「電気」は最もクリーンで制御しやすいエネルギーであり、「電気」の発生から応用までを幅広く学ぶ電気電子工学分野は、地球環境と調和した高度技術化社会を形成する上での根幹をなす重要な学問療育である。本専攻では、①新しい電気エネルギーの発生とその応用分野。②家庭内、産業界で幅広く応用される電子計測・制御工学分野。③電気 ⇔ 光を実現するオプトエレクトロニクス、映像情報を的確に伝達するディスプレイシステム。④高度情報化社会を支えるアンテナ技術、通信技術、の4 つの学問領域を中心として基礎、応用を学び、新しい技術について研究する。電気電子工学分野に関する高度な学識レベルと豊かな人間性を備えた、創造性に富む国際的に活躍できる研究者、技術者を育成する事を目標とする。
現代社会に最も密着している電気エネルギー技術の専門的な知識を修得する。特に、高電圧の発生と電気絶縁設計技術、大電力送配電技術、絶縁材料応用技術、パワーエレクトロニクス応用技術、機械-電気エネルギー変換機器技術、磁気応用技術の分野で、社会の要求に対応した新技術の創製を目指し、基礎的な知見から実験的・理論的研究を行う。本研究を通して、電気エネルギー応用工学分野の問題解決能力を身につけ、専門分野で幅広く活躍できる人間性豊かな研究者、技術者を育成する。
目標●①電気エネルギーのさまざまな形態を理解し、それぞれの分野で対応した技術の問題点が指摘でき、その解決法が提案できる。②電気エネルギー工学分野の応用技術を幅広く説明できる。③国内外の学会で研究発表し、質問に的確に答えることができる。
先端電子計測・制御工学に関して基礎的な知識を修得する。微視的領域では、量子制御技術やイオン・プラズマ制御技術を使う産業ロボット用マイクロマシンや医療世界でのナノマシンなどの基礎知識を修得する。さらに循環型社会の構築に向けた光・化学エネルギー変換および制御技術の創成を行う。巨視的な領域(複雑系の領域)では外的光電磁気に対するソリトン生体信号の計測とバイオセンサーの知識の習得と固体から生体までの計測に対応できるレーザ熱波スペクトロスコピー(マイクロスコピー)技術に関する知識を修得する。
目標●1. 広範囲の電子計測・制御工学分野の説明をできる。2. 色々な分野に対応できる能力を養うことができる。3. この分野で幅広く活躍できる人間性豊かな研究者、技術者の基礎知識を身につけることができる。
電子デバイスや光デバイスならびにこれらを構成する材料技術や材料物性をより深く理解し、光・電子工学物性をより深く理解し、光・電子工学分野のデバイス開発およびデバイスの動作解析、ならびにこれらのデバイスに関連する無機材料および有機材料の合成、結晶成長技術、薄膜化技術、分析評価技術および応用技術などの実験的および理論的研究、もしくは光・電子工学分野のデバイスシステム、ディスプレイシステムもしくは光エネルギー有効利用システムなどの開発、もしくは実装技術や関連する電子回路とその集積化技術の研究開発を行う。上記の教育および研究活動を通して、電子デバイス・ディスプレイ工学分野の問題解決能力を身につけた専門分野で幅広く活躍できる人間性豊かな研究者、技術者を育成する。
目標●1. 光電子工学分野のデバイスや材料技術の現状を説明できる。2. 電子デバイスや光デバイス分野において材料やデバイスに関連する研究開発を実施できる。3. 得られた研究成果を論文としてまとめることができ、その成果を国内外の学術講演会などで発表できる。
高度情報社会の構築に不可欠な通信システムに関する技術の基盤的な研究・開発を行う。特に、無線(移動)通信用技術に重点を置き、アンテナの設計技術、解析技術およびインテリジェント化に関する技術、高周波信号の発生・増幅・周波数変換などを行うマイクロ波回路の高度化とフレキシビリティ拡大に関する技術、通信情報漏洩を防ぐ暗号方式の考案と特性解析および音響物理学と音響工学とを協調的に応用した音響機器と信号処理の技術に関する開発・研究を行う。本研究を通して、通信システム工学の問題解決能力を身につけた専門分野で広く活躍できる、人間性豊かな技術者を育成する。
目標●1. アンテナの最適設計、特性解析およびインテリジェント化などの研究・開発ができる。2. マイクロ波回路の高度化、フレキシビリティ拡大の研究開発ができる。3. 暗号方式と特性解析の研究・開発ができる。4. 音響物理学と音響工学とを応用した音響機器の研究・開発ができる。
電気磁気学はマックスウェルの電磁方程式により体系化された理論体系である。本特論では、電気時期現象の実験から得られた種々の法則を整理することによりマックスウェル方程式を導き、そこから導かれる電磁波の発生とその性質について議論する。理解に必要な微分、積分、ベクトル解析などの数学も必要に応じて内容に含める。講義とともに演習課題を設けることにより電気電子専攻の基礎学力としての定着を図る。
目標●1. 電界および磁界に関する諸法則の物理的内容を体系的に理解できる。2. マックスウェルの方程式および波動方程式の導出過程を説明できる。3. そこから帰結される電磁波の発生とその性質を理解できる。
「電気応用数学特論」では、学部までに修得した微分・積分、線形代数の考え方を広範囲に適用するため、微分方程式(偏微分、複素関数)、ベクトル解析(勾配、発散、回転、微積分)、フーリエ解析(級数、積分、変換)、ラプラス変換(初期値問題、伝達関数)などを体系的に学習する。また、数学的知識を電気磁気学、光波工学、電気制御、信号解析などの工学的諸現象に適用して実践的な応用問題に取り組む。数学は電気電子工学の専門分野を理解するために必要不可欠であり、数学を深く理解することにより、工学上の問題を発見し、解決する能力を養うことができる。
目標●1. 数量を複素数やベクトルとして表現できる。2. 微分・積分の考え方を理解し、実践的な応用問題が解くことができる。3. フーリエ変換やラプラス変換を用いて工学的諸現象を定量化できる。
電気電子回路理論において重要定理である重ね合わせの理、鳳テブナンの定理、ノートンの定理などの工学的方法の特質、および複素数やマトリックス・行列式などを用いた解析法を英文で復習し修得することを目的とする。具体的には英語の原書を用いて基礎的な電気諸現象の理解を試み、さらに基本的な回路素子の性質(抵抗、キャパシタ、インダクタ)と各種回路解析の取り扱いについて修得する。あわせて工学的なものの考え方について考察する。
目標●1. 回路素子の動作現象を考察することができる。2. 回路の定常的な応答を説明できる。3. 最適な等価回路を導き、その解析ができる。4. 回路理論に関する専門用語の英語表記を解釈し説明できる。5. 電気回路と機械回路のアナロジーについて考察できる。
マックスウェル方程式によって体系化された「電気磁気学」は、電気磁気現象を応用する工学を考える際に出発点となる重要な学問である。本講義では、まず、マックスウェル方程式を構成する4つの微分方程式から、これまでに学習した電気磁気学のすべての法則が数学的に導かれることを学習する。次に、真空中で成り立つマックスウェル方程式を物質中でも使うために導入される誘電率や透磁率といった概念を、テンソル表記まで含めて学習する。最後に、マックスウェル方程式を工学に用いる例を実際に計算して体感する。
目標●1. マックスウェル方程式から電気磁気学のすべての法則が導かれることを理解できる。2. 真空中と物質中におけるマックスウェル方程式の違いを理解できる。3. マックスウェル方程式を工学に用いる有用性を理解できる。
移動通信、衛星通信などの無線通信システムの根底には電波工学、アンテナ・電波伝搬工学、ワイアレス通信工学がある。本講義では電波工学の基礎となる、基本的な概念、波動の基礎、諸定理と諸概念、電波工学に基づくアンテナおよび電波伝搬の基礎、ワイアレス通信工学の大きな柱であるディジタル変調技術について学ぶ。学んだ内容の理解を毎回の演習問題によって確認する。
目標●1. マックスウェルの方程式、複素ポインティングベクトルなどの電磁波の基本的な概念、波動方程式、ヘルムホルツの方程式などの波動の基礎、ベクトルポテンシャルと電磁波の放射、反射、回折、散乱などの諸定理と諸概念を理解し、説明できる。2. アンテナ、電波伝搬の諸特性計算に応用し、典型的な無線通信システムの回線設計ができる。3. ディジタル変調技術を理解し、説明できる。
エネルギー変換技術を応用した製品の内、蓄電デバイスは携帯機器用途など、最も身近で利用されているキーデバイスである。特に、近年目覚ましい発展を遂げているリチウムイオン電池は、従来の電池材料開発に止まらず、電気工学的視点から電気回路の中でいかに安全・効率的に制御できるかが課題となっている。そこで本講義では第1に、技術動向として、環境エネルギー的視点を踏まえスマートグリッド、電気自動車などのキーデバイスとしての電池技術の役割を学習する。第2に電気技術者として電池を使いこなす技術を修得するため、電池の基本構造、理論的背景となる電気化学エネルギー変換と熱力学平衡、起電力や電流発生の道筋、および電気回路の中で電池がいかに振る舞うかを学習する。電気化学は電気と化学の境界領域で受講者には初めての分野と思われるが、配布資料の1部は英文とし電気化学の基本的な専門英語表現も学習する。
目標●1. 蓄電技術の動向と社会的背景を理解できる。2. なぜ電池は自発的に発電することができるのかを理解できる。3. 化学反応器である電池が電気回路の中でいかに振る舞うかを理解できる。
今日の社会を支える電子制御技術の基礎として制御工学を確実に身につけておくことは電気電子工学分野の設計開発者に必須の素養である。さらに、ナノテクノロジーの進歩に伴い、量子論を研究開発に応用できる素養も求められている。本科目では、線形なダイナミカルシステム(動的システム)について、理論モデリング法および挙動の理論解析法の体系的な理解を目標とし、講義・演習を行う。まず、古典電気磁気学などの古典論に従うシステムを対象とする電子制御について、現代制御理論の基礎の応用力を養う。さらに、量子システム(デバイスにおける電子・光など)を対象とする制御に向け、量子論の基本について全体像の把握を目指す。また、これらの学習を通して、基礎数学(線形代数、微分方程式など)について理解を深めることも目的とする。
目標●1. 現代制御理論の概要を理解し、電子制御に応用できる。2. 量子論の考え方の骨組みを理解し、説明できる。3. 基礎数学を動的システムの設計に応用できる。
製品の開発・生産現場で、性能、コストとともに安全性・信頼性の確保が必須とされている。企画、開発設計、生産、販売を通じてデバイスの原理機能の理解に加え安全性・信頼性確保の視点が必要とされる。蓄電、パワーデバイスを例に、構造、動作原理、機能に加え、不具合現象及びその原因について学ぶ。さらに、デバイス開発・生産時に必須とされる機能試験、信頼性試験の考え方を学ぶ。これらの学習を通じて、デバイスの構造と機能に加え、品質保証・管理の考え方、手法及び不具合解析について理解を深める。
目標●1.蓄電・パワーデバイスの用途、構造、動作原理・機能を理解しその意味を説明できる。2.企画、開発設計、生産、販売を通じて安全性・信頼性確保の視点が重要であることを理解し説明できる。3.蓄電・パワーデバイスの代表的な不具合現象及びその原因を理解し説明できる。4.デバイス開発・生産時に必須とされる機能試験、信頼性試験の考え方を理解し説明できる。
社会の幅広い分野で応用されるシステム制御工学について、状態方程式、出力方程式を用いて制御系の状態空間表現を理解し、複雑な制御系の解析を容易に行う事ができる手法について習熟する。コンピュータの制御系への導入により、アナログシステムからディジタルシステムへの移行は、現在の制御システムでは必要不可欠のものであり、連続時間系から離散時間系への展開、時間関数⇔ラプラス変換⇔z変換の相互関係を十分に理解し、直列補償、フィードバック補償の手法を導入しながら、制御系の設計を自由に行える知識を修得する。
目標●1. 制御系における時間関数、ラプラス変換、伝達関数、ブロック線図を理解できる。2. ラプラス変換を理解でき、安定性を論じることができる。3. z変換を理解でき、離散時間系での安定性、制御系の設計ができる。
工学においては種々の数値解析法が用いられている。また、近年では、ビッグデータの解析の必要性から統計的手法の重要性も増している。コンピュータ上でこれらを自由に扱えることが研究の幅を広げることにつながる。本科目は、関数の評価及び方程式の解に最終的に必要な数値解を、コンピュータにより求める手法の理論と実際を修得することを目的とする。主な分野は、線形連立方程式、数値積分、データ解析、トラヒック解析、フーリエ級数、乱数の生成と応用、多倍長演算等である。また、数値解析向けの言語 (R言語) の紹介と演習も行う。各技法と工学問題とのつながりを意識して進めていく。
目標●概要に示す数学的問題に対する解決技法について、次のことを目標とする。1. 各種アルゴリズムを説明することができる。2. そのアルゴリズムの計算機プログラムを作成するかあるいは数値解析ソフトを利用して問題の解を求めることができる。3. これら技法を実際の工学問題に適用することができる。
高電圧環境下における絶縁システム系統の電気特性を理解し、実際的な問題点を取り上げながら電気絶縁設計に欠かせない重要事項を学ぶ。特に、絶縁材料の電気的破壊強度と電界分布との関連、等質等方性材料や複合材料系の電界分布、電界の実験的・理論的解析技術などを学ぶ。また、実験・演習では、交流高電圧とインパルス高電圧を用いて、複合絶縁系の放電実験を行い、実際の体験に基づく電気的弱点部を議論する。
目標●1. 高電圧を扱う場合の安全教育ができる。2. 高電圧電力設備や機器などの電気絶縁設計に重要な事項をまとめて説明できる。3. 絶縁材料の電気的破壊現象が電界分布と密接に関連することを明確に説明できる。4. 絶縁システム系統の電気的弱点部を説明でき、その強化法が提案できる。
電気機器(特に、回転機)は、電気エネルギーと機械エネルギーの相互変換装置として社会の至る所で広く利用されている。このため、電気機器のエネルギー変換効率が向上すれば、省エネルギーに大きく寄与する。電気機器の効率や性能の向上のためには、機器設計時や運用時において電気機器をいかに正確に回路および数式モデルで記述できるか、またその特性を計算可能であるかが重要となる。本科目では回転機(モータと発電機)を例にとり、その電気・磁気的特性のモデル化および計算技術の基礎を、講義と実験の両面から学ぶ。
目標●1. 回転機の構造と動作原理を説明できる。2. 回転機のいくつかについて回路および数式モデルを記述できる。3. 導出したモデルの意味を理解できる。4. コンピュータを用いて電気・磁気的特性を計算できる。
複雑系としての非線形弾性表面波のソリトン創発とその工学的応用への研究、レーザ熱波スペクトロスコピーやマイクロスコピーおよび次世代光センシング技術の創出および植物体の生理活性度診断技術への応用、「生き物」に対する各種光電磁気刺激による生体生理応答特性の解明やバイオミメティック・エンジニアリングおよびバイオフィードバックよる植物・茸工場の環境制御技術の創出、極微弱生体磁気信号検出装置や「生き物」に学ぶバイオセンサーの開発などを行う。
目標●:1. 複雑系としての非線形弾性表面波のソリトン発生機序について説明できる。2. レーザ熱波やマイクロスコピーおよび生体電気生理特性などに基づき、「生き物」の生理活性度診断などを「逆問題」的発想で説明できる。3. バイオミメティック・エンジニアリングおよびバイオフィードバックなどの技術について、具体的な例をあげて説明できる。
IT機器を支える大規模集積回路(LSI)、特に、そこで使われるCMOSデバイスの歴史や将来展望を学習する。LSIはあらゆる分野で使われており、その知識は電気系技術者としての素養でもある。また、チームに分かれプローバ、マニュピュレータを使いテスト・デバイスの電子計測を実施しデバイス特性の実感をつかむ。後半では、チームに分かれ、蓄電技術応用分野を題材として、蓄電デバイスの特性計測、制御対象としての蓄電デバイスのモデリング、シミュレーションプログラムの作成やシミュレーション解析に取り組み、デバイスモデリングの考え方やシミュレーション手法の基礎を体得する。
目標●1. 大規模集積回路、CMOS技術の歴史、現状を説明することができる。2. テスト・デバイスの測定ができる。3. モデルベース開発,デバイス詳細モデル,デバイス簡易モデルの現状,概要を説明することができる。4. 回路シミュレータを応用したデバイス動作シミュレーション,システムシミュレーションができる。
電子デバイスの中で、特に光電相互変換デバイス(例えば太陽電池、発光ダイオードや半導体レーザー)を取り上げ、主な発光デバイスと受光デバイスについて学ぶ。これらのデバイスの基本原理である電磁波と電子系の相互作用から生じる光の放出と吸収現象について量子力学を使って理解するとともに、デバイスの動作原理を学ぶ。また、講義と並行して光の放出と吸収の実際を理解するために、発光デバイスや受光デバイスに広く使用されている代表的な半導体材料の吸収スペクトルや光励起した時の発光(フォトルミネッセンス:PL)スペクトルとPLの励起(PLE)スペクトルを測定して、デバイスの基本原理の理解を深める。
目標●1. 電磁波と電子系の相互作用から生じる光の放出と吸収を量子力学を用いて理論的に説明できる。2. 半導体材料のバンドギャップ(Eg)と光学的特性(透過、吸収および反射や励起および発光)との関係を説明できる。3. 代表的な光電相互変換デバイスの動作原理を説明できる。
電子ディスプレイデバイスは、マン・マシン・インターフェースと言われているように各種電子機器からのさまざまな電気的情報信号を人間の視覚で認識できる光情報信号に変換する電子デバイスである。本講義では、各種電子ディスプレイデバイス(非発光型および発光型電子ディスプレイ)の構造および動作原理を理解するとともに、ディスプレイを構成する各種機能性材料(発光材料や透明電極材料など)の種類や性質を講義および実験を通じて理解する。またディスプレイを実現するための電子回路の基礎を理解させるために講義と実際の電子回路の製作を融合させた授業を行う。
目標●1. 非発光型および発光型電子ディスプレイの構造と動作原理を説明できる。2. ディスプレイを構成する機能性材料の種類と性質を説明できる。3. 電子回路の仕組みが理解できる。4. 電子回路の設計ができる。
前半では、移動通信や無線LANなど各種の無線通信システムで用いられているマイクロ波回路を取り扱う。基礎となる分布定数回路の考え方を修得するとともに、課題に基づき回路の設計・製作・測定のプロセスを経験することにより高い周波数の信号を波として捉える感覚を養う。後半では、アンテナについて、基礎理論と応用に関し学習する。電磁波放射理論とマイクロストリップアンテナなどの放射特性とそれらの解析法について学ぶとともに、簡単なアンテナの具体的な設計を行い、特性解析、モデル試作・実験を行う。
目標●1. 分布定数回路を伝わる波とその反射、透過の概念を理解し、基本的な計算ができる。2. マイクロ波回路で用いられる代表的な回路要素についてその動作を説明できる。3. 簡単なマイクロ波回路を自ら設計・製作し、その測定ができる。4. アンテナの役割と機能について説明できる。7. アンテナの特性について説明でき、基礎的な計算ができる。6. 簡単なアンテナを自ら設計・製作し、その測定ができる。
前半では、移動通信や無線LANなど各種の無線通信用送受信機およびマイクロ波半導体回路を取り扱う。無線通信用送受信機の基礎を修得するとともに、送受信機に用いられるマイクロ波半導体回路の基礎を修得し、デバイスから装置までの一貫した設計理論を理解する。
後半では、音響信号処理理論の基礎を修得し、ディジタル信号処理法について理解する。ディジタル信号処理法を用いて、音響信号の特性を解析し、改善する。
目標●1. 無線通信に用いられる送受信機の基本構成と各ブロックの機能、所望性能について説明できる。2. マイクロ波半導体回路で用いられる代表的な回路要素についてその動作を説明できる。3. 音響信号処理法について、基本的な説明ができる。4. 音響信号処理法を用いて、音響特性を解析し、改善することができる。
産業界における企業のさまざまな活動について理解し、自らが専攻する専門の領域に加え、幅広い専門知識の必要性を学ぶ。具体的には、経営品質の観点から「顧客本位に基づく卓越した業績を残す企業」のあり方、ならびにその企業の活動に対するエンジニアの関わり方について理解を深め、実社会の中で複雑に絡み合う専門領域の実情を学習する。これにより、自らが思い描く現時点のキャリア像を、社会から必要とされる技術者像へと近づけていくことが可能となる。また、社会から必要とされる社会人基礎力について学び、そこに示される指標に基づいた自己分析を行う。
目標●顧客本位に基づく卓越した業績を残す企業の特徴について説明する事ができる。企業の発展に寄与するエンジニアの役割について理解できる。社会人基礎力に基づいた自己分析を行うことができる。
実際の企業の業務体験や、企業が提供する課題の解決案の提案などの業務を行うことにより、仕事の進め方や企業の技術者として要求される知識・技術や人間力(社会人基礎力)などについての理解を深める。そして、自分が修得している知識、技術および人間力と企業の業務遂行上必要な知識、技術の深さと広がり、および人間力の内容とレベルの相違を認識し、今後自分が修得もしくは磨くべき項目を深く理解する。また、企業の社員との交流などから、業務の遂行に必要な人間関係の重要性を理解する。就業体験を参考に大学院の修学計画を立案し、自分のキャリアデザインを再検討する。
目標●インターンシップ先の企業概要が理解できる。的確な就業体験計画が立案できる。体験に必要な予備知識を調査し、事前学習を行うことができる。業務体験や提供された課題の解決案を作成できる。作業実施記録や実施報告書を作成し、発表または報告ができる。就業体験を基に大学院の修学計画を立案できる。
電気電子工学分野における電気エネルギー応用工学、電子計測・制御工学について、その分野における先進的な研究内容を講義形式で教示する。研究、技術開発の現状と将来動向を具体的に示す事により、先端的な研究の進め方、技術開発の実情を詳細に知る機会となり、効率的な研究の取り組み方を学習できる。電気電子工学における問題発見の能力を養い、独創的な発想力を持って研究、技術開発を行う方法を修得する。なお、具体的な講義の内容は開講前にその都度提示する。
目標●1. 電気エネルギー応用工学、電子計測・制御工学における過去から現状までの最先端技術の進展過程を理解できる。2. 最先端の技術開発の具体例を理解できる。3. 独創性、着眼点の重要性を理解できる。4. 問題発見、解決の手法を理解できる。
電気電子工学分野における電子デバイス・ディスプレイ工学について、その分野における先進的な研究内容を講義形式で教示する。研究、技術開発の現状と将来動向を具体的に示す事により、先端的な研究の進め方、技術開発の実情を詳細に知る機会となり、効率的な研究の取り組み方を学習できる。電気電子工学における問題発見の能力を養い、独創的な発想力を持って研究、技術開発を行う方法を修得する。なお、具体的な講義の内容は開講前にその都度提示する。
目標●1. 電子デバイス・ディスプレイ工学における過去から現状までの最先端技術の進展過程を理解できる。2. 最先端の技術開発の具体例を理解できる。3. 独創性、着眼点の重要性を理解できる。4. 問題発見、解決の手法を理解できる。
電気電子工学分野における通信システム工学について、その分野における先進的な研究内容を講義形式で教示する。研究、技術開発の現状と将来動向を具体的に示す事により、先端的な研究の進め方、技術開発の実情を詳細に知る機会となり、効率的な研究の取り組み方を学習できる。電気電子工学における問題発見の能力を養い、独創的な発想力を持って研究、技術開発を行う方法を修得する。なお、具体的な講義の内容は開講前にその都度提示する。
目標●1. 通信システム工学における過去から現状までの最先端技術の進展過程を理解できる。2. 最先端の技術開発の具体例を理解できる。3. 独創性、着眼点の重要性を理解できる。4. 問題発見、解決の手法を理解できる。
この科目においては、受講学生の所属する専修科目担当教員以外の大学院担当教員の下で、一定期間(2単位相当分)研究活動を行う。その内容は、それぞれの担当教員の専門領域であり、それぞれ定める。この研究活動を通して、狭い研究領域にとどまらず広い視野の下に既存の科学技術あるいは研究領域の融合、新しい領域の開拓に対処できる能力の獲得を目指す。特に、実際の産業において活用できるような総合的な知識と応用力を身につける。
現代社会の基幹である電気エネルギー技術について専門的な研究を行う。特に、高電圧の発生と電気絶縁設計技術、大電力送配電技術、絶縁材料応用技術、パワーエレクトロニクス応用技術、機械-電気エネルギー変換機器技術、磁気応用技術の分野で、社会の要求に対応した新技術を創製し、実用化を視野に入れて実験と理論の両面から深く追求する。本研究を通して、電気エネルギー応用工学分野の高度な問題解決能力を身につけ、国際社会の中で主導的に活躍できる人間性豊かな研究者、技術者を育成する。
目標●1. 電気エネルギーのさまざまな形態を幅広く理解し、それぞれの分野で対応した技術の問題点とその解決法が明確化できる。2. 新しい応用技術の創製と構築ができる。3. 得られた成果の理論的検討および実用的検討ができる。4. 研究内容を論文誌などに纏めて公表でき、国内外の学会発表などを通して世界に発信できる。
先端電子計測・制御工学について専門的な学習をする。微視的領域では、量子制御技術やイオン・プラズマ制御技術を使う産業ロボット用マイクロマシンの研究や医療世界でのナノマシンの研究を行う。さらに循環型社会構築に向けた光・化学エネルギー変換および制御技術の創成を行う。巨視的な領域(複雑系の領域)では外的光電磁気に対するソリトン生体信号の計測とバイオセンサーへの応用、固体から生体までの計測に対応できるレーザ熱波スペクトロスコピー(マイクロスコピー)技術の創成を行う。
目標●1. 電子計測・制御工学分野の高度な問題を解決する能力を身につけることができる。2. 新しい概念を理解できる。3. この研究を通して人間性豊かな研究者、技術者の基礎を身につけることができる。
電子デバイスや光デバイス分野における新規なデバイスの開発およびデバイスの動作解析、ならびにこれらの分野に関連する有機材料および無機材料の探索、物性解明、結晶成長技術、薄膜化技術、分析評価技術および応用技術に関する理論的および実験的な研究、もしくは光・電子工学分野における材料とデバイスを有機的に組み合わせた新規なデバイスシステム、ディスプレイシステムもしくは光エネルギー有効利用システムなどの開発、もしくは関連する信頼性や実装技術および集積化技術の研究開発を実施する。上記の研究活動を通して、当該分野の高度な問題発見・解決能力を身につけた国際社会の中で主導的に活躍できる人間性豊かな研究者、技術者を育成する。
目標●1. 電子デバイスや光デバイス分野において材料やデバイスに関連する研究開発テーマを自ら提案できる。2. その研究開発を実施できる。3. 得られた成果を基に学術論文を作成でき、執筆した論文を学会などの審査あり論文誌において掲載という形で公表できる。
高度情報社会の構築に不可欠な通信システムに関する基盤から応用までの技術の研究を行う。特に、無線(移動)通信用技術に重点を置き、電磁波放射理論、アンテナの最適設計技術、解析技術およびインテリジェント化に関する研究、高周波信号の発生・増幅・周波数変換などを行うマイクロ波回路の高度化とフレキシビリティ拡大に関する研究、通信情報漏洩を防ぐ暗号方式の考案と解析および音響物理学と音響工学とを協調的に応用した音響機器と信号処理の技術に関する研究を行う。本研究を通して、通信システム工学分野の高度な問題解決能力を身につけた、国際社会の中で、主導的に活躍できる人間性豊かな研究者を育成する。
目標●1. アンテナの最適設計およびインテリジェント化などの研究を主導的に行うことができる。2. マイクロ波回路の高度化などの研究を主導的に行うことができる。3. 暗号方式の考案と解析の研究を主導的に行うことができる。4. 音響物理学と音響工学とを応用した音響機器の研究を主導的に行うことができる。
高度専門技術者や研究者にとって、自らが取り組んでいる研究の置かれている状況を客観的に分析すること、さらなる研究価値を向上させることは重要である。このとき、社会的要請、社会が受ける研究成果によって得られる価値、競合する研究との差別化などを合理的に理解・整理すること、あるいはそれらが考慮された研究を行うことが必要である。さらに企業にあっては国際的な標準化を視野に入れた開発や知財による研究開発の保護などを十分考慮して企業価値を高めることが必須である。本科目は、これらのことを具体的な事例を交えて、企業価値の創造やイノベーションの創出を考え、研究活動に結びつける手法について学ぶ。
目標●社会要請、社会が受ける研究成果によって得られる価値、他の研究との差別化、または国際的な標準化に対する位置付け、知財による研究開発の保護などの企業価値と直結する内容について学び、研究活動に活かすことを目的とする。
電気電子工学分野における電気エネルギー応用工学、電子計測・制御工学、電子デバイス・ディスプレイ工学、通信システム工学に関する独立した研究者・技術者になるために身につけるべき専門基礎的な知識・能力、周辺分野も含む先端技術に関する知識・能力などについて、現状で不足するものを個々にチェックし、それらについて深く学習する。さらに、当該分野における先進的な研究内容についても、論文などの文献の調査も行いながら、技術・研究開発の現状と将来動向を含めて学ぶ。この科目を通して、国際社会の中で主導的に活躍できる研究者・技術者になるための基盤となる学術的な知識・能力を養う。
目標●1. 電気電子工学分野における電気エネルギー応用工学、電子計測・制御工学、電子デバイス・ディスプレイ工学、通信システム工学に関する研究・開発を自ら独立して行うために必要な知識・能力をもっている。2. 周辺分野や最先端の技術・研究開発の動向を自らの力で調査し、理解できる。
この科目では、「特殊研究」で行う研究テーマと関連のある研究や技術開発を行っている民間企業(あるいは、公的研究機関)に長期間(3ヶ月~6ヶ月)滞在し、組織の中で実践される研究・開発のプロセスについて理解を深めると共に、一人の研究・開発者としての位置づけと組織に貢献することの意義を理解するために就業体験を行う。派遣先企業(あるいは公的研究機関)は、本学にある研究所や、「特殊研究」の指導教員との共同研究及び受託研究を基盤に、密接に連携している企業(あるいは公的研究機関)などの中から、派遣先の意向も考慮して決められる。
目標●1. 自らの専門研究分野について、最先端の現場で行われている研究・技術開発について理解できる。2. 就業体験において提供された課題を深く理解し、具体的な解決策を立案し、実際に試行することができる。3. 就業体験を基に大学院での残りの期間の研究計画・修学計画を立案できる。