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人工内耳の効果を測定する世界初の国際共同研究を開始

2012年1月20日UP

金沢工業大学・先端電子技術応用研究所(所長:上原 弦 教授)は、脳神経の微弱な磁場を計測して脳の活動を調べることが出来る「脳磁計(Magnetoencephalograph:MEG)」を用いて、人工内耳を埋め込んだ聴覚障害がどの程度聞こえているかを客観的に評価する世界初の国際共同研究をオーストラリア・マックゥェーリー大学と開始しました。

 

従来の脳磁計では人工内耳を頭に固定するための磁石が計測の妨げになってしまい計測ができなかったため、強い磁場に耐えうる脳磁計のセンサの構造を改良し、余分な磁気を除去できるデータの解析方法も改良した新たな試作機を年内に開発する予定です。

 

脳磁計の開発において先端電子技術応用研究所は、世界トップレベルの技術を有しており、これまで海外の5つの大学に装置を設置し、共同研究を行っています。また、マックゥェーリー大学には小児用の脳磁計が設置されており、言語学を研究しているグループと子供の言語能力の習得過程を共同研究しています。

 

人工内耳は聴覚障害者の内耳に電極を挿入し、聴神経を直接電気刺激して聴覚を補う装置であり、最近は幼児期に埋め込むケースも増えています。また、人工内耳を埋め込んだことによる改善効果の判断は本人による感覚が頼りであり、幼児の場合は改善効果の判断が難しく、そのため、脳磁計を用いて脳の磁場分布や波形が変化する様子を観察しながら、音声を正確に認識できているか判断できるようにしたいと考えています。