プロジェクトの概要

本プロジェクトでは、本学の教育実践の特色である、問題発見解決プロセスが盛り込まれたプロジェクト型の教育実践に対して、「環境問題」という社会的な制約条件を取り入れ、今後社会の中で活躍する技術者に求められる「環境マインド」を醸成する教育プロジェクトを実践します。

具体的には、北陸エリアを一つの学習環境として捉え、地域の環境問題に対して、学生、企業、住民が協同し問題発見解決に取り組みます。さらに、個々の教育プロジェクトが見いだした解決策や成果を持ち寄り、それらを有機的に連携することで、地域社会さらには地球規模で求められる環境問題に対し、俯瞰的な視点を持ち、自らの立場で取り組むべき対応やその意義を理解しながら問題解決を進めるスキルの修得を図ります。同時に、各プロジェクトの連動から、学科の枠組みを越えたFD・SD活動の活性化を図ることで、本学の教育実践に「KIT環境マインド」という新たな教育付加価値をもたらすことを目指します。

教育の質の向上に取り組む金沢工業大学

金沢工業大学は、学生・教職員・理事が三位一体となり、「自ら考え行動する技術者」を育成することを教育目標としています。カリキュラムの主柱にプロジェクトデザイン教育を取り入れ、解が多様なテーマに対して、チーム活動を行いながら「問題発見解決プロセス」の修得を目指し、応用力を備えた「自ら考え行動する技術者」としての能力の総合化を図っています。学生個々のキャリア目標に基づいた修学計画を立案するために、「カリキュラムガイドブック」と「学習支援計画書」(シラバス)を提供し、成績評価は、試験結果だけではなくレポート、プレゼンテーション、学習態度など学習プロセス全体から評価する仕組みを整えています。

しかし、めまぐるしく変化する社会の中で活躍する技術者を育成するためには、従来の専門領域を縦割りにした教育実践だけではなく、社会環境の変化からもたらされるさまざまな社会ニーズに基づく横断的な教育を実践することが求められます。そして、プロジェクトテーマの設定やその実践には、学生の学習を支援する教職員そのものが、社会や企業との密接なつながりを持つ必要があります。教育プロジェクトの運営には、学部・学科・研究室の枠を超えた教育実践体制が必要不可欠であり、環境問題をキーワードとする本プロジェクトの融合が、学科や研究室の枠を超えた横断的なFD活動を実現します。

学生、教職員が共に環境問題をテーマとした教育プロジェクトに取り組み、本学の教育実践に「KIT環境マインド」という新たな教育付加価値をもたらすことで、社会的ニーズに対応する本学の教育の質の向上を継続的に図っていきます。