平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

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お知らせ(平成26年度)

ポジティブ心理学を活用した地域におけるメンタルヘルスのボランティアの育成プロジェクト
野々市市民カウンセラー養成講座 第一期終了

2014.11.25

 文部科学省「地(知)の拠点整備事業(COC事業)」による取り組みの一つである「ポジティブ心理学を活用した地域におけるメンタルヘルスのボランティアの育成」プロジェクトでは、平成26年10月から11月にかけて、野々市市民に対する「市民カウンセラー養成講座」を全6回(講座5回・フォローアップ1回)開講した。


学生たちが傾聴方法について実演

 金沢工業大学 心理科学研究所の塩谷亨教授(所長)・松本圭准教授・山上史野講師・松本かおり講師・石丸雅貴助教および研究所の学生により運営される本事業は、野々市市の福祉総務課と協力して今年度より新規発足した取り組みである。

 悩みを持つ人の相談相手は専門家より身近な人の場合が多数を占めている。しかし相談された方がどう対応していいかわからないというケースが多く、逆に相談された側が悩みを抱えることにもつながりかねない。悩みを持つ人の相談に気軽に応じ傾聴することによって、相手の心の癒しに貢献する人材(専門家ではない)のことを「ゲートキーパー」(本講座では「市民カウンセラー」と称している)といい、本講座ではその人材の育成に努めた。野々市市に傾聴スキルを学んだ市民カウンセラーを増やしていくことで、地域の癒しの力を強めることを目的としている。

 平成26年9月に本講座の募集を開始したところ、わずか1週間で定員の30名が埋まり、急きょ40名まで増員しての開講となった。その後も応募は後を絶たなかった。応募者の動機はまさに「身近な人の相談に乗りたい」というものが殆どであり、連携している野々市市にとっても、潜在するニーズを知るよい機会となったようであった。
 本講座の参加者は、「市民カウンセラー」になるべく傾聴方法及び心理の知識・社会資源(相談窓口)の知識を学んだ。各講座では先生方による講義の他、グループに分かれてのロールプレイも頻繁に行い、参加者は傾聴スキルを高めていった。本講座はポジティブ心理学を活用しており、各参加者に向けて講座の終わりに、家で簡単にできる宿題を出していた。これは1日ごとに起こった良いことを記していくもので、継続することで日々の生活に対して前向きになることができる。その効果もあってか、講座の各回ではいつも参加者の笑顔が絶えず、ほがらかな雰囲気が漂っていた。
 講座の第1回目には野々市市の粟市長に、第5回目には本学石川学長にお越しいただき、参加者に向けて激励の言葉を頂いた。全5回の講座を修了した参加者は、6回目のフォローアップ講座で今後の活動について話合った。野々市市としてもこのような取り組みは初めてのことなので、市民の方々の意見を取り入れつつ、今後の展開を共に考えていく形だ。

 市民カウンセラー養成講座は次年度以降も継続して開講する。さらに、修了生たちの今後の活動もサポートしていく予定だ。野々市市全域に市民カウンセラーの輪を広げる本事業を継続することで、地域コミュニティのさらなる活性化及び、本学と野々市市の連携強化、そしてなによりプロジェクトに関係する本学学生の実践的な学びにつながるであろう。


ロープレを行う野々市市民

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