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KIT革新複合材料研究開発センターと三井物産が
炭素繊維複合材料量産化に向けた共同開発契約締結

2015年4月21日UP

革新複合材料研究開発センター(ICC)KIT金沢工業大学の革新複合材料研究開発センター(ICC)は、三井物産株式会社と、炭素繊維複合材料による自動車部品等製造の新製法に関する実証研究を行うことで合意し、4月21日に複合材料研究に関する協力協定書及び機械貸借契約を締結しました。

ICCは文部科学省の支援により金沢工業大学やつかほリサーチキャンパス内に開設された大規模産学連携研究開発拠点です。建築物や橋梁、長さ数kmもある海洋資源掘削用パイプや長大な洋上風力発電用のブレード(羽)などを炭素繊維複合材料で実現するため、まだ世界でも確立されていない炭素繊維複合材料の連続成形技術について研究開発に取り組み、新たな産業革命をめざしています。

ICCは2013年3月に文部科学省の「地域資源等を活用した産学連携による国際科学イノベーション拠点整備事業」整備事業の採択を受けて金沢工業大学やつかほリサーチキャンパスで建設が始まり、2014年3月に竣工し、6月に開所しました(建屋12億円、設備10億円)。

国際科学イノベーション拠点整備事業は、わが国が国際的な競争の中で生き残り、経済再生を果たしていく上で、革新的なイノベーションを連続的に生み出していくことが必要との考えから、文部科学省が革新的課題の研究開発に異分野融合体制で取り組む「場」を「国際科学イノベーション拠点」として全国で15か所整備したものです。

さらに2013年10月には、文部科学省が10年後のわが国を再び世界トップクラスにするために2013年から開始した「革新的イノベーション創出プログラム」(COI STREAM)中核拠点に、金沢工業大学が私立大学で唯一選定されました。当プログラムは、文部科学省が世界と戦えるセンター・オブ・イノベーションとして全国で12の中核拠点を選定したもので、支援内容は年間の研究開発費が上限額8億円程度、最長9年が予定されています。

2013年3月に選定された文部科学省の「国際科学イノベーション拠点」としてのハード面での整備事業を合わせると、ICCは100億円規模の大規模産学連携研究開発拠点となります。

このたびICCが三井物産株式会社と契約を締結し進めることになった共同開発の概要は以下のとおりです。

炭素繊維複合材料量産化に向けた共同開発契約を締結

KIT金沢工業大学の革新複合材料研究開発センター(ICC)は、三井物産株式会社と、炭素繊維複合材料による自動車部品等製造の新製法に関する実証研究を行うことで合意し、4月21日に複合材料研究に関する協力協定書及び機械貸借契約を締結しました。

世界的に温暖化対策が喫緊の課題となっているなか、輸送機器のエネルギー消費削減に向けた解決策の一つとして、部材の軽量化が挙げられており、炭素繊維等の軽量化素材の市場が急速に拡大する見込みです。しかし、現時点では部材等の製造コスト高が制約となり、一部の用途のみの採用にとどまっており、広く普及させていくには製造方法や製造ノウハウなどの改善が必要となります。

ICCには、三井物産が購入した実証用設備一式が提供され、共同で炭素繊維複合材料による自動車部品を始めとした幅広い部材等製造の新製法開発および実用化をめざします。欧州では自動車メーカー主導で、材料供給から加工までの体制が確立され、炭素繊維複合材料が自動車の主要骨格部材等の部品として採用されている事例があります。炭素繊維複合材料による自動車部品等の量産化体制構築は、本邦においても喫緊の課題となっており、今後も、経済産業省のコーディネートを得つつ、ICCおよび三井物産は産学官共同で日本での強固なサプライチェーンを構築すべく本取り組みを推進する方針です。

ICCは2013年7月、金沢工業大学により設立され、異業種・異分野の技術融合による炭素繊維複合材料の可能性を開拓することを目的とする国内最大級の複合材料研究センターです。全国の産学官研究者を集結し、中間加工分野における国際競争力を向上させるべく、革新的技術の開発を目標としています。

ICCでの今回の取り組みの模式図

事業化例イメージ:自動車炭素繊維複合材料(CFRP)部品

右:ドアインナーシェル/左モノコックボディー (KraussMaffei社の資料より引用)

【関連サイト】

革新複合材料研究開発センター(ICC)

革新複合材料研究開発センター紹介ビデオ

金沢工業大学における「革新的イノベーション創出プログラム」(COI STREAM)の取り組み

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