ロボットレースでオリエンテーリングの結果発表を聞く小学生
未来の高峰譲吉博士は君だ!発酵産業活性化プロジェクト(担当指導教員:バイオ・化学部応用バイオ学科 相良純一講師、尾関健二教授、工学部情報工学科の中沢実教授)は10月18日(日)にプロジェクト活動の一環としてKIT金沢大野醤油マッピングイベントを本学24号館1階生物化学実験室および金沢市大野地区で開催し、プロジェクトメンバーを中心に学生28人と小学生14人が参加した。
本プロジェクトは地(知)の拠点整備事業の活動の一環として平成27年度から開始したプロジェクトであり、①授業や実験演習を通じて郷土の偉人である高峰譲吉博士に功績をもたらした「麹菌」を学び、地場産業の一つである発酵産業ならびに郷土の偉人の功績について理解を深めること。②応用バイオ学科と情報工学科の学生の協働活動によるICTを活用したe-Learning教材の開発。③地元小中高生に対する科学実験講座や金沢市発酵産業マッピングなどのフィールドワークを行うことを通じて高峰譲吉博士の功績と市内発酵産業についての知見を広めることを目的としたプロジェクトである。
チェックポイントでクイズに 答える小学生
今回のイベントでは、午前中に学生が講師となり醤油の製造工程について小学生にわかりやすく講義したあと、実際に醤油作りの1工程である麹仕込み体験を行った。参加した小学生も初めての麹仕込み体験に戸惑いながらも楽しく麹仕込みを体験した。午後から金沢市大野地区でオリエンテーリングを行うため学生と小学生がバスで一緒に移動した。バスの中では醤油に関するクイズを出題するとともにゲームを行い、小学生に醤油を身近に感じてもらうためのイベントを行った。金沢大野地区では小学生が3班に分かれ、大野地区に点在する18の醤油メーカーにおかれたチェックポイントを探して回るオリエンテーリングを行った。オリエンテーリングでは、各チェックポイントにNFC(IC)タグを貼り付けたオブジェクトを設置し、タブレットPCで、そのタグを認識させ、その際に出題されたクイズを答えながらポイントを集めるアプリケーションを使用した。またラピロを用いたロボットレースを行い、オリエンテーリングの結果発表を行った。これらのアプリケーション作製やロボット操作のプログラミングは応用バイオ学科の学生と情報工学、ロボティクス学科の学生の協働活動により行われ、学生にとっても大きな刺激と貴重な体験を得ることができた。参加した小学生にとって今回のイベントは地元の発酵産業に触れる良い機会となり、学生も小学生と一緒に行動することによりに物事を伝えることの難しさや小学生からの気づきを得る貴重な経験が得られた。 後日、参加した小学生の保護者から「子どもが大変満足して帰宅した。子どもにとってとても有意義な経験をさせることができた」という大変嬉しい感想を頂いた。
小学生に麹仕込みを教える学生
本プロジェクトは更なる発酵産業の活性化と郷土の偉人の功績について理解を深めていく活動を目指していく計画をしている。今後も発酵産業活性化を軸に地域社会の発展を積極的に支援していきたい。