト(代表:建築系建築デザイン学科の川﨑寧史教授)が竪町商店街振興組合とコラボレーションし、冬のおもてなし企画「ロマンティック・タテマチ」を実施した。 このイベントは平成25年12月実施のタテマチアートvol.3に引き続くもので、今回は昨年11月1日(土)から12月25日(木)までのロングラン企画となった。竪町商店街では、北陸新幹線開業にともなう県外アウトレットへの若者流出などの懸念があり、クリスマス商戦に向けてのストリートの魅力創出が大きな課題となっている。この背景から、建築系学生の若い感性を活かし、魅力ある冬のストリートデザインを演出することを街側から望まれた。
「11月初旬、どこよりも早くタテマチストリートに初雪が舞い降りる。雪はどんどん降り積もりストリートはロマンティックな感性を高めていく。道行く人は大切な人への想いを高め、心の結びがまた一つ雪の結晶を生んでいく…」この雪の物語に沿って、街路樹やプランター、ショーウィンドウに雪のデザインが施されていく。12月に入る頃にはタテマチ・ハーバーに樹氷のツリーが出現し、周辺の雪だまりには真っ赤なポインセチアが花を開く。毎週末には樹氷のツリーや建物の壁面に映像が映し出され、クリスマスへの期待がどんどん膨らんでいく。このような学生のデザイン演出に対して、竪町商店街ではワンドリンク・フードのサービスやコンサートなどの企画を重ね、更なる賑わい創出を仕掛けた。
竪町商店街では商売の枠を超えて、まずは若者が集い楽しんでもらうストリートにしたいと考えている。その意味で、年間を通じて最も大切なクリスマスの期間に建築系の学生とコラボレーションし、ストリート全域のデザイン演出を試みたことは重要な意味を持つ。幾度ものミーティングを踏まえ、学生たちはその意図を十分汲みとり、街の期待以上のデザイン成果をつくりあげたと評価できる。この企画の成功を通して、竪町商店街では次年度からの冬の演出企画についても学生たちとのコラボレーションを続けたいと強く要望している。本事業は大学COC事業「空間デザイン研究」の一環であるが、このような学生の知恵や感性が地域に目に見えるかたちで還元されていく活動は学生のモチベーションも高くなり、地域への貢献に加えて学生への教育的効果も非常に大きい。そのため、大学全体として継続的に支援、推進していきたいと考えている。
樹氷のツリーと ポインセチアの花畑 |
雪の結晶と雪玉をイメージしたオブジェ |