平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

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お知らせ(平成26年度)

市民参画まちづくり実践講座
平成26年度つぶやきを形にするまちづくり学校 全10回講座終了

2014.12.16

事業プランを説明する学生

 地(知)の拠点整備事業の平成26年度の活動の一環として開催していた、市民参画によるまちづくりの実践講座「つぶやきを形にするまちづくり学校」が昨年12月16日(火)に全10回の講座を終了した。

 この事業は、プランニングに使う様々なワークショッププログラムを学び、ファシリテーターとしてのスキルを身につけながら、自分自身の「まち」に対する想いを実現可能なプランとして組み立てていくための実践的なまちづくり講座。イノベーションを生み出すための考え方のアプローチや流儀を実際のプランを通じて体験的に学びあうもので、学生4人、地域住民21人が参加した。

 参加した受講生たちはまちづくりに対して興味をもっている人が多く、地域の活性化に貢献したいと願っている人ばかりだ。講師は(株)御祓川の代表取締役社長である森山奈美氏。森山氏は故郷の七尾市の賑わいが中心市街地を流れる「御祓川」の汚染ともに失われ、都市の衰退を招いているとして、この川の清流と周辺の賑わいを取り戻すためのまちづくり会社「御祓川」に入社。まちづくりの再生のために、地元地域住民、自治体との交流に努めている。まちづくり民間企業として活躍をしている御祓川の取り組みは全国でも注目を集めており、金沢市、野々市市でも森山氏がファシリテーターとなる会議が多数行われている。本事業は、参加者の熱い想いの「つぶやき」を形にし、実践することを目的として「つぶやきを形にするまちづくり学校」と命名。平成26年度は5月13日(火)の開校式を皮切りに、10回の講座を開講した。

日程 テーマ
1 5月13日 キックオフ 対話の時間:この講座で学びたいこと
2 5月27日 自分のテーマを見つけよう!
3 6月17日 現状を把握して問題点を見つけよう!
4 7月8日 こうだったらいいな~ビジョンを描こう!
5 8月5日 中間発表~他者の目で磨かれる~
外部メンター:KAKUMA NO HIROBA  代表 仁志出憲聖
6 9月30日 問題の構造を探ろう!~本質を見抜く
7 10月21日 実現に向けた有効な打ち手を考える~プランニング①
8 11月11日 ビジネスモデルを組み立てる~プランニング②
9 12月2日 プランニングブラッシュアップ~プランニング③
10 12月16日 最終発表~実現に向けたスタートを切る


 講座は、まず前半はまちづくり活動で最も大事な仲間作りから始まり、プロジェクトリーダーとして必要なプロジェクトデザインの方法(ワークショップの進め方、俯瞰した問題の捉え方など)を学んだ。そして、まちの中にある問題点を見つけ、自ら取り組むべきテーマを見つけ、その問題が10年後にはどのような解決策があるか、将来のビジョンを絵日記で表して相互に発表しあった。中間発表時には金沢市内でまちづくり活動を実践しているKAKUMA NO HIROBA代表・仁志出憲聖氏をメンターとして迎え、受講生の提案に対してアドバイスをいただいた。


森山氏に指導を受ける学生

 後半の講座では、自らのテーマの実践・実現に向けて「行動」に対して、5W2H(Why、What、Where、Who、When、How、How much)の視点からより具体的なアクションプランをまとめた。受講生らは、自分がテーマとする課題の「真因」を見つけ、プロジェクトメンバーが主体的に議論に参加できるノミナル・グループ・プロセス(※)を学んだり、何度もお互いにアドバイスをしあった。第9回目には外部メンターとして七尾市議会議員高橋正浩氏に出席いただき、森山氏とともに七尾市の賑わい創出に取り組む実績から、受講生の熱い想いに対して実践的なアドバイスをいただいた。

  最終回の10回目には、13件のプランが発表された。1件ごとの発表に対して、森山氏と外部メンターの小中真道氏(特定非営利活動法人くくのち・副理事長)、そして受講生らがこれから実践に向かうビジネスプランとしての最終審査として5段階で評価しあった。森山氏と小中氏からは、時折厳しいコメントも頂きながら、受講生は明日から実践するまちづくりプランを仕上げた。

<次年度提案事業テーマ>
■ TO MAKES A DREAMS COME TRUE~夢は実現する!NPV47ひたむきな君のために~
■ 野々市のコンテンツを発掘するために市民とともに活動を進めることに挑戦します!~パルの会の規約・活動目標を見直す。事務局に依存した運営方法を見直す~
■ 学生とつくるコミュニティin 北部・南部 ~中林土地区画整理事業に若者(大学生を含む)の考えを取り入れる!!~
■ 野々市ふれあいプロジェクト
■ カメリア・パル親子体験塾をもっと興味のあるものにする!
■ 伏見台商店街の活性化イベントの実施
■ 誰でも気軽に参加できるボランティア情報の発信
■ 野々市を知って、交流して、発信!~野々市シャルソン セカンド~
■ 旧北国街道のにぎわいを取り戻す~空き家の活用と歩きたくなるまちづくり~
■ 学生とつくるコミュニティin北部・南部地域~学生団体と地域住民の交流の場づくり~
■ 学生とつくるコミュニティin北部・南部~交流の場づくりと市民・学生のコラボレーション~

 講座が終了したのちも受講生たちはコミュニケーションを取り合い、提案した事業を次年度から実践・実行するべく活動を継続している。今後、受講生らの企画が運営され、住民一人ひとりができるまちづくり活動が繰り広げられることが楽しみである。

 本事業を通して、受講した学生たちは地域と深いつながりをもつことができた。それは人材交流だけではなく、地域における解決すべき課題を地域住民と共有できたこと、一つの課題に対して対等に議論ができたことは、その地域にしかない文化やルールといった住民目線を理解することができた。その地域にふさわしい解決方法、その地域でしかできない解決方法を見出す必要があることも学ぶことができたであろう。今後地域志向の要素を取り入れたプロジェクトで活躍することが期待される。平成27年度以降も本事業の取り組みを継続し、地域住民のまちづくり事業に対する知識・活動レベルアップに貢献しつつ、本学学生にとっても充実した学びの場を提供し、地域で活躍できる人材育成をサポートしていきたい。

※ノミナル・グループ・プロセス(nominal group process)
ブレインストーミングで出されたアイデアにチームとして順位付けを行い、重要だと思われるアイデアのベスト5を中心にディスカッションしていく方法。

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