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松林研究室が石川の地ビール「百万石ビール」の国内外の拡販プラン策定・販促支援に関する共同研究プロジェクトを始動

2014年12月8日UP

金沢工業大学・経営情報学科・松林賢司教授(専門:事業開発・起業)の研究室では、農業法人わくわく手作りファーム川北(以下「わくわく」)が製造・販売するクラフトビールである「百万石ビール」の拡販について、販売戦略とビジネスプランの策定、国内外のプロモーション支援を担当することになり、このたびわくわくとの共同研究プロジェクトを開始しました。

調査・研究や戦略・ビジネスプラン策定、プロモーション支援は松林教授と本学の学生3名が担当し、同学科の大砂雅子教授(専門:グローバルビジネス)、石原正彦准教授(専門:マーケティング)がアドバイスを行います。

わくわくの「百万石ビール」は、ビールとしては初めて石川県産の食用大麦である六条大麦と手取川水系の白山の伏流水を使用したフルーティで栄養価の高いビールで、これまでも金沢駅等でのおみやげ用をおもな販路として観光客を中心に高い評価を得ております。

松林研究室では、本プロジェクトを通じて「百万石ビール」の強みを明らかにし、他のビールとの差別化を図るとともに、ターゲットとすべき顧客層を設定の上、効果的なプロモーション・イベントを通じて石川県民に愛され世界に通用する石川県発のブランド価値の創出をめざします。

百万石ビールの拡販プロジェクトに参画

〜拡販に向けたマーケッティング・プロモーションに関する共同研究を受託〜

わくわくの醸造釜

金沢工業大学(KIT)は、農業法人わくわく手作りファーム川北注1)が製造・販売するクラフトビール注2)(いわゆる、ご当地の小規模醸造所が製造・販売する地ビール)である百万石ビールの拡販プロジェクトにおいて、マネジメントサイエンス(マーケッティング理論)に基づいた販売戦略、及びビジネスプランの作成と大都市圏、並びに海外市場向けのプロモーション支援を担当することになりました。

KITが拡販支援する百万石ビールは、石川県の活性化ファンド事業、及び農林水産省の6次産業注3)向け補助事業として2000年にわくわくが設立されて以来、石川県のクラフトビール製造・販売の先駆け的な存在として10年以上の研究開発の結果、製品化されたオリジナルビールです。通常のビールが主に海外の二条大麦を原料として製造されるところ、百万石ビールは、石川県名産の麦茶用に栽培されている六条大麦注4)(北陸3県の全国シェアー70%)を原料として使用し、健康成分であるGABA注5)の含有量を高める独自技術によって醸造されます。その通常のビールとは異なるフルーティな風味と高い栄養価のバランス、及び石川県の伝統工芸品を連想させる美しいパッケージにより昨今、観光客の石川県の土産物の定番として高い評価を得ています。

わくわくは、従来から石川県の地方創生の一環として地元の農産物を原料として使用する地産地消の製品作りに取り組んでおり、その功績により、百万石ビール事業は農林水産省の6次産業のモデル事業に指定されています。また百万石ビール向けの六条大麦の生産拡大は、休耕田や農閑期の水田が活用できる為に石川県の農業関係者からも大きく期待されています。

KITは、マネジメントサイエンスの観点より長年培ったマーケッティング研究に基づく知見やノウハウを活用し、地域貢献の一環として百万石ビールの更なる飛躍を支援します。具体的には、石川県民に愛され“やっぱり最初の一杯と言えば百万石ビール!”と指定頂けるような販売チャネルの整備、並びにクラフトビールの需要の伸びが著しい首都圏・関西圏への供給、最終的にはクラフトビールの本場である北米・欧州でも認知される石川県発のブランド構築をめざします。

百万石ビールの拡販プロジェクトのイメージ

六条大麦

百万石ビール(ペールエール)の特徴は、以下の通りです。

原料:石川県産の六条大麦

*通常のビールは海外の二条大麦が使用されており、国産の六条大麦はベータグルカン含有量が多い為、ビール原料に使用するのは不向きと考えられてきたが、百万石ビールは独自技術により日本で初めて量産化に成功した。

水:手取川水系の白山の伏流水

*手取川水系の白山の伏流水を使用した地酒(日本酒)は全国的に有名であり多数の名酒を世界に送り出しているが、ビールに使用したのは百万石ビールが初めて。

製造方法:フルーティな芳香を放つ上面発酵(エール製法)+高GABA製法

*六条大麦の風味と香りを最大限に引き出す為にあえて日本では珍しいフルーティーな芳香が特徴である上面発酵(エール製法)を採用したのに加えて、六条大麦・麦芽に含まれるGABAを高濃度に維持できる製法を開発。地元には樽生の状態で酵母が生きたまま出荷・提供できる。

わくわく農家兼社長の
入口博志氏と社員の皆さん

注1) 農業法人 わくわく手作りファーム川北:百万石ビールの作り手。2000年にクラフトビール製造・販売業として石川県能美郡川北町にて起業。代表取締役は地元農家の入口博志氏。

注2) クラフトビール:手作りビール、または地ビールとも言われて近年、個性派ビール志向が強まるとともに世界的に生産・需要が拡大している(市場成長率:20%程度/年)。地産地消事業の典型で欧米での歴史は古く1都市に1クラフトビールが定番。

注3) 6次産業:農林水産業から加工・物流・販売まで総合的に手掛ける新しい産業区分。その促進に関して平成22年に“六次産業化・地産地消法”が公布されている。

注4) 六条大麦:麦茶や押し麦用の大麦でビールや焼酎の原料になる二条大麦とは異なる品種。結実する穂の数が6列あることから六条大麦と呼ばれる(二条大麦は2列。)

注5) GABA:化学名称はγアミノ酪酸。気分を落ち着ける作用等により健康に役立つ成分として知られている。(参照文献Amino Acids. 2012; 43:1331-7.他)