ホーム > 事例紹介

高校教員合同研修会を開催

平成30年8月7日から9日の3日間、本学が主催となり、高校教員を対象として、高校と大学の教員・学生らが学び合う合同研修会を実施した。この研修会では、今年の3月に改訂された学習指導要領で注目が一層に増したPBL(プロジェクトベースドラーニング)をテーマに置き、今年で3度目の開催となった。なお、この研修会には過去5校(合併した高校を同一カウント)が参加し、3校がPBLの実践に結び付けるなど、PBLと教育評価を軸とした高大連携における重要な役割を果たしている。

研修プログラムは、講義「PBL概論」、演習「プロジェクト活動」、講義「教育評価法」の3パートに分かれて行われた。
「PBL概論」では、学習法の種類や特性を学び、PBLのルーツと考えられるデューイやキルパトリックらの考えや当時行われた実験を解説し、今日なぜPBLが注目されているかを理解する内容であった。 演習パートは、研修の8割方の時間を使って行われ、受講生3人と学生スタッフ1人が班を組み、各班にファシリテーターの教員を配置して、障がい・高齢者の食事と排泄をテーマにして行われた。本学の研修の最も大きな特徴がこの演習にあり、PBLにおける活動の一連を教育者の立場と学習者の立場の両面から体験することにある。
PBL研修の多いケースでは、それぞれの活動フェーズの解説や事例学習、部分的な演習などであるが、現役の高校の先生方の学習者としての経験が少ないPBLでは、時間的なプレッシャーや活動を通して思考の深まる過程、評価すべきポイントの感覚を掴むことが難しい。そのため、先進的に取り組める環境(時間・場所・サポート)を用意し、実際に活動を経験することが効果的であろうとスタートして、今日まで高評を得ている。
研修の最後に行われた「教育評価法」の講義では、学習法とそれに適した評価法の特性を解説し、評価と指導の一体化に向けて評価がどうあるべきかを考え、その中でもルーブリックがなぜ今日注目されているかを理解するため、学生のポスターを使った体験も盛り込んで行われた。

高大連携が中等教育、高等教育のキーワードとなって久しくなり、先述した学修指導要領の改訂を受け、これまで主流であった大学の教員や学生が高校生を指導するような高大連携から、こうした双方の教育の質の向上を目指したものへと注目が移っていくものと考える。
今後も高校との縁を大切に、本学の教育の向上に繋がるよう、一層努力していきたい。

開催概要

高校教員合同研修会

開催日程:平成30年8月7日から9日
開催場所:金沢工業大学扇が丘キャンパス
対象:高校教諭

スケジュール
1日目 PBL概論、PBL演習①(問題発見、テーマ設定他)
2日目 PBL演習②(分析・調査、解決条件設定)
3日目 PBL演習③(解決策の具体化)、ポスターセッション、教育評価法

>> 事例紹介一覧へ <<