記事詳細

戻る

ロボティクス学科・佐藤隆一教授の共同研究グループが
シーラカンスから人間の腕の筋肉の原型を発見

2016年7月28日UP

佐藤研究室が製作したシーラカンスロボット金沢工業大学ロボティクス学科の佐藤隆一教授の属する共同研究グループが、シーラカンスの胸ビレから、人間の腕の筋肉の原型を発見しました。この成果はアメリカ解剖学会誌 Anatomical Record に発表され、オンライン版に論文が掲載されました。

この研究は、慶応義塾大学、京都大学、ふくしま海洋科学館(アクアマリンふくしま)などと共同で行っているものです。人間の腕には、一関節筋と二関節筋という筋肉がありますが、これらの筋肉はお互いに助け合うことで、腕の伸び縮みや方向性を制御しています。今回、一関節筋と二関節筋の原型がシーラカンスで発見されたことで、原始的な肉鰭(にくき)魚類に既にこのような筋肉が備わっていた可能性が深まりました。原生する肉鰭魚類であるシーラカンスの研究を深めることで、私たち四肢動物の形や動きがどのように進化してきたかについて、さらなる手がかりが得られるかもしれません。

佐藤教授の研究室は、福島県いわき市にある水族館「アクアマリンふくしま」と共同で、実物のシーラカンスの動きを詳しく分析してきました。シーラカンスは合計10枚のヒレのうち、尾ビレなどの4枚はバランスをとるためほとんど動かさず、胸ビレや腹ビレなどの6枚を、タイミングをずらしながら一定のリズムで動かして泳いでいます。過去に、これらの6枚のヒレに、陸上生物の特徴である「拮抗二関節筋」が備わっていることを明らかにしました。また、佐藤研究室で2013年に製作されたシーラカンスロボットが、アクアマリンふくしまで展示されています。

生物は、ロボットにみられない配列をもった筋肉を、極めて単純な信号で制御することにより、脳が関与しなくても迅速で正確な運動を行うことができます。佐藤研究室ではこうした生物の機構と制御論理を応用することで、運動性能を飛躍的に向上させた水陸空のロボットの開発に取り組んでいます。

【関連リンク】

論文「The Pectoral Fin Muscles of the Coelacanth Lati meria chalumnae ; Functional and Evolutionary Implications for the Fin-to-Limb Transition and Subsequent Evolution of Tetrapods (シーラカンスLatimeria chalumnae の胸鰭筋肉:鰭から四肢の移行とその後の四肢動物への進化 の機能・進化学的意味)」

ロボティクス学科佐藤研究室が製作したシーラカンスロボットが福島県の水族館で展示(2013年4月4日)