資格を持つ強みと、資格に頼らない強みと

 世の中には、資格がないと「仕事」そのものができない「資格」があります。
例えば、医師、看護師、理学療法士、薬剤師、弁護士、臨床心理士などの 国家試験資格を取得して初めて社会的な信用を得て仕事をすることができます。
国家試験に合格しなければ、「仕事」そのものができず、「資格なければ、”ただの人”」となります。 大学(医学部や薬学部、法学部)で所定の単位を取得していても、 実力の証明と言われる上記の国家資格を取得しなければ、仕事に就けません。

 一方、工学部の場合、医学部のように 卒業に際して「合格しなければ仕事に就けない」共通の国家試験はありませんが、
資格を取得しなければ就けない仕事と資格がなくても就ける仕事があります。
そのような仕事の分野で”ゼロから何かを生み出し、後世に何かを残した人達” (例えば、プロジェクトXに登場する技術者)の多くは、資格に頼らぬ強みを発揮しています。
超一流企業では,ゼロから何かを生み出せる人材を一人でも多く採用しようとしています。 そのような人達の業績の跡に新しい資格が誕生することも多いようです。

資格取得に臨む心構え

  1. 取得しやすい資格から取るとか、取得する資格の数で勝負する発想ではなく、 取るべき資格を取得するよう心がけてほしいと思います。
    なんのための資格取得であるのか?が大切であり、手当たり次第に資格の数で勝負することは、 履歴書の書類選考の際、節操がないとか方針がないと思われて逆効果になることもあります。
  2. キャリア・デザインに沿って、仕事に就く上で必要な資格を戦略的に取得するよう心がけてください。
    Licenseには、学科毎に取得推奨資格を表示しているので資格の取得計画を立てる際、参考にしてください。 推奨資格は、会社によっては、入社後の昇進選考の際に当該資格保有者が専門筆記試験を免除される場合もあります。
  3. 就職の際、有利になる資格は、学部の卒業または、 大学院修了の前年の秋までに取得しておくことを強くお奨めします。
  4. 資格取得のためには、講習や講座への出席や自学自習の努力を続けることが不可欠です。 『継続は力なり』です。
    入社試験の面接では、取得した資格そのものへの評価と共に、 資格取得までの努力の継続力、熱意、集中力、粘り強さなどの総合的な人間力が評価されます。
  5. 正課の授業での学習と課外学習の関係
    所長メッセージにも言っていますが、資格試験に合格するまでの努力の結果、 正規の授業で良い成績が得られる場合や、正規の授業で勉強したことが資格取得を大きく後押しすることもあるため、 正課の授業に真剣に取り組むことは大切ですが、正課の授業だけでは合格できない資格も増えています。
    従って、皆さんが資格取得を目指す場合、課外学習が不可欠です。 課外学習を根気良く、継続できる能力が資格取得能力に直結します。努力できること、それ自身が立派な能力なのです。

 

毎日の努力の成果はある日突然に実感できるもの(継続は力なり)

 資格取得を目指して努力しても、成果(実力の伸長や試験突破力の増強)に 直結または比例しないことの方が多いものです。 即ち、能力や成果は、努力量や時間に比例して直線状に右肩上がりに上昇するのではなく、 長期間の努力の後、突然 「階段状に上がる」ことが多いと心得ておくべきです。
つまり、能力伸長の手応えを自覚できる場面は、成果の挙がらない水平な期間が長く続いた後、 次のステップへ階段が一段上がれたことを突然実感できる形で訪れます。それまでは努力の継続が必要不可欠です。 努力を継続できない人は、この水平期間に挫折します。
「継続は力なり」は、努力を継続できること自体、立派な能力であることを表現したものです。