第1回 パソコンでハイテクお絵かき

○開催日/2009年6月27日(土) ○時間/9:00~14:00 ○場所/情報交流館カメリア
○教えてくれた学生/下川研究室の皆さん

カメリアキッズがパソコンを使ったハイテクお絵かきに挑戦。 “立体の不思議とおもしろさ”を体験しました。

【学びのポイント1】 絵を描くことの意味って、何だろう?

みんなは絵を描く意味を考えたことがありますか?

今から500年以上も前の15世紀、レオナルド・ダ・ヴィンチ(※)という発明家がいました。印刷機や楽器、建築物など多くの発明をしたダ・ヴィンチは、絵が上手だったことでも知られています。彼の発明ノートには立体的な絵がたくさん描かれていました。立体的に描くことで自分のアイデアを整理し、他の人にもわかりやすく伝えることができたのです。みんなもダ・ヴィンチのように立体的な絵を描いて、イメージをうまく伝えましょう。

お絵かきの前に、講義で「立体スケッチとものづくり」について学びます。

講義の時間

丸の中に四角い空間がたくさんあるこの建物、どこだかわかる?

学生「みんなにクイズを出します。スクリーンに、ある建物のカタチを映し出しています。これは何の建物かわかるかな?わかった人は手をあげてね」

キッズ「お家にあるキッチンみたい」

キッズ「テトラポットみたいに見えるけど、海の家?」

学生「四角い箱のようなものがたくさんあるから、キッチンみたいにも見えるね。でも違うよ。お家の人に、この建物につれて行ってもらった人もいるんじゃないかな?」

キッズ「わかった、金沢21世紀美術館!」

学生「はい、正解。この建物は金沢21世紀美術館です。丸いカタチをした建物の中に、四角い空間がたくさんあるところが、この建物の特徴です。建物にはいろいろなカタチがあって、それを考えることを設計、またはデザインといいます。建物のカタチを考える時、立体的に描いて表現できればイメージしやすいですよね」

ダ・ヴィンチさんいわく、「目の前のものが立体的だったから」

学生「じゃあ、次のクイズです。15世紀に活躍したレオナルド・ダ・ヴィンチは何をした人でしょう?」

キッズ「ハイ!いろいろなものを発明した人!」

キッズ「ハイ!『最後の晩餐』を描いた人」

学生「ダ・ヴィンチの残したスケッチは立体的で、とても正確でした。発明の天才は、絵の天才でもあったのです。彼が絵を立体的に描くのは、『描きたいものが立体的だから。絵ほど完ぺきに全体像を伝えられる手段はない』と考えていたからです。モノのカタチを考える時、立体的なスケッチはとても大切なのです」

レオナルド・ダ・ヴィンチ
イタリアのルネッサンス(15世紀前後、イタリアを中心に古典・古代の文化を復興させようと興った運動のこと)を代表する芸術家。絵画、科学、彫刻、建築など幅広い分野で活躍し、「万能人」ともよばれていました。
金沢21世紀美術館
平成16年に誕生した現代アートを体感できる美術館。「まちに開かれた公園のような美術館」をテーマに、世界的な建築家・妹島和世+西沢立衛(SANAA)が設計した円形の建物も注目を集めています。
最後の晩餐(絵画)
レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた代表的な絵画。キリスト教の新約聖書に書かれている、イエス・キリストが死の前日に12人の使徒ととった最後の夕食の様子が描かれています。

【学びのポイント2】 イメージどおりの絵を描くには、どうしたらいいの?

「絵を描くのが嫌い」という人に理由を聞いてみると「思いどおりにうまく描けないから」というこたえが返ってきます。イメージどおりの絵を描くにはコツがあるのです。まず、描くモノをじっくり観察すること。そして、可能であれば手でふれてみることです。

ペンタブレットを使ったお絵かきの時間では、「想像だけで描いた絵」と「観察しながら描いた絵」をくらべ、2つ絵の違いを発見します。

お絵かきの時間

ペンタブレットを使ってお絵かき。使い方を覚えよう!

学生ペンタブレットを使って、お絵かきをしてみましょう!まずは、使い方になれるために好きなものを描いてみてね。ペンを動かすと、パソコン上のポインタも動いてお絵かきができるよ」

学生「思いどおりに描けたかな。ドラえもんを描いた人がいっぱいいるね~。みんな下川先生が描いたドラえもんより上手に描けているんじゃないですか。
ニンジンを描いた子は、ニンジンが好きなの?」

キッズ「うーん・・・。ニンジンは微妙」

学生「微妙なわりに、うまく描けているね」

野々市の“ご当地もの”を、2つの方法で描いてみよう。

学生「次はみんなにお題を出しますので、それを描いてください。お題は“野々市で有名なもの”。キウイフルーツワイン、椿まんじゅう、コミュニティバスのっティ、土器の4つです。クジを引いて、どれを描くか決めてね」

学生「どれを描くか決まったかな。じゃあ、4つのものを順番にスクリーンに映すから、どんなカタチをしているかしっかり覚えてね。しばらくしたら消えちゃうので、頭の中に残っているイメージだけで、画面の左側に描いてください」

学生「描き終わったら、今度は実物を見ながら描いてみましょう。じっくり観察して、手でさわって、画面の右側に描いてね。2つの絵をくらべると、観察しながら描いた右の絵はどんな特徴があるかな?」

キッズ「絵が立体的になったよ」

キッズ「近いものは大きく、遠いものは小さく描けている」

キッズ「土器はくぼみを描くことができたよ」

学生「観察しながら描いた絵は実物の特徴をよくとらえて、立体的になっていますね。想像だけで描いた絵は平面的だし、描いた人の性格が出てしまうんだ。イメージどおりに立体的な絵を描くコツは、描くモノをじっくり観察することが大切なんだよ」

ペンタブレット
パソコンにつなげて使用する道具。ペンを動かすと画面のポインタも連動するため、まるで紙に描いているかのようにパソコン上でお絵かきや写真加工などができます。