プロジェクトの内容

実践フィールド

学生が行動目標を効果的に達成するためには、学習成果が社会に実質的な成果もたらす学習フィールドでなければなりません。本プロジェクトでは、北陸エリアを一つの学習フィールドとして捉え、郷、都市、水辺、森林の全てを網羅する地域特性や、相互のつながりを踏まえた俯瞰的な視点に基づく環境問題への対応をテーマとして位置づけます。さらに、関連企業や地域住民に参加を呼びかけ、「幅広い関係者の参画と協同」による教育実践を行います。

また、学生にとって、参画する外部の方々は、「顧客」「模範となる先輩技術者」さらには「ビジネスパートナー」と位置づけることができます。これは、学生が将来のキャリア像を描き修学を実践するための重要な要素であり、この教育実践の場が、人々や周辺の生活環境等を踏まえた実践的な学習環境であることを意味します。

教育プロジェクトの具体的な流れ

学習プロセスは、ステップ1とステップ2に分かれ、先に述べた2つの行動目標にそれぞれリンクしています。

ステップ1では、地域社会からプロジェクトテーマを見いだし、実践的な問題発見解決プロセスに取り組みます。計画、実行、評価、改善・展開の4つのフェーズに分かれ、それぞれの活動プロセスや取り組み成果は「ECO PAPER」として、第三者にもわかりやすくまとめます。ステップ2では、複数のプロジェクトが連携し「ECO PAPER」を確認しあうことで、活動領域や社会的背景を融合させ、俯瞰的な視点に基づいた新たな問題発見解決プロセスを実践します。

外部機関との連携

地域住民や企業との連携については、あらかじめ連携可能な外部機関に関する情報を「外部連携計画書」として学生に提示します。具体的には、これまでの成果を報告し理解・評価を得る「産学連携環境フォーラムの開催」や、地域住民へのヒアリング、ワークショップといった「地域環境コミュニティ」の定期開催、地域の小学生等に取り組みをわかりやすく解説する「環境サイエンス可能な外部機関に関する情報を「外部連携計画書」として学生に提示します。具体的には、これまでの成果を報告し理解・評価を得る「産学連携環境フォーラムの開催」や、地域住民へのヒアリング、ワークショップといった「地域環境コミュニティ」の定期開催、地域の小学生等に取り組みをわかりやすく解説する「環境サイエンスセミナー」等の実施プログラムの雛形が記載されます。学生は「外部連携計画書」を参考に、計画フェーズにおいて外部機関との連携内容を具現化し実践します。

なお、各教育プロジェクトの活動状況は、北陸全体を網羅した「環境プロジェクトMAP」に記載され、地域住民や企業に、地域特性と環境問題の関わりを伝えるとともに、連携の必要性や重要性を地域全体で共有します。

教育プロジェクトがもたらす効果

複数の教育プロジェクトが連動・融合することで、他分野の専門領域を学ぶ学生同士の密なコミュニケーションが生まれます。このような学習環境は、複雑な社会的制約条件が盛り込まれた実社会に近く、修得する問題発見解決プロセスの高度化と、明確な「環境マインド」を有した「自ら考え行動する技術者」を輩出することへとつながります。

また、「ECO PAPER」は、学習成果を計るための共通基盤となります。局所的な教育プロジェクトを横断的に捉えるツールとなり、各教員の連携強化や、教育実践ノウハウの共有、学科や研究室の枠組みを越えた社会的ニーズに対応した教育実践の展開が可能となります。

そして、地域社会との連携は、学生に魅力的な学習環境をもたらすだけではなく、成果を公開することで、地域住民の環境問題への理解・関心が深まることにつながります。意識が高まることで、学習フィールドがより活性化し、結果的に学生にとって魅力的かつ実践的な学習の場の構築へとつながります。