産学連携を教育システムの中で体系化し、工学技術者として具体的な技術分野における調査・分析力、企画・立案能力、検証・解決能力、開発マネジメント力の4つの能力の向上を図る。これにより、「安全安心なものづくり」のプロフェッショナル・マネージャーとして、広い視野のもとでプロジェクト研究開発ができる高度専門技術者・研究者の養成を目指す。
複合材料構造・システムを多機能化するとともにその信頼性を向上させることで安全安心な社会の構築に寄与することを目指して、材料力学・破壊力学などの基礎工学的力学系研究とそれらの応用としての最新の複合材料工学・生体工学などの研究領域において、単一あるいは複合的に研究を行う。これらの研究活動を通して機械基盤分野の高度知識を十分に身につけるとともに、ものづくり・機械技術分野で幅広く活動できるように工学設計過程的研究アプローチを重視し、高い応用能力の修得を図る。
目標●複合材料工学や生体工学に関連する基礎工学的学問分野において研究活動ができる。複合材料工学や生体工学に関連する基礎工学的学問分野における高度な知識を身につけ、応用できる。工学設計過程を身につけ、ものづくり・機械工学分野の問題に適用できる。
安全で安心な機械を設計するためには、材料力学における基本概念である「応力」と「ひずみ」、「応力-ひずみ関係」を十分に理解し、かつさまざまな実用的な問題を解くことのできる応用力を身につける必要がある。本科目では、学部において学んだ材料力学の知識を基礎として、より実用的な問題を数多く解き、機械設計技術者にとって必要な材料力学の基礎と応用力を身につける。
目標●応力、ひずみ、応力-ひずみ関係の概念を説明できる。不静定問題などの実用的な問題を解くことができる。実用的な問題の解析過程を第三者に分かりやすく解説することができる。
無機化学および物理化学は、無機機能化学の基礎となる科目であり、さらには机上における知識の修得のみではなく、演習を交えてはじめて十分な学力が修得できる科目である。本科目においては、物質の状態、化学熱力学、熱化学、化学結合、化学反応、結晶構造などの基礎的な項目について、演習をまじえながら学んでいき、学部における自らの学びを振り返りながら、修得してきた知識をより実践的な知恵に変えていくことを目標として修学を進めていく。
目標●原子および分子の構造、物質の状態と構造、熱力学第一法則および第二法則を説明でき、これらに関する演習問題を解くことができる。化学反応速度論を説明でき、これに関する演習問題を解くことができる。
複合材料を製品化するためにどのような成形加工プロセスを経て製造されるかを各種成形方法に沿って理解する。その製造過程で実用化する際の基本条件(コスト、品質)を達成するために必要な生産技術とは何かを理解し、ものづくりに必要な基本的な理念を追求できる人材になることを目指す。
目標●複合材料製品の強化繊維や母材の選定方法を理解できる。要求仕様に対応した最適な成形方法や主要設備を提示できる。各種成形方法の特徴や技術のポイントおよび低コスト化のための生産技術課題を理解できる。実際の複合材料の成形を通して、技術課題を理解できる。
炭素繊維強化プラスチックをはじめとする先進複合材料は、最新の宇宙・航空機構造に適用されており、自動車一次構造やインフラ構造物への応用も盛んに検討されている。持続可能な社会の構築のためには、複合材料の特徴を活かした設計をおこなうことのできる高度専門応用能力・高度システム化能力を持った人材の育成が求められている。本科目では、力学特性・機能発現メカニズムを統合的に理解した複合材料構造の設計ができるようになるために、複合則から積層理論や損傷・破壊理論に至る複合材料に関する力学・知識を習得する。
目標●複合材料における複合効果の考え方や微視構造設計アプローチを説明できる。複合則、エシェルビーの等価介在物理論や積層理論を用いて、複合材料の変形挙動を予測できる。繊維・樹脂・界面の力学挙動について説明でき、複合材料の変形・破壊特性を予測できる。
各産業における複合材料のオリジナルなマトリックス基本仕様案をまとめ上げる。また、これを通して、産業で求められるものづくりの基本を理解し、周りを巻き込んで即実践できる人材とは何かを学ぶ。すなわち、ケーススタディを通して、複合材料、特にはマトリックスとは何かを習得するとともに、ものづくりに必要な能力を身につける。
目標●あるべき姿を現在取り巻く環境から予想し、材料に落とし込むことができる。あるべき姿と現状の位置づけを示すことができる。奇抜なアイデア発想能力、解析力、整理力、コミュニケーション能力、リーダーシップ力を身につけることができる。
炭素繊維強化プラスチックをはじめとする先進複合材料は、最新の宇宙・航空機構造に適用されており、自動車一次構造やインフラ構造物への応用も盛んに検討されている。持続可能な社会の構築のためには、複合材料の特徴を活かした設計をおこなうことのできる高度専門応用能力・高度システム化能力を持った人材の育成が求められている。本科目では、複合材料の物理的・化学的・力学的な特性の評価技術について学ぶとともに、そのベースとなる学問的知識を習得する。
目標●複合材料における化学分析法、物性評価法、破壊特性評価法、損傷評価法、耐久性評価法のベースとなる考え方を理解でき、その方法や留意点などについて説明できる。
高強度、高剛性を有する一方、異方性を有する複合材料の設計や強度予測において、数値シミュレーションは欠かせないツールとなっている。特に、有限要素解析では複雑な種々の現象を解明するための汎用ツールが利用可能であり、ユーザーサブルーチン等のカスタマイズ機能を用いれば、より自由かつ複雑な計算が可能となる。本科目では、数値シミュレーションの基礎となる数学的知識やプログラミング言語の習得により、ブラックボックスとなりがちな計算過程や、ユーザーサブルーチン等の応用機能の基礎となる知識を習得する。
目標●数値シミュレーションの計算過程を理解できる。マトリックスの演算方法、剛性マトリックスの導出方法について説明できる。Fortranを用いて、数値演算プログラムを作成できる。有限要素解析についてその概要を理解でき、サブルーチンを用いた数値計算ができる。
炭素繊維強化プラスチックをはじめとする先進複合材料は、最新の宇宙・航空機構造に適用されており、自動車一次構造やインフラ構造物への応用も盛んに検討されている。持続可能な社会の構築のためには、複合材料の特徴を活かした設計をおこなうことのできる高度専門応用能力・高度システム化能力を持った人材の育成が求められている。本科目では、複合材料の構成要素や界面での力学的・化学的特性発現を支配する分子レベルの挙動を記述する分子動力学法の基礎を学ぶとともに、その演習をおこなう。
目標●分子動力学法の必要性について説明できる。分子に関する並進および回転の運動方程式について説明でき、分子間相互作用について説明できる。分子動力学法における種々の数値計算法、アンサンブルの発生について説明できる。分子動力学法を用いたコンピュータシミュレーションを実行できる。
炭素繊維強化プラスチックをはじめとする先進複合材料は、最新の宇宙・航空機構造に適用されており、自動車一次構造やインフラ構造物への応用も盛んに検討されている。持続可能な社会の構築のためには、複合材料の特徴を活かした設計をおこなうことのできる高度専門応用能力・高度システム化能力を持った人材の育成が求められている。本科目では、複合材料の変形・破壊特性に関する基礎知識を修得した後に、積層構成設計に基づいて複合材料成形法および材料試験法の実習を一連の流れとして実施し、その理解を深める。
目標●複合材料における変形・破壊理論を理解し、積層理論・破壊則に基づいて繊維強化プラスチック積層板の積層構成を設計し、それを成形することができる。成形した繊維強化プラスチック積層板の材料試験を実施し、得られた結果を正しく整理できる。チームプロジェクトとしてのコラボレーション能力を発揮し、その中で技術者倫理に基づいて行動できる。
産業界における企業の活動を理解し、専攻する専門領域に加え、幅広い専門知識の修得の必要性を学ぶ。具体的には、新卒採用場面において大学院生に求められている能力やコンピテンシーを理解し、さらに修了までに専門性をどのように高めていく必要があるのかということを明確化する。これらにより、自らが思い描くキャリア像を、社会から必要とされる技術者像へと近づけていく。また、社会で必要な社会人基礎力とそこに示される指標に基づいた自己分析を行い、今後の産学連携教育に対する修学プランを立案する。
目標●産業界における企業の活動を理解し、専攻する専門領域に加え、幅広い専門知識の修得の必要性を学ぶ。具体的には、新卒採用場面において大学院生に求められている能力やコンピテンシーを理解し、さらに修了までに専門性をどのように高めていく必要があるのかということを明確化する。これらにより、自らが思い描くキャリア像を、社会から必要とされる技術者像へと近づけていく。また、社会で必要な社会人基礎力とそこに示される指標に基づいた自己分析を行い、今後の産学連携教育に対する修学プランを立案する。
企業の業務体験や企業の提供課題の解決案の提案等の業務を体験し、仕事の進め方や技術者として要求される知識・技術や人間力(社会人基礎力)等についての理解を深める。修得している知識、技術および人間力と企業の業務遂行上必要な知識、技術の深さと広がり、および人間力の内容とレベルの相違を認識し、自分が修得もしくは磨くべき項目を深く理解する。就業体験を参考に大学院の修学計画の立案、キャリアデザインの再検討および具体的な進路選択の参考とする。
目標●就業体験企業の企業概要を作成し、企業を理解できる。就業体験計画が立案できる。体験に必要な予備知識を調査し、事前学習を行うことができる。業務の遂行または提供された課題の解決案を作成できる。実施記録や実施報告書を作成し、発表または報告できる。就業体験をもとに今後の大学院修学計画を立案できる。
炭素繊維強化プラスチックをはじめとする先進複合材料は、最新の宇宙・航空機構造に適用されており、自動車一次構造やインフラ構造物への応用も盛んに検討されている。持続可能な社会の構築のためには、複合材料の特徴を活かした設計、成形、評価をおこなうことのできる高度専門応用能力・高度システム化能力を持った人材の育成が求められている。本科目では、複合材料の設計方法、成形方法、評価方法について学ぶ。
目標●複合材料の特徴を理解したうえで、目的とした複合材料を適切な方法で設計し、成形できる。成形した複合材料が目的の性能を有していることを適切な方法で評価できる。
本科目では、高信頼ものづくり専攻特別講義Ⅰに引き続き、複合材料の設計方法、成形方法、評価方法について学ぶ。
目標●複合材料の特徴を理解したうえで、目的とした複合材料を適切な方法で設計し、成形できる。成形した複合材料が目的の性能を有していることを適切な方法で評価できる。
本授業を通して、狭い研究領域にとどまらず広い視野の下に既存の科学技術あるいは研究領域の融合、新しい領域の開拓に対処できる能力の獲得を目指す。特に、実際の産業において活用できるような総合的な知識・応用力・発展力を身につける。新しい研究・技術分野あるいは価値・製品の創出の糸口を得る。
目標●本質・真理を常に大事にし、未知のもの・わからないことに、好奇心を持って取り組むことができる。広い視野と興味を持つことができる。材料力学との融合をはかり、新しい問題点を発見でき、解決案を創出できる。複合研究・技術領域において、工学設計過程にしたがって行動できる。豊かな人間力を持つ機械系高度専門技術者・研究者として活動できる。
複合材料構造・システムを多機能化するとともにその信頼性を向上させることで安全安心な社会の構築に寄与することを目指して、材料力学・破壊力学などの基礎工学的力学系研究とそれらの応用としての最新の複合材料工学・生体工学などの研究領域において、単一あるいは複合的専門研究を行う。そして、これらの研究活動を通して、ものづくり関連分野に展開でき、かつ国際的にも通用する高い問題発見・解決能力を身につけるとともに、専門分野において自立して研究活動ができる卓越した能力を養う。
目標●科学技術に広く関心をもち真理への探究心とともに実際の応用的視野力をもつことができる。国内外を問わず専門情報を広い範囲で収集・分析し、その内容を理解し問題点などを指摘することができる。研究成果を国内外の専門学会などにおいて発表し意見交換できる。研究成果を論文としてまとめ公表することができる。科学技術に関わる研究者として十分な自覚をもち自己の技術哲学をもつことができる。
高度専門技術者や研究者にとって、自らが取り組んでいる研究の置かれている状況を客観的に分析すること、さらなる研究価値を向上させることは重要である。このとき、社会的要請、社会が受ける研究成果によって得られる価値、競合する研究との差別化などを合理的に理解・整理すること、あるいはそれらが考慮された研究を行うことが必要である。さらに企業にあっては国際的な標準化を視野に入れた開発や知財による研究開発の保護などを十分考慮して企業価値を高めることが必須である。本科目は、これらのことを具体的な事例を交えて、企業価値の創造やイノベーションの創出を考え、研究活動に結びつける手法について学ぶ。
目標●社会要請、社会が受ける研究成果によって得られる価値、他の研究との差別化、または国際的な標準化に対する位置付け、知財による研究開発の保護などの企業価値と直結する内容について学び、研究活動に活かすことを目的とする。
この科目では、「特殊研究」で行う研究テーマと関連のある研究や技術開発の現状について様々なデータベースを活用して調査し、収集した論文や特許情報などをもとに、その動向を展望しながら博士論文の序論ならびに目次構成を検討するとともに、研究のテーマとそのオリジナリティーを明確化する。そして、大学院在学期間における研究計画・修学計画を立案することを目標とする。この際、リサーチインターンシップにおける派遣先の決定を視野に入れておく必要がある。
目標●自らの専門研究分野についての最先端の研究・技術開発を調査し、その動向を展望できる。博士論文の序章ならびに目次構成を検討するとともに、研究のテーマとそのオリジナリティーを明確化することができる。大学院在学期間における研究計画・修学計画を立案することができる。
この科目では、「特殊研究」で行う研究テーマと関連のある研究や技術開発を行っている民間企業、あるいは公的研究機関に数ヶ月滞在し、組織の中で実践される研究・開発のプロセスについて理解を深めると共に、一人の研究・開発者としての位置づけと組織に貢献することの意義を理解するために就業体験を行う。派遣先は、本学にある研究所や、「特殊研究」の指導教員との共同研究及び受託研究を基盤に、密接に連携している企業、あるいは公的研究機関の中から、派遣先の意向も考慮して決められる。
目標●自らの専門研究分野について、最先端の現場で行われている研究・技術開発について理解できる。就業体験において提供された課題を深く理解し、具体的な解決策を立案し、実際に試行することができる。就業体験を基に大学院での残りの期間の研究計画・修学計画を立案できる。