自然環境と調和を図りながら、国内外の社会基盤を効率的に計画・設計・施工し、それらを適切に維持管理することができ、整備効果についても評価することができる総合的な実践的能力を持った高度な環境土木技術者・研究者を育成する。さらに社会状況の変化を的確に判断し、国民に安全・安心で快適な社会生活を提供するために、自ら考え行動する高度な環境土木技術者・研究者としての人間力も養成する。
国内外の各種社会基盤を効率的・合理的に設計・施工・保全することは、極めて重要な社会的要求である。そのために、各種の材料を用いて建設された構造物について、それらの合理的な設計法、施工法および維持管理法について最新の知見を学び、高度な構造物設計に対応できる高度専門技術者・研究者の育成を目指す。
目標●自らの研究目標を策定し、目標に向かって計画を遂行できる。国内外の学会、シンポジウム、国際会議に発表できる。先端的な論文を調査・収集し、熟読することにより自らの研究の参考にできる。
環境土木工学の中の、水に関する分野、特に、流体力学、水理学、水文学、河川工学、海岸工学、港湾工学、環境工学における、流出解析、洪水予測、砕波の力学、海浜変形、環境変化予測、環境影響評価について、いままでの研究者とは異なるアイデアに基づいて、その現象を力学的に解明し、それを実験や計算値と比較する。
目標●主に、英文の文献が読むことができる。流体現象を表す力学方程式を導きかつ、理解することができる。自分の考えを日本文にまとめることができる。
インターネットが浸透し、いつでも、どこでも、だれでも、どんなものからでも情報社会に接続できるユビキタス社会が到来している。現実の都市空間を三次元もしくは時系列を加えた四次元情報として構築することは、環境モニタリング、災害復旧、文化財保護、都市開発計画などに有用に活用できる。そのために、空間情報に関する最新のITやICTを駆使し、三次元空間を含む高度な地理空間情報の取得・作成・利活用に関する技術に関して学び、高度な情報計画に対応できる高度専門技術者・研究者の育成を目指す。
目標●自らの研究目標を策定し、目標に向かって計画を遂行できる。国内外の学会、シンポジウム、国際会議において発表できる。空間情報工学に関する英文論文を読み日本語でプレゼンテーションができる。先端的な論文を調査・収集し熟読することにより自らの研究の参考にできる。
建設事業の効率化が求められる中、国内外の社会基盤整備を効率的に計画・設計・施工・維持管理するための科目である。そのために、建設事業の各段階における問題点を把握し、それらに対する解決策を研究する。
目標●さまざまな社会基盤を効率的に計画・設計・施工さらには維持管理するための最新かつ高度な技術を創造できる。
国際社会における日本の役割を理解し、国際協力および国際貢献のしくみと方法を学ぶ。日本と開発途上国の社会基盤の整備状況を知ることで、日本の果たすべき役割を考察する。また、環境土木分野における日本の国際協力・国際開発の実績を調査する。実際の国際開発プロジェクトをケーススタディとして、国際開発における調査・設計・開発スキームおよび評価方法を学び、現状の課題について考察する。これらのケーススタディを通し国際開発についての理解を深める。
目標●国際社会における日本の役割を理解し、国際協力など国際貢献のしくみと方法を説明できる。国際開発の調査・設計・開発スキームおよび評価方法を説明できる。国際開発における現状の課題について意見を述べることができる。
自然災害の種類と特徴を学ぶ。加えて、防災計画の立案とその適切な運用についても学ぶ。特に、地盤や河川の基本的な工学的特性や挙動の修得こそが適切な計画・管理にとって不可欠となることを強調する。
目標●災害外力の基本である極値分布とその設計法への導入方法について理解できる。特に、地盤災害の予知法を骨子とする防災計画の立案や緊急時の管理手法について学ぶことができる。実務者にとって重要となる災害時の応急復旧および本復旧対策法が学ぶことができる。最近の地震災害が注目される中、具体的な地震特性と地盤挙動の関連を学ぶことができ、その耐震設計手法についても理解できる。
学部で行った構造力学関係の科目内容を補充する。先ず、構造物の弾性変形として、仕事、ひずみエネルギー、仮想仕事の原理、カスチアノの定理、相反作用の定理などを学習する。そして、仮想仕事の原理による不静定ばりや不静定トラスの具体的な解法を学習する。さらに、たわみ角法における角方程式の適用法、および 3 連モーメントを学習する。
目標●仮想仕事の原理に基づく弾性方程式を用いて、不静定構造物の具体的な解法を説明できる。さらに、静定・不静定構造物の断面力を計算することができ、正確な断面力図を描いて説明できる。
わが国の主要都市の多くは軟弱な沖積平野に位置している。このような地盤に係わる場合、基礎地盤や切盛土斜面の破壊に対する安定・支持力問題と盛土や構造物あるいは周辺地盤の沈下・変形問題に苦慮することが多い。したがって、計画、設計、施工いずれの分野の業務を担当する場合でも軟弱地盤を構成する粘土や有機質土からなる地盤の力学的特性を十分理解しておく必要がある。講義では、圧密・せん断強度に関する基礎理論と現場事例よりその設計施工上の問題点について講義する。
目標●圧密と強度増加の基礎理論について理解し、説明ができる。慣用的圧密解析法とその問題点について説明できる。軟弱地盤における土木工事とその問題点について説明できる。土の構成式の基本的な考え方が理解できる。弾塑性構成式(カムクレイモデル)によって土の変形を予測できる。
社会インフラを構成する膨大な情報を位置と時間をコアに効率的に管理する「空間情報社会」および、いつでも、どこでも、誰でも、どんなものからでもネットワークにつなぐことのできる「ユビキタス社会」の実現にはIT技術、ITS技術、空間情報工学などが不可欠である。本講義では、第5の社会基盤と称されている地理空間情報の概念について教授する。
目標●空間情報工学おける3S技術(GIS、GNSS、リモートセンシング)の概要について説明できる。地理空間情報活用推進基本法について説明できる。IT技術およびITS技術と地理空間情報の関連および活用法について説明できる。
社会基盤施設を構成している多種多様な環境土木構造物は、安全性などに対してどのような考え方や指標で設計されているのか各種設計法を中心に講義を行う。内容的には、社会基盤施設に要求される社会的要因、保持すべき力学的機能、許容応力度設計法、信頼性設計法および限界状態設計法、性能照査型設計法、各種設計法の特徴・留意点・問題点などを学習する。さらに、耐震設計法も学習する。
目標●構造物に要求される社会的要因、保持すべき機能が理解できる。構造物の設計に対する安全性などの考え方や指標が理解できる。各種設計法の内容・特徴・留意点・問題点などが理解できる。各種設計法の時代的推移が理解でき、構造物の設計に対して統合的な設計論を説明できる。
海や川には多様な水の運動がある。水の運動を管理して、自然環境と共存する水空間を創出することについて学ぶ。これは、単に魚礁の設置方法を学ぶというようなことではない。自然環境と生物の生息環境を安定化させ、かつ、持続性のある水空間の開発を可能にする方策を学ぶことである。講義では海岸工学、河川工学、数値流体力学、生物学などの多岐にわたる分野について理解し、水環境に関連した社会基盤施設と自然環境の調和について学習する。
目標●水の運動と数値モデルとの関係を説明できる。水の運動から自然環境や社会基盤施設を防護するための方策を説明できる。海や川での生物の生息環境を安定化させるための指標や方策が説明できる。水空間に社会基盤施設を設置した場合に、施設が周辺環境に与える影響を理解できる。
我が国においては、多くの土木構造物が供用されており、豊かな国土を形成している。しかしながら、建設から既に 40~ 50 年間以上が経過する構造物も増えており、“ 材料劣化 ” が顕在化している。このような背景を踏まえ国土交通省では、鉄筋コンクリート構造物の「塩害」と「アルカリシリカ骨材反応」および鋼構造物の「疲労」を三大損傷と位置づけ、重点的な対策を検討している。したがって、今後の日本では、新設構造物の建設のみならず、既設構造物の維持管理も、環境土木技術者の重要な役目である。本科目では、土木構造物の経年劣化に対するメンテナンス技術を理解し、安全で安心な市民生活を守る方法を考える。また、既存構造物は本より、新規の土木構造物を資産(アセット)として捉えて管理(マネジメント)するアセットマネジメントの考え方を理解する。
目標●鉄筋コンクリート構造物における劣化(例えば、塩害など)について、実験を通じて現象を理解し、メカニズムを説明できる。また、その実態を既存構造物で調査し、劣化状態を診断できる。さらに、演習を通して、合理的な対策法を選択できる。
前半は地理情報システム(GIS)を用いて二次元または三次元の電子地図上に位置情報を付加し表示する手法について演習する。また、GNSSで取得したデータを地理院地図上に表示する。使用するGISソフトウェアは学部の測量学Ⅱおよび環境土木専門実験・演習Ⅲで使用したソフトウェアを用いる予定であるため、事前の復習が必要となる。
後半は石川県の砂浜海岸の汀線形状および砂の粒度分布特性の観測および計測を行う。汀線形状はGPS測量によって得られたデータを用いて潮位補正やローカル座標変換の学習を行い、過去のデータとの比較を行って、海岸工学的な観点から砂浜の変化を考察する。
目標●地理情報システム(GIS)で用いるラスターデータ・ベクターデータについて説明できる。GNSSの概要およびデータ取得方法と電子地図上への表示方法について説明できる。地理院地図など電子地図データに実験データを重畳して説明できる。
実測と演習を通して、海岸侵食および砂浜の変動についての基礎知識を養う。
東南アジアなどの開発途上国では、各種の土木構造物が必要とされている。そのため、日本政府は開発途上国に対してODAを通してさまざまな大規模構造物の建設事業を行っており、国際貢献に寄与している。海外で行われている建設プロジェクトの視察、ケーススタディを通して、国際開発の実際を経験する。国際開発に関する課題について考察しその結果をプレゼンテーションする。
目標●日本の建設会社が海外で構造物を建設する際の特徴を理解できる。発展途上国における建設現場を視察し、使用機材や工期・工区などのハード環境を確認するとともに、複数国出身者が共同で作業するために心掛ける異文化交流などのソフト環境を認識できる。日本国内と海外の建設段階における実施方法の違いを説明できる。
産業界における企業のさまざまな活動について理解し、自らが専攻する専門の領域に加え、幅広い専門知識の必要性を学ぶ。具体的には、経営品質の観点から「顧客本位に基づく卓越した業績を残す企業」のあり方、ならびにその企業の活動に対するエンジニアの関わり方について理解を深め、実社会の中で複雑に絡み合う専門領域の実情を学習する。これにより、自らが思い描く現時点のキャリア像を、社会から必要とされる技術者像へと近づけていくことが可能となる。また、社会から必要とされる社会人基礎力について学び、そこに示される指標に基づいた自己分析を行う。
目標●顧客本位に基づく卓越した業績を残す企業の特徴について説明する事ができる。企業の発展に寄与するエンジニアの役割について理解できる。社会人基礎力に基づいた自己分析を行うことができる。
実際の企業の業務体験や、企業が提供する課題の解決案の提案などの業務を行うことにより、仕事の進め方や企業の技術者として要求される知識・技術や人間力(社会人基礎力)などについての理解を深める。そして、自分が修得している知識、技術および人間力と企業の業務遂行上必要な知識、技術の深さと広がり、および人間力の内容とレベルの相違を認識し、今後自分が修得もしくは磨くべき項目を深く理解する。また、企業の社員との交流などから、業務の遂行に必要な人間関係の重要性を理解する。就業体験を参考に大学院の修学計画を立案し、自分のキャリアデザインを再検討する。
目標●インターンシップ先の企業概要が理解できる。的確な就業体験計画が立案できる。体験に必要な予備知識を調査し、事前学習を行うことができる。業務体験や提供された課題の解決案を作成できる。作業実施記録や実施報告書を作成し、発表または報告ができる。就業体験を基に大学院の修学計画を立案できる。
環境と共生する社会基盤の建設システムに関する企画・調査・設計および維持管理に関する最先端技術の動向に関する講義を行う。
目標●環境土木工学関連分野の先端技術の内容と動向について説明できる。
自然環境の保全と活用を考慮した社会基盤の持続的な開発を可能にする最先端技術の動向に関する講義を行う。
目標●環境土木工学関連分野の先端技術の内容と動向について説明できる。
環境を考慮した施工管理技術、構造物の適切な維持管理技術および社会基盤設備の将来計画に関する最先端技術の動向に関する講義を行う。
目標●環境土木工学関連分野の先端技術の内容と動向について説明できる。
この科目においては、受講学生の所属する専修科目担当教員以外の大学院担当教員の下で、一定期間(2単位相当分)研究活動を行う。その内容は、それぞれの担当教員の専門領域であり、それぞれ定める。この研究活動を通して、狭い研究領域にとどまらず広い視野の下に既存の科学技術あるいは研究領域の融合、新しい領域の開拓に対処できる能力の獲得を目指す。特に、実際の産業において活用できるような総合的な知識と応用力を身につける。
国内外の各種社会基盤の設計・施工・保全を効率的に進めるため、構造工学・地盤工学に関するより高度な構造物設計に対応できる高度専門技術者・研究者の育成を目指す。そのために、各種材料を用いた構造物の合理的な設計手法を学ぶとともに、その施工法や適切な保全方法についても学ぶ。これらは、専修科目である構造物設計工学研究を修得した上での高度な研究となる。
目標●自らの研究目標を策定し、博士論文の完成に向かって行動できる。国内外の学会、シンポジウム、国際会議に発表するとともに、査読付き論文を発表できる。先端的な論文を調査・収集し、熟読することにより博士論文に独創的なアイデアとして活用することができる。
環境土木工学の中の水に関する分野、特に流体力学、水理学、水文学、河川工学、海岸工学、港湾工学、環境工学における、流出解析、洪水予測、砕波の力学、海浜変形、環境変化予測、環境影響評価について、いままでの研究者が考えつかなかったアイデアに基づいて、その現象を力学的に解明し、それを実験や計算値と比較する。これらは、非線形偏微分方程式であるので、線形偏微分方程式はもちろんのこと、これらを解くことに習熟しなければならない。したがって、学生が主体となりすべてを遂行する。
目標●主に、英文の文献が自由に読むことができる。流体現象を表す力学方程式を導きかつ、解くことができる。自分の考えを英文にまとめることができる。新しい研究のアイデアを自分で引き出すことができる。
安心・安全・快適な生活を送ることができる社会を構築するため、空間情報をキーワードとして、より高度な地理空間情報社会の構築・更新に対応できる高度専門技術者・研究者の育成を目指す。そのために、ITおよびICTを駆使した近未来型ユビキタス社会の創生に関する技術を身につける。また、位置情報と時間をコアとした二次元、三次元および時間軸を加えた四次元の地形および建物デジタルデータを作成し、効率的な社会基盤の構築と維持およびリアルタイム更新手法について学ぶ。これらは、専修科目である情報計画研究を修得した上での高度な研究となる。
目標●自らの研究目標を策定し、博士論文の完成に向かって行動できる。国内外の学会、シンポジウム、国際会議において発表するとともに査読付き論文に登載される。空間情報工学に関する英文論文を読み英語でプレゼンテーションができる。
国内外の各種社会基盤を効率的かつ合理的に計画・設計・施工そして維持管理するための科目である。限られた予算で適切に社会基盤を整備する手法や各種の材料を用いて建設される構造物の合理的な設計法、施工法および維持管理法について研究する。
目標●さまざまな社会基盤を効率的に計画・設計・施工さらには維持管理するための最先端かつ極めて高度な技術を創造できる。
高度専門技術者や研究者にとって、自らが取り組んでいる研究の置かれている状況を客観的に分析すること、さらなる研究価値を向上させることは重要である。このとき、社会的要請、社会が受ける研究成果によって得られる価値、競合する研究との差別化などを合理的に理解・整理すること、あるいはそれらが考慮された研究を行うことが必要である。さらに企業にあっては国際的な標準化を視野に入れた開発や知財による研究開発の保護などを十分考慮して企業価値を高めることが必須である。本科目は、これらのことを具体的な事例を交えて、企業価値の創造やイノベーションの創出を考え、研究活動に結びつける手法について学ぶ。
目標●社会要請、社会が受ける研究成果によって得られる価値、他の研究との差別化、または国際的な標準化に対する位置付け、知財による研究開発の保護などの企業価値と直結する内容について学び、研究活動に活かすことを目的とする。
自然環境と調和を図りながら、国内外の社会基盤を効率的に計画・設計・施工し、それらを適切に維持管理することができ、整備効果についても評価することができる総合的な科目である。社会状況の変化を的確に判断し、国民に安全・安心で快適な社会生活を提供するための施策・方法について理解を深める。
目標●博士論文をまとめるための、プロポーザルができる。博士論文をまとめるための、フィージビリティ・スタディができる。
この科目では、「特殊研究」で行う研究テーマと関連のある研究や技術開発を行っている民間企業(あるいは、公的研究機関)に長期間(3ヶ月~6ヶ月)滞在し、組織の中で実践される研究・開発のプロセスについて理解を深めると共に、一人の研究・開発者としての位置づけと組織に貢献することの意義を理解するために就業体験を行う。派遣先企業(あるいは公的研究機関)は、本学にある研究所や、「特殊研究」の指導教員との共同研究及び受託研究を基盤に、密接に連携している企業(あるいは公的研究機関)などの中から、派遣先の意向も考慮して決められる。
目標●1. 自らの専門研究分野について、最先端の現場で行われている研究・技術開発について理解できる。2. 就業体験において提供された課題を深く理解し、具体的な解決策を立案し、実際に試行することができる。3. 就業体験を基に大学院での残りの期間の研究計画・修学計画を立案できる。