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金沢工業大学大学院生が土木学会全国大会優秀講演者に選定

2012年12月3日UP

大学院工学研究科環境土木工学専攻修士課程2年の福田真輔さんが、9月5〜7日に愛知県名古屋市の名古屋大学で開催された土木学会平成24年度全国大会第67回年次学術講演会にて、「優秀講演者」に表彰されました。

 

この講演会には、全国の産官学から、約5千名の土木工学に携わる技術者・研究者が集まり、3176編の講演がなされ、この内、40歳未満の優れた講演者に対して、厳正なる審査を経て、表彰者が選定されました。

福田さんは、工学設計V(卒業研究)から継続して進めてきた研究について、2年半に亘る長期間の耐久性評価の成果として発表し、自らが検討してきた考察や新規のアイディアについても質疑応答で説明しました。

 

福田さんは表彰を受け、次のように語ってくれました。

「私は来年度から熊谷組という建設会社に就職します。コンクリートは必要不可欠な建設材料なので、担当する現場で必ず使用すると思います。近い将来、この再利用コンクリートの技術が確立された時には、真っ先に使用し、環境保護・資源の再利用を重視した現場を作りたいと思います。」

 

 

受賞論文題目は「再利用コンクリートの物質透過性評価」で、概要は以下の通りです。

 

・現時点での問題点

日本では年間約1億立方メートル(東京ドーム約80個分)の生コンクリートが製造されている。その中で残コン(現場で余ったコンクリート)の総量は約100〜200万立方メートルであり、決して少ない量ではない。また、これらのほとんどは産業廃棄物になる。したがって、「環境保護」や「資源の有効利用」の観点から、残コンの有効活用技術の開発およびその実用化は急務な課題である。

 

・研究の目的

本研究では、残コンに特殊な薬剤(安定化剤と活性化剤)を混和して、翌日に再利用する技術の開発を図った。具体的には、残コンに安定化剤を添加してセメントの水和反応を一時的に停止させ、コンクリートを固まらないまま1日間に亘り保管する。その後に活性化剤を添加して1日前に製造したコンクリートと同等の性状を再現するものである。特に、耐久性に関する評価の一環として行った、塩化物イオン浸透深さと中性化深さ(鉄筋コンクリートが腐食する主な原因)の評価は、本研究が世界で初となる。

 

・解決したこと

通常のコンクリートと同等な性能を有する再利用コンクリートの設計方法を開発できた。

 

・意義

再利用コンクリートの技術を確立することで、約100〜200万立方メートルの残コンを減少させることができる。また、この問題は環境破壊を抑制するだけでなく、土木や建築に関わる業者を経済的にも救済できる。なぜならば、残コンの有効利用方法を提案することによって、今までならば処理に掛かっていた費用を抑えることができる。すなわち、とても社会に役立つと考えている。

※現代では、製造する費用よりも、適切に処理をして廃棄する費用の方が、一般的に高価である。