講義科目の詳細

不競法特論
Unfair Competition Law

担当教員

受講対象者

企業において知的財産権関連の業務に係る職務を希望する方や弁理士試験を受験しようとする方が受講をされることを期待する

授業の主題と概要

近年、知的財産法体系のなかで、不正競争防止法の重要性が高まっています。特に平成2年に導入された営業秘密の保護の制度は、保護される態様の拡大、民事規制に加えて平成15年に刑事規制が設けられ、平成23年に刑事訴訟法の特例として訴訟上の秘密保護の確保などの規定が設けられるなど、その重要性が認められて一段と強化されました。さらに平成27年には、推定規定などの民事規制の強化に加えて、海外における営業秘密の侵害に、刑事罰の重罰化が行われました。加えて、第4次産業革命(IOT革命)は、知的財産法の体系と運用に大きな影響を与えています。
不正競争防止法における営業秘密の侵害は、特許権、商標権、意匠権などの侵害訴訟において、訴訟手段の補完的役割を果たす事が多くなっています。 最近は、特に技術的情報について、公開が前提とされる特許権で対応するか、企業内に止め営業秘密の保護により保証を図るかが、企業の重要な知的戦略になってきています。その法理と主要判例について考究します。
平成30年の国会において不正競争防止法の改正が行われ、第4次産業革命(IOT, Big data, AI)による超高度産業革命に対応するべく、データ利活用促進にかかわる規定が定められています。ここでは上記「営業秘密の保護」では守られない厖大な量のデータについて、その流通・利活用の促進を図りつつデーターの所有者の保護を認める措置が必要です。従って、データの不正取得・使用・提供などについて一定の要件を定めて民事上の差止請求などの規定を定めています。「営業秘密の保護」と並ぶ重要な規則であり、いうなれば「データー権の保護」を行い、高度情報革命の実現にとって不可欠な規定です。
その他不正競争防止法の全体系について、法理と主要判例を研究します。講義ごとに受講者の意見・質問を受けます。

到達(習得)目標

不正競争防止法は、それ独自の存在性のみならず、特許法・商標法・意匠法や著作権法の補完的機能を有します。例えば特許権侵害と不正競争防止法の営業秘密の侵害を組み合わせて訴訟する場合も少なくありません。従って、不正競争防止法を学ぶことは、企業の知的財産業務や弁理士資格を目指す方にとって実務的に有効であるとともに、知財アナリストの育成が強く求められています。さらに最近企業経営の公正化、透明化が大きな課題になっており企業経営全体に係る問題が山積みしています。

講義スケジュール

講義
回数
講義テーマ
1,2 <不正競争防止法の沿革、概念、規制態様>
不正競争防止法の沿革をたどり、不正競争防止法における不正競争の概念の変遷と
規制態様の拡大を考察する

<不正競争防止法の位置と体系>
知的財産法における不正競争防止法の位置。不正競争行為の類型

<不正競争行為の個別類型(1)>
商品、営業主体混同惹起行為。著名表示冒用行為。法理と判例研究。
商品形態模倣行為。法理と判例研究
3.4 <不正競争行為の個別類型(2)>
コンテンツの技術的制限手段の無効化機器提供行為、法理と判例研究。
ドメイン名不正取得等行為。法理と判例研究

<不正競争行為の個別類型(3)>
商品の原産地誤認ならびに商品の品質・内容・数量等誤認表示行為および
役務の質・内容・数量等誤認表示行為。法理と判例研究。
信用毀損行為、代理人等の商標冒用行為、法理と判例研究
5.6 <条約上不正行為として禁止する行為>
外国の国旗等の商業上の使用禁止、国際機関の標章の商業上の使用禁止、
外国公務員等に対する不正利益供与の禁止

<民事上・刑事上の規律>
民事上の規律(差止請求権・損害請求権・信用回復など)
刑事上の規律(刑事罰の強化、国外適用など)

<不正競争行為の個別類型(4)-1>
営業秘密の不正取得・使用・開示行為(1)。法理と判例研究
7,8 <不正競争行為の個別類型(4)-2>
営業秘密の不正取得・使用・開示行為(2)。法理と判例研究。
営業秘密の保護と刑事訴訟法の裁判公開原則の特例

<不正競争行為の規制の強化>
米国の経済スパイ法の研究。わが国における情報窃盗罪の導入の可能性の検討。
独・仏・英および中国の制度比較

<ビッグデータに係る不正競争行為の個別類型>
ビッグデータの不正取得・使用・開示行為。法理研究
日米欧のビッグデータに係る制度の比較

開講について

開講時期: 1学期
開講形態: 2コマ(180分)×4日間
講義回数: 全8回
※状況に応じて、一部変更が生じる場合もございます。予めご了承ください。

テキスト/参考図書

【テキスト】
適宜配布予定

【参考図書】
・『知的財産権法Ⅰ』棚橋祐治・高倉成男(北樹出版)
・『知的財産法学の歴史的鳥瞰(現代知的財産法講座4(日本評論社)所収)
日本の不正競争防止法における営業秘密の保護の強化と日米欧の比較』棚橋祐治
・経済産業省(前通商産業省)監修 逐条解説 改正不正競争防止法
・経済産業省産業構造審議会知的財産分科会答申「データ利活用促進に関する中間報告」
・経済産業省不正競争防止法改正法(ビッグデータ対策等)

※上記は一部追加・変更となる場合もございます。また、指定テキスト及びケースなどは、別途ご購入頂くもので、授業料には含まれておりません。予めご了承ください。

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