平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

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お知らせ(平成27年度)

ののいち創生市民フォーラム 「日本一楽しいまち・野々市市を実現する!」
2040年の野々市市はこんなに楽しい!

2015.07.25

グループごとにディスカッションの内容を発表する参加者

 「ののいち創生市民フォーラム「日本一楽しいまち・野々市市を実現する!」が7月25日(土)午後1時30分から12号館アントレプレナーズラボ1階で開催された。

 このフォーラムは、本年3月に野々市市から委託を受けた「野々市市まち・ひと・しごと創生に係る人口分析基礎調査業務」の一環として行われ、当日は市民や学生ら約40人が参加し、グループに分かれて現在の人口の現状からみる自分たちの手で創る2040年の野々市市の姿を描いた。

  昨今、地方創生による取り組みが日本各地で強化されている。その背景には、日本創生会議が2040 年には人口の過疎化によって全国1,800市区町村の半分の存続が難しくなるとの予測がされ、東京・大阪等大都市への人口一極集中の歯止めをし、地方の活性化を目指すものである。石川県においても、県内11市8町の内、5市4町(加賀市・七尾市・輪島市・珠洲市・羽咋市・志賀町・宝達志水町・穴水町・能登町)が地方消滅都市としてあげられた。

  そのような中で、野々市市は人口増加を続けている全国でも数少ない都市である。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、野々市市の人口は平成52年(2040年)には58,567人に達し、65歳以上の人口は現状の約2倍となるといわれている。そしてそれをピークに減少に転じるといわれていることから、野々市市では今から人口維持、減少対策を考え、今後の地方版総合戦略策定に盛り込んでいく。

  フォーラムでは市民がそれぞれの立場で野々市市の将来をどのように考え、何ができるかを考えた。学生、市民、企業、自治体職員らが参加する中、粟貴章野々市市長、石川憲一学長らがオブザーバーとして参加し、環境・建築学部の建築デザイン学科4年高橋歩君と福田崇之産学連携推進部連携推進室長が進行をした。


将来の野々市市の姿について
グループディスカッションをする参加者

  オープニングでは、ウォーミングアップとしてチームメンバーが協力して野々市市内にある「町名」を書き出すクイズを行った。市内には36の町があるが、扇が丘、高橋町、本町・・・と自分が住んでいる町の周辺は分かるものの、意外と知らない町が多いのか、また、読み方も難しい町名もあり、5チームの平均回答数は約15個であった。答え合わせをしながら、参加者たちは改めて野々市市の広さを感じていたようだ。

 オープニングの後は、委託事業を担当した工学部情報工学科の中野淳教授が、野々市市の現在の人口について、町字別の特徴について説明した。

 中野教授は野々市市にある平成21年~平成24年の人口情報を基に、四つの学校区に分けて2010年(前回の国勢調査記録)から2040年に向けて人口ピラミッドがどのように変わっていくかシミュレーションで見せた。また人口移動(出入り)分析では、押野地区では若い世帯の移動が激しいことや、開発が進んでいる新庄や郷町付近では流入が増加しているが、本町、粟田、中林地区など古い町では流出が多く、高齢化が進んでいることなどを説明した。参加者たちは感覚としては何となく理解していたことを改めてデータで示されたことにより、野々市市内の状態を実感したようで、興味深々に話しを聞き入った。

  中野教授の説明を受け、後半はフューチャーセッションのグループディスカッションを行った。参加者らは2040年の理想的な町の姿を描いた「未来新聞」を作成するため、2040年に理想とする人口状況はどのようなものか、そうなるためにはどのような出来事やきっかけがあるのか、そのとき自分たちは何をしているのかなど、自分たちで作り上げる将来の野々市市の姿について熱くディスカッションを交わした。その結果、五つのグループからは「工大生の8割が市内で起業し、人口構造に大きな変化現る!」「人口7万人町家再生で若者定住」「市内にロボットテーマパーク開園。工大生の大型雇用始まる!」「市内4エリアでマニアックな活動活発!各年代で人口増加!」「野々市にベビーブーム到来!更に工大生のベンチャー&連携企業の誘致増える」「幸せ度世界一!ユネスコ世界幸せタウン2040に選ばれる」といったアイデアが出された。内容は若者の定住や工大生の起業に向けたアイデアが多く、若い力で街を盛り上げようとする工夫が見られた。

  アイデアを聞いた粟市長からは「どれも明るい未来が待っていて楽しそう。みなさんのアイデアは実現できないことはない。これを夢として終わらせないよう、市民のみなさんと協力して、ぜひ実現させていきたい」と今後の野々市市の明るい未来に期待を寄せた。

  出されたアイデアはすぐに実行できるものではないが、同じ想いをもった市民・学生・企業らがそれぞれの立場で行動することで、夢を実現させることは可能である。できることから始めることで何かが変わり、「奇跡」を起こすことができる。2040年にはどの未来が実現されているか楽しみである。

  今回は「データ」を活用したグループディスカッションを行った。現状の野々市市の姿をデータを通してみることで、これまで気付かなかった新たな魅力や課題・問題点の認識が可能となった。今後進められるオープンデータ化によって、地域社会には多くの情報があふれ、入手しやくなり、それを活用した自治体や企業の取り組みが多く展開されるだろう。地域の拠点となる大学を目指す本学にとっても、COC事業に限らず、地域の課題に取り組む授業や課外活動、研究活動では地域から提供される情報やデータを活用し、自治体や企業と連携しながら地域にとって実質的な成果をもたらす活動が展開されるようサポートしていきたい。

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